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初めての学芸会は
サルカニ合戦の
蟹の役だった
いとこのよっちゃんは
猿だった

元の話は
硬い青柿をなげつけられて
つぶれた蟹の卵から
子蟹が出てきて
助太刀を得てみごとに
親 ....
目がさめたら
やけに喉が渇いていた

水を飲もうと
池のふちで
身をかがめると
なぜか
バランスを崩し
水の中に落ちてしまった

泳ごうとしても
体は重く
水の底へ沈んでいく
 ....
父は今日
返事をしなかった
話しかけても

目だけはじっと
私をみていた

まゆみだよ
わかる?

といっても
黙っていた

聞こえる?
と聞くと
うなずいた

声は ....
アナウンスが流れる

線路内に鹿が入り込んだため
列車は3分遅れて隣の駅を発車しました


その鹿はどうなったのだろう

寒いホームに
誰もが無言で
同じ方向をむいて並んでいる
 ....
語弊があるような言い回しは避けて
誤解を生むような表現は消して

本当に伝えたいことだけを

傷つけないように
耳を傾けてもらえるように

心を開いてもらえるように

気分を損ねな ....
都市に吸い寄せられ
消えていく
山奥の村

恋だったから
踏まれても
壊れても
染められ
私を失って


沈んでいこう
柔らかな陽射しと緑の風を抱いて


いつか
私の ....
笑われても
無視されても
ぽきぽき折れるばかりだった自尊心を
つっかい棒に
ただ適応することを
拒んだ


育っていけない子どもとして
倒れるために
長い間待った
ふるさとが沈む ....
それからも
春は繰り返す

ゆがむ 水の記憶の上に

橋 畦道 雑木林
学校 郵便局 診療所
ヤチブキ
エンレイソウ
カタクリ
エゾエンゴサク

プリズムのフレームに
予め切 ....
夕暮れの少し前の空が
薄桃色に発光している
家々の壁も
屋根の雪も

空にはまだ白い月
解き放たれた風船のように
心細げに浮かんでいる

さっきはビルの上にいたのに
おとなりの
 ....
おにさんこちらてのなるほうへ
追いかけても
誰も捕まえられなかった
嫌になって
薄目をあけると
どうやら
周りに誰もいない
口惜しくて
やみくもに走ったら
迷子になった


何 ....
こんなふうに
穏やかに
労りながら
暮らしていけると思ったやさきに

何の前触れもなく溶岩のように
吹き上がる
怒りを
とどめようもなくぶつけてしまった

慎重に
優しく積み上げ ....
うろおぼえの風景の中を
戻って行く
繋いでいく

抜け出したい
と思った時
光が見えた

根毛を伸ばし
水を吸い上げる
双葉を拡げ
光を浴びる

暖かかった
柔らかかった
 ....
雪祭りで賑わう
地下街をあるいていた

柱の影から目の前に現れた人物が一瞬父かと思った
現実の父より
かなり若いし
実際の父は
病院のベッドで
寝たきりだと
すぐに気づいた

似 ....
幼稚園の豆まきでは
殻付きピーナッツと一緒に
キャンディーやチョコ玉や
たまにチロルチョコなんかも混ぜて
撒いてくれるので
鬼のお面をつけた子どもたちが
懸命にそれを拾うという
奇妙な光 ....
手紙を入れて
春の小川へ流してやるのだ

壜はゆらゆら流れて行って
コルクの栓もしだいに腐り
水が浸み
河口近くに沈むだろう
それとも海へ流れ着き
波に揉まれ
誰も聞かない音をたて
 ....
紙の前には座りたくない
鍵盤の前にいたい

昼ひなか私は没頭する
緊迫する
高揚する


せわしなく
抑揚の激しい旋律を
いつか
さりげなく
やさしく
奏でることができたら
 ....
淋しさは
翼いっぱいにはらむ風

僕は
飛びたてる
だけどというより
だからこそ

明日をもしれぬ運命
なんて
何を怖がることがある

残り時間の心配なんて
いらない
 ....
揺すらないで
覗かないで
ノックしないで
猫はいや

汚いものが沈んで
息がつまる

追い詰めないで
掬わないで
閉じ込めないで
逃がさないで

窓はどこ
酸素が欲しい
 ....
色褪せてしまうまで
崩れ落ちるまで
見届けたかった
遠くなる影を見送り
不在を確かめたなら
踵を返し
歩きだすはずだったのに
あとからついていったのだ
見失う一歩手前の距離を保ち
二 ....
夕暮れの空を見上げると
今日はお月さまがいない
と思ったら
真上やや後方から呼ばれた
「ココニイルヨ―」
ふりあおぐと三日月
こないだ見たときは
真っ黒な空の真ん中で
薄笑いの口みたい ....
おおゆきが降った夜
雲の切れ間で
三日月につかまって
空中ブランコしてたのは
木の葉の舞う頃
行方不明になった黒ネコ

