夏は ただあつくあつくなって
空は ただあおくあおくなって
なんだか どこかへ行けそうな
あこがれだけが 駆り立てられて
体の どこか奥から
あおい水が 湧き出すようで
水面の ....
夏草が いっぱいです
ガードレールを 乗り越えて
道の両側から
わっ と はみだしています
私は うれしくなります
いのちが
わっ と いきていて
読みかけの詩集を逆さまにすると
文字の列たちは
不ぞろいのビルディングになりました
そして
下のほうにあった余白は
広い空に
しばらくその様子に見とれていましたが
何かが足りない気が ....
ビー玉と 古い着物 古時計
もう誰も住んでいない 壊れかけた建物
するめと 日本酒 おにぎり ごはん
夕焼け色に染まる時間
古本屋 たくさんの詩集
化石と 色とりどりの ....
花や みどり溢れる木々の葉のようには なれない
すさまじく動きを止めた 重い重い岩
光線を鋭角に曲げる 堅い堅い水晶
錆を浮かべながら頑固に座り込んだ 廃墟の鉄塊
混じりあわず ....
眠ると、小さな死、
眠ると、生きた夢、
境界を超えて、
時をおしのけて、
小さな死を、眠ろう。
時によりかかって、
思い出せない夢を眠ろう。
おまえ どこにいる
こころ きずだらけ
からだ ふつかよい
すてる ものおもい
どこか いきたいな
おまえ そらのうえ
ひとり そらのうえ
なみだ たそがれ ....
なんだろうこの部屋は
汚れきった、私の信仰心が
ここに落ちている
なんだろうこの部屋は
第一、空気がおかしいのだ
おかしいのだ
何かが、わたしの思考を澱ませていく
こんな小さな部 ....
からんからん、と
ゲタの音
ぱぁん、と
花火の音
ぱしゃん、と
金魚すくいの音
盆踊りの音が
後ろに聞こえて
納涼の提灯が
空を飾る
熱風が
私の髪をさらって ....
本当を言うと
おまえは 少し こわかった
祈るように欲得なく
好きというだけで
なにもかもほうりだして
入り込んでゆく おまえに
私が 壊されそうで
少し こわかった
それ ....
ともだちなら
ひとりもいません
ここ何年も
ともだちとして
誰かと 話したことは
ありません
職場にいるのは 同僚
サークルで会うのは 仲間
特に寂しくはありません
....
純粋で
裏の世界なんて
まるで知らない
素直な君
僕は
どっちかというと
素直ではなくて
裏の世界の住人
かもしれない
悪口を絶対こぼさない、
なんてキレイゴト
言えるは ....
匿名のわたしや
偽名のわたし
本名のわたしや
肩書きのわたし
つくりもののわたしや
おもてむきのわたし
どれもこれも
まあまあに わたしなので
ひろいあつめて
あちこちに はりつ ....
真夏の かんかん照りの日射しの下を
ひいひいと歩いて行くのが
どうした訳か 好きだ
都会の道でもかまわない
草深い山道ならもっといいが
それはもう汗まみれになって
かわいてひっつい ....
誰も正しくない。
ひとは、正しくない。
私は、正しくない。
あなたも、正しくない。
何一つ 正しいものはない。
あいまいに
正しさに負けずに、
....
となりのとなりのとなりのへやの
めざましどけいがなりやまないので
ゆうがた六時半にそとにでた
まだ日はしずまず
ふだんよりずっと赤いかおで
西のやまの端にキスするようだった
あんがいあ ....
海に行ったら
いつまでも終わらない
波の音を聞きながら
砂を
たなごころいっぱいに
すくいあげて
ゆっくりと こぼそう
いくども いくども
すくいあげて
ゆっくりと こぼそ ....
窓際の席はまぶしくて
わたしはかるく目を細める
活字の上に落ちる 白い光を
見つめているといつのまにか
目の前にみどりが踊る 紫が舞う あぁ
それをさえぎる薄い影がふくすう
穏やか ....
愛されたかった
わたし
壊れた
粉々に砕け散った
もうどこにもいない
探しても
見つからない
まるで4階から
地面に
パソコン本体を
落っことしたみたい
音は聞こえなかった
ゆ ....
透き通る空に
何もかもが見透かされている気がして
僕は空を見上げなくなった
透き通る空に
あなたは前を向かなきゃっていわれてる気がして
僕は耳を塞いだ
けれど、いつも空は僕を見 ....
女の残り香が飽和した部屋の片隅のベットを
夏が来る前にシングルにしよう
と決めてから
もう何度も朝日を浴びて
僕が寝返りを打つたびに
ぐっと沈み込みながら
男臭いにおいを嗅ぎ続けてくれ ....
実家に帰った妻から電話があった
私はその時一人で部屋にいた
お互いの今日の無事を確認した後
私は巨人が広島に負けていると告げた
長距離電話
他に話すこともあるだろうに妻は
清原の調子はどう ....
なつがくる なつがはじまる
あどけなくあおいそらに くっきりとくもがうかんで
あおいそら ほんとうにあおいあおいそら
なにもかもが いちばんちからいっぱいになって
ひかりが な ....
母方の祖母の雪江さんは
70歳くらいでガンで死んで
お通夜の次の日に突然生き返った
その時なぜか僕1人しかいなくて
雪江さんは自分の死化粧を見て
「えらい別嬪さんやなぁ」となぜか ....
自由になりたい
自由になりたい
っていうのが
口癖だったわけ
そしたら朝起きたら
翼がついてたわけ
そりゃもう嬉しくてね
飛びましたよ
ぐるぐる
ぐーるぐる
で ....
サイレンが変なメロディつけて鳴っていて
校舎の窓にほおづえついていると
校庭ペンギンが
横目でこっちを見てる気配
すべりだいの隣のやつ
昨日ノリちゃんが
すべりだいの時にパ ....
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