ゆふかげ柔らに溶け出して
思い出る寂しさよ
ひと恋しさに涙する
鴉は友を呼ばひても
友の姿はあらずして
ひとり山へ帰り来む
巣立ちも終へし後ならば
ただ眠るため目を閉じぬ
ひと ....
ピンセットで摘まめば、それは明けない母の朝でした
すべてが終り無くなった
粒子を詰めた風船それがこの世界だったので
いずれ現れるくまたちの爪がその薄いゴムを破る
しかしその願いも粒子
遠く遠くへと祈っていた夢も粒子
記憶だけ ....
正門の所で
白濁した眼の犬が
伏せている
あなたの差し出す手に
少しじゃれて
午後にはやはり
日差しが似つかわしい
栄養のあるものを食べなさい
あなたは口癖のように言うけれど
....
小学生のとき
教室でモンシロ蝶の幼虫を育てていた
クラスメイト全員に与えられた
翡翠色のいもむし
そっと指の腹で撫で
キャベツの葉をあげ
毎日見守っていた
やがて蝶になるはずのそ ....
箱舟に頭を下げようと思った朝
本当にそれでいいと思えた朝
いく時間後には打ちひしがれて死を
見つめるやと悟り得て吐いても
ただいまは春の朝で在る平等に花の朝で在る
この清々しさのどこにも偽り ....
朝に聞いた曲
心の目が柔らかく開く
見落としていたもの
忘れていたこと
目玉焼きのカタチに
母が
洗濯したハンカチの色に
父が
リキッドの眉墨には
妹
私の ....
駅前では 公衆電話が姿を消した
さびしいね
あなたが途切れさせた連絡網
伝言を覚えたあの子が
家族に話さずに旅立っていくよ
改札口はシュレッダー
ぼくたちを他人にして
誰もが無言で通りす ....
離島に夏がくる
隣の猫は人間になりかかってきた
この忌まわしい季節には
神経節細胞の痛みだけが秩序ある情報なのだ
ぼくの離島は温存されて
真夜中に大陸とひそかに交信する
部屋のAI ....
うまいこと言いたいとか
いらんこと言わないとか
あまり気にしなくなって
うまいこと言えないし
いらんこと言っちゃうし
自由でいいんじゃないかな
各々そんな感じだから
当然まとまら ....
かけがえのない 欠けていく 駆けていく
脳みその乗り物みたいな僕だった
清浄され、静かなシーンとなっている
身体と心の全部が耳を澄ます
間違いなく冷たくなってた
あいつ、死んだよ
法律って知ってる?
知らねえ、もう行こう
風呂屋が閉まる
東京はただの街
広島はただの街
日本はただの島
ここはただの場所
眠 ....
何故か去年の梅雨が気になった
今は梅雨の真っ只中
濡れたままの街の景色
去年の今頃は梅雨の中休みだった
晴れ晴れとした気持ちだった
雨に濡れた植物
葉っぱの色は鮮やかで
埃の ....
おととい 小さなせせらぎを見つけて
家に帰ると
網戸に黒い揚羽蝶がとまるのを見つけた
そして
蝶も私を見つけた
気配の優しさ
遠い記憶の静かな切なさ
完璧な蝶の姿で
再び会いに来てくれ ....
秒針は砂漠の中にとけていく
夜行バスのように星を抱える人
いつも、この手は温かさ放ってる
やわらかいカーテンと世界がゆれる
越冬のことはなにもいえない
あれから僕の身体には青空が広がっていて
雲もない
なにもない
誰にもなにも
いいたくなくなってから
人の言葉が
まるで湖のようにきこえる
僕は両手を
....
青色の携帯電話で撮った空
風のように心がまだ動いてる
雲のあいだを歩いてる人と犬
立ち止まっては朗らかに青く澄む
あめいろの
時が過ぎ行く
この夕べ
わたしの孤独は宙に溶け
一閃する光の海
瑪瑙の渦は天を駆け
静かさだけが降って来る
気の遠くなるよなこの時に
静かさだけが降って来る
....
私、感情がないのよ
えっ、本当に?!
ペシペシ
痛、痛た、何すんのよ
いや、感情がないっていうから
ペシペシ
おい、ふざけんなぁっ
あ、怒った
時を経て彼女はネットの怨 ....
ペダルを踏む足を止める
鳴るブザー
鳴るブザー
チョコレートの音
左の音を聞いてる
ドアを叩いてる
華奢な手
力はこもっていない
義務だから叩いてる
そんな音だ
ブザー、ブ ....
僕のぽけっとの紙片には
最新のもっとも無駄な解答が記されている
人生に必要なものの殆どが木箱にしまわれて
博物館の収蔵庫の奥深くにおさめられているとしたら
菫や蓬の花のように路傍にさり ....
外野を抜けた白球を追って走る
走者が一掃して
試合が終了しても
ひたすら追いかける
悲しみも寂しさも
ただの退屈だった
人の形を失っていく
それでも最後の一ミリまで走る
(午前7: ....
ひとり暮らしが長い
いつのまにか
ひとりの部屋でさえ
つく溜め息
気がつけば
カラフルが部屋から消えている
このまま立ち止まったまま
死ぬまで生きるのだろうと
よせばい ....
僕が世界と繋がるために
涼やかな夜風を浴びながら
今日も一つの詩を書き留める
それは静かな吐息をついて
雨降る白壁に投映される
夢の間に間の幻灯機
巨大な毒蜘蛛を追いやって
雨滴を溢す紫 ....
音楽の途中でぼくは飽きてしまう
本当は好きじゃないんだと思う
無理してるんだ、きっとそう
だってまた別のこと考えてる
ゆるやかにリムーブしていく
ああ、ああ
こんなはずじゃなかった ....
水槽に流れるおだやかな時間
他者だったことを忘れて声になる
春色の初夏 黒板へ吹いた風
思い出せない想い出を持っている
高台から遠浅の浜を眺めると波の照り返しには目が眩む。
鰯の群れを追いかけて飛沫をあげるスナメリが、
ハセイルカの一団を連れてやって来た。
小屋の喜三 ....
心地いい五線譜の上 止まる時間
あの時には桜は咲いていたのかな
誰かが眠ったこと考えている
あしおとのそばでは落ち葉たちが目をまわしていた、ひそひそとぶつかりあうすがたは、わずかな言葉で陰口をたたいているようで、走りだしたあなたはかぜのようにくるっていった、だから、それは、たぶん、そ ....
この瞬間にこの音楽を聴けるのは生きている証なんです
ちょっとだけ仙境を垣間見てそれでもやっぱり現実を改革する生命なんです
誰かを愛する合間に沢山仕事をしたいのですね
余計なことばっかして罵倒 ....
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