最初は新聞の折り込みチラシ
猫のアップの写真の下に
「飼い猫を ....
伯父さんのお葬式の日に
父に会いに行った
病床で 夢と現のあわいを
ゆっくり行き来している父は
「今○○さんが来て行った」と
仲良くしていた兄の名を言う
その人が亡くなったという事を
お ....
みなさんどうかよいお年を
今年一年数々のご無礼を働いたことも
どうか水に流してください

わたしとしては
それなりに
誠意を尽くしたつもりです

努力が足りない事も
わかっています ....
ざらざらの掌で
温められ
擦られ
撫でまわされて
摩耗した挙句
まるく つややかな光を放つ
表面に一点の翳りもない
器が
轆轤の上に
遂に生成し得たとしても
掌の持ち主の
荒れた ....
渇いた湖底を
掠め
渦巻き
通過していく
そんな
低温の吹雪を

窓には無数のひび割れに似た
しばれ模様が張り付いて
空気中の水分は
耳にも
皮膚にも
触れない
喉も乾かして ....
鳥でなければ見たことのないはずの景色を
夢で見た

子どもの頃なら
空を慕った記憶はある

宇宙からの信号は
生まれた日から
届いていたのに
地表に張り付いたまま
私の未来は区切ら ....
冬になる前に
庭のバラを剪定した

咲き遅れた蕾の枝を
花瓶に挿しておいた
膨らみかけていた他の蕾は
次々に開くのに
その白薔薇の蕾は
しばらくはじっと蒼いまま

ある時
限界を ....
「すみません。おひとりさま1パックまでなんです。」

その日
特売の卵を2パック
かごに入れていた老人は
無情なレジ係にそう言われ
1パック取り上げられていた

解けかけた雪が
昨夜 ....
僕は目を瞑り
夕暮れの国道に彷徨う仔犬のことをちょっとだけ考える
カーラジオから明るい声が
逃げ出しちゃった犬の情報を
お寄せくださいと呼び掛けている
犬の種類 大きさ 毛の色
首輪 名前 ....
あともう少しと思うところで
火を止めるのよ
もう薪はくべなくていい
蓋をあけてはだめ
後は鍋ごとさめるのを
待つの
ゆっくりさめながら
ジャムはだんだんジャムになるから
リスの母さんは ....
ichirouさんのLucyさんおすすめリスト(96)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
勧善懲悪- Lucy自由詩13*14-2-22
目がさめたら- Lucy自由詩6*14-2-21
父は今日- Lucy自由詩22+*14-2-20
鹿- Lucy自由詩26*14-2-16
本当のこと- Lucy自由詩20*14-2-15
水の村__Ⅲ- Lucy自由詩6*14-2-13
水の村__Ⅱ- Lucy自由詩8*14-2-13
水の村___Ⅰ- Lucy自由詩13*14-2-12
帰り道- Lucy自由詩10*14-2-12
めかくしおに- Lucy自由詩21*14-2-11
溶岩- Lucy自由詩13*14-2-10
モンタージュ- Lucy自由詩10*14-2-9
雪祭り- Lucy自由詩19*14-2-6
節分- Lucy自由詩19+*14-2-3
- Lucy自由詩17*14-1-27
レッスン- Lucy自由詩13*14-1-19
涙袋は満タン- Lucy自由詩12*14-1-17
モノローグ- Lucy自由詩14*14-1-15
複眼- Lucy自由詩16*14-1-14
お月さま- Lucy自由詩24*14-1-9
黒ネコのタンゴ- Lucy自由詩15*14-1-6
牧場- Lucy自由詩18*14-1-3
今年はこれでお終いです__(詩人サークル「群青」今月のお題「 ...- Lucy自由詩15*13-12-28
会わぬが華- Lucy自由詩20*13-12-23
- Lucy自由詩21*13-12-17
鳥でなければ- Lucy自由詩19*13-12-13
白い蕾- Lucy自由詩18*13-12-9
卵2パック- Lucy自由詩23+*13-12-2
帰ろうという意志さえあれば_彼には道がわかるはず- Lucy自由詩14*13-12-2
さめるまで- Lucy自由詩23*13-11-26

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