きみはなにに殺されたのだろう。

この日付、六月二十六日という日付のほんとうすら私はもう忘れつつある。きみの命日そのものだったのか、それともきみが死んだことを私が知った日だったのか。

おそろ ....
ずいぶん歩いて歩いて、ひざこぞうはすりきれて足ひきずるようになったよ。
いくど、ここは果ての先だ、と思ったことだろ。

らっぱのみしたワインの瓶、公園のひみつ基地のしたでねむった夜、あったかそう ....
いつくしみを
ぼくに いつくしむこころを

ひとの知の火がなげこまれた
焼け野が原にも
ひとの予期よりうんとはやく
みどりが咲いたことを

 アインシュタインはおどけながら呻いている
 ....
うつくしい家にかえる
秋の赤みをおびた夕暮れ色のレンガをふむ
玄関にはアール・ヌーヴォ風の
金色のふちの大きな丸鏡にむかえられる

この丸鏡の前に花瓶をおき
庭に咲いた花を飾る
と鏡の向 ....
きみのかあさんになりたい
お洋服を手縫いしたり
陽に透けるきれいなゼリーをつくったり
おひざにだっこして絵本を読んだりする
いつも子育てのことで
はらはらと気をもんでいる

きみのとうさ ....
雨の日のあくる日
学校のうらの公園に
みずたまり
ができていたよ
みずうみ
みたいだったよ

みずうみには
ケヤキの葉っぱが陽に射られてみどりに
きゃあきゃあと光っていたよ

女 ....
ごめんねとあなたにささやいて
いつも唾でやさしい嘘をなぞっていた
ほら、耳をふさいでしゃがみこんで
はねつけろよ

いつからわたしの舌は
こんなにも何枚もはえてこっそりと赤い棘で
みなを ....
眩しい
なにもみえぬ夕暮れのなかに

鳥葬の塔

アーチ型の風雨にいたんでいる木製ドアを開けよう
耳に痛いちょうつがいの音がして少し赤錆がおちる
取っ手にはこれまでのすべての
怯えてい ....
考えてみたらあたりまえだけど
詩をかくひとにも
なにかしら毒のようなものをまとう
ひとがいた

目立ちたいひと
偉くなりたいひと
人を貶めたいひと

なんだか
スンと
さみしいき ....
ッポン ッポン スッポンポン

ちょっと不安な夜はね
お月様に弦をかけて
愉快にかきならして御息所を追い出すわ
獏 パクパク

かあさんてばアマテラスだったのよ
かっこつけすぎひねくれ ....
ひさしぶりに
そうして
はじめて
おともだちとあって
懐かしいように
つばめグリルでごはんとお茶をした。

三時はなんだかさみしい
おひさまがさがって
夕暮れがくるから
おわかれ
 ....
ねぇ、おとうさん

なんで 戦争反対をするの / 次世代のこどもたちが徴兵されるからだ / なんで そんなふうに思うの / 新聞を、読んだからだ、たくさんの人にあって活動していたからだ / なんで ....
to belong to
ということばのひびきはあこがれだ
(父のキングス・イングリッシュはほんとうにうつくしい)

遠い、遠い
名も知らぬ
国を想うように
to belong toをく ....
やがて宇宙が滅びることは数式に証明されちゃったらしい
終末のラッパはとっくにわたしの中に高らかに吹かれてた

人も言葉もすべては星の爆発の灰燼に帰すのかしら

いえ、きっと
書かれた人読ま ....
ねぇ おぼえている

この世におりてきたころのこと

あしたが待ち遠しかった日々のこと

まばたきするたび うつりかわって
桜の花びら
糸と針でネックレスにして
穴あけたところから
 ....
僕の体の中には沢山のコップがあって、塩辛い青い涙や大輪の向日葵みたいな喜びや夕日の落ちる切なさがそれぞれに詰まっている。コップは多分千以上あってそれぞれの感情を綺麗に整理してくれるんだ。必要なときに必 .... 新宿の伊勢丹の
いいお店で働いていたときに

うんとお買い物してくれたおばさまの
ぜんぶの指にひかる指輪みて
がっかりしたの

わたしの中には
スニフの落ちたガーネットの谷から拾い
 ....
灰色に枯れかけた景色を
あるいてったさきを

(記憶のおくのほうで化石になってくれていた はやあしのおと)

どうしたって ぜったい壊れちゃうんだけど
あったかい秘密基地がほしくってさ
 ....
ゆれている黄色い花つくりものみたいな蛍光の色レンギョウ
しだれてゆらゆら揺れている花弁は薄いプラスチックでできているみたいに陽射しのした見えました
神様が蛍光ペンで春にしるしをつけたのかもしれない ....
ミルク色の波が打ち寄せる
甘い浜にね

