悲しみより圧倒的に遅い窓、電車の。
価値の違いを理解できない、爆音の。
情報を情報で重ね続ける、液晶の。
ユーモアの先端に知性が宿る、海馬の。
春風に乗る言葉たち包む、木綿の。
深い深い闇よ ....
リビドーの溢れたる街冬北斗
瓶の中にとり残された
ピクルスひとつ
蓋が開くのを ただ
待っているだけの日々
見通しが良すぎて
すっぱい孤独
《ピクルス:2013年11月10日》
呆けた猫が毛づくろい忘れている
蛙がいっぴき、
きみの眼のなかで凍え死んでいる
その皮膚は潤いというものをうしなっている
そんなことお構いなしにきみは蕎麦を食べている
分厚いダッフルコートのボタン ....
詩に関節技をかけられる
ギブアップして時代に媚びたと白状する
詩に投げ飛ばされる
天地回転 ものの見方がひっくり返る
詩に首を絞められる
反則も何もありゃしない
ついには殺されてし ....