真珠がコロロンコロロンと
いっぱい ころがっていてね

カリリカリリと 齧って飲み込むと

うんと 力いっぱい
泣けると ねむいの

みん ....
顔を背けながら

俺はお前を愛している
お前も俺を愛している
私は貴女を愛している
貴女も私を愛している

殺しあうように絡み合う双頭の蛇で、狂うように罪の果実の香に犯されているのを人々 ....
ときはふらりとたちよって
触れるだけ触れて 去っていく

かなしみに火傷

体ごと持っていかれそうになる そのときに
飲まれては 足掻いて

手をさしのべるのはだれ

ふくふく小さ ....
わたし パソコンでした。

あなたがたは小学生のわたしにもコマンドを打ち込みます
わたしはパソコン
かんぺきなセリフと かんぺきな笑顔。

おハシを止めるとおかあさんは
すうっと無表情に ....
 ここはひそやかな放課後が続く学校の廊下だけが永遠につらなってできている。壊れて積み重ねられた机と椅子が、防音ガラスの窓から差し込んでくる青みをおびたピンクの夕日に、金色の埃を浮きたたせ、影を濃くして .... うんと はやおきをしてつまみながら朝ごはんをつくるきみのお弁当をつくるおくりだしてなんだか眠くってちょっと横になる。
お昼ごはんはあまりをいいかげんにたべるコーヒーは一杯だけよ わたしのおひるごはん ....
閉鎖病棟のお昼ご飯のとき
彼女はとうとつに、異国の歌を囀りだした
お父さんとお母さんの赴任先の香港で
メイドさんのを覚えたという

薄い月の浮くお昼間みたいな
あかるい声

わたしと同 ....
 あのひとは損な人だった。

 15歳くらいまでにやられたこと言われたことがえげつなすぎて、本当にいい思い出がない。やはり亡くなってスッキリした、と思うたびに、風穴が空いている自分を知る。

 ....
 私は1997年に起きた神戸連続児童殺傷事件の犯人、酒鬼薔薇聖斗こと少年Aが好きだった。少年Aは当時14才で中学生という報道で、私は当時12才で小学6年生か中学1年生だった。彼も私も、とびきりの条件付 ....  おととい、あるいてほどなくある実家の父に「婚姻届けのサインをもらいにいっていい?」と電話をした。「いま、選挙期間中だから忙しい」私は黙った。それで、父は慌てて「時間がある今日中にサインしにゆく」「あ .... 「せんそうはんたい」とさけぶときの
あなたの顔を
チョット
鏡で
見てみましょうか。

なんだかすこし
えげつなく
嬉しそうに
楽しそうです。

わたしには見分けがつきません
 ....
田中修子(180)
タイトル カテゴリ Point 日付
きみはなにに殺されたんだろう散文(批評 ...12*18/6/26 1:24
失くしたらくがき帳自由詩6*18/6/23 1:02
永遠の雨自由詩16*18/6/21 0:31
丸鏡の向こうのわが家自由詩2*18/6/14 0:47
きみのとなりにユーレイのように自由詩18*18/6/10 12:22
初夏の奇跡自由詩8*18/6/3 22:59
空だまり自由詩7*18/6/1 23:39
鳥葬自由詩3*18/5/30 0:45
こおり/朝の空/鏡自由詩12*18/5/20 1:34
下弦の恋自由詩4*18/5/18 0:57
小鳥と少女の呟き自由詩0*18/5/17 0:33
滲む記憶自由詩9*18/5/8 2:59
名も知らぬ国自由詩16*18/5/4 12:23
葉桜の数式自由詩10*18/4/23 22:58
卯月のゆめ自由詩9+*18/4/13 0:46
かしゃん星散文(批評 ...2*18/3/30 20:33
童話の指輪自由詩4*18/3/25 16:21
さようなら秘密基地自由詩11+*18/3/24 1:10
Golden bells自由詩6*18/3/6 20:47
真珠の記憶自由詩8*18/2/25 23:31
半身たち自由詩4*18/2/25 23:28
金の鳥の羽に月の小指自由詩10*18/2/12 3:02
家族という死体のうえに自由詩4*17/12/11 7:52
夢夜、四 獣の影と永遠の放課後の廊下 散文(批評 ...2*17/11/21 20:47
林檎スパンコール自由詩2*17/11/19 21:39
カナリアの宝石さがし自由詩3*17/11/14 0:33
ジャンヌ、雪の病室散文(批評 ...4*17/10/22 1:38
ジャンヌ・ダルクの築いたお城 少女Aとテントウムシ散文(批評 ...6*17/10/14 2:16
ジャンヌ・ダルクの築いたお城 蛸散文(批評 ...2*17/10/12 8:03
ウォー・ウォー、ピース・ピース自由詩15*17/10/7 18:56

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