休日。 
ふとんの上にのびている、午後 
窓の外から 

  かーん   

威勢のいい、ゲートボールを 
打つ乾いた音が、青空に響く 

(何故、僕の目の前に 
 もやはもやもや ....
コロッケを箸で摘みあげたら 
笊に敷いた紙に沁みる 
人型の油があらわれた 

いつも凝っと 
あちら側からこちら側を 
覗いている 

世界のまなざし 






 
手のひらを見てごらん 
五つの指紋は 
太古の時を越えて 
君にしゃべっている 
遠い異国の丘にある 
旅先の宿で、軋む階段をのぼり 
入った部屋の開かれた窓から、身を乗り出し 
いちめんの街を見渡す 

日々背負っていた 
「悩み」という名の重たい荷物が 
ここでは ....
いつになくぱっちり目覚め 
むくりと起きた僕は 
妻にお風呂セットの袋を渡され 
車のキーを廻し、アクセルを踏む。 

青信号の交差点で、すれ違う護送車。 
(青年達の母親は、今頃どうして ....
デクノボウのまま突っ立っていた、あの日の青年。 
谷底の闇でうずくまっていた、あの夜の青年。 

人間を信じられなくなりそうな 
分かれ道まで歩いてきた僕に 
天におられる恩師の薄っすらとし ....
?の裏側に、いのちがある。 
?の裏側に、人がある。   
?の裏側に、家がある。 
?の裏側に、国がある。 
?の裏側に、青い地球の星がある。 

宇宙の闇をめくった裏側に、?がある。  ....
鏡に映る自らの 
こころの内に湧き出ずる 
喜びの泉 
胸にそっと手をあてる 
「遠い異国の教会で、ステンドグラスの窓か 
 ら射すまっすぐな虹のひかりの中、人々は 
 棺に横たわる人に次々と花を置いていく。」 

「ノートルダム寺院に腰を下す詩人草野心平
 さんの胸底 ....
(神は無い)とつぶやくほどに 
目の前にあらわれる不思議はなぜだろう・・・? 

窓外の雲はよけて 
机上の日向はふくらみ 

天からそそぐまなざしが 
衣服にしみて 
僕の地肌をあた ....
この部屋の窓からは 
雨の降り始めた{ルビ靄=もや}の向こうに 
遥かな山々の緑があり 
眼下に一面の畑は広がり 
歩道には、レインコートを着た犬と 
飼い主が歩調を揃えて、歩いていった 
 ....
二つに割れた、器があった。 
組み合わせたら、一つになった。 

長い間、探し歩いてようやく出逢った
君と僕のように 
なぜか知らぬが 
私の目の前には 
日々ひとつひとつの穴が、ある。 

この両手に盛ったやわい土で 
一日、ひとつの穴をふさいで 
一歩ずつ、歩いてゆくならば 

ふりかえった背後に、 ....
無限に広がる宇宙の中で 
ぽつん、と浮かぶ青い{ルビ惑星=ほし}。 

星の数ほど今も織り成されている 
それぞれの一日、と 
それぞれの場面、にて 

人と人が目と目を 
あわせ、そ ....
やがて発車のベルは鳴り 
旅の列車がゆっくり走り出す時 
一つの運命が地鳴りをあげて 
見果てぬ明日へ、動き出す―― 
ある日、名指揮者は倒れ 
コンサートは(指揮者無し)で行われた 

ヴァイオリンもフルートもホルンも 
それぞれの奏者は皆 
無人の台の上にいる 
まぼろしの指揮者のうごきを見て 
それ ....
恩師のY先生は 
僕が被災地の石巻へ旅に出る時 
ポルトガル料理とポートワインに酔い 
ほてった頬で突っ立つ僕を 
店の出口まで見送り

その日の遠藤文学講座で
僕の詩集が何冊か売れたお ....
人形劇の舞台の上で 
おどけた河童の傍らに 
黒子がひっそり、ついていた 

日々の舞台で僕がマイクを手に 
愉快な話をする時、ふいに 
僕を僕にしてくれる 
黒子が背後ですぅと動く 
 ....
白いテーブルかけはだらりと垂れ下がり 
食卓に転がっている 
無数のりんごとオレンジ達が 
ぴたり、と止まっている。 

それぞれに好きな方を向き 
それぞれの位置におかれ 
それぞれが ....
友達が家に来るのを
待つ間――  
ティーポットから 
じゅじゅじゅと湯気の立ち昇る
深蒸し茶を入れていた 

何故か湯呑みはテーブルの上を
すーっと滑り、隣で待ってた
アイスコーヒー ....
机の上のオレンジ達は 
傾いた皿に身を寄せあい 
なんだかとても、楽しそう 

(日常が、ちょっとずらした視野になる 
 そんな軽みに、立ってみたい    )

いくつもの小さい太陽達は ....
夢の中で 
遠藤先生が人型の看板になって 
立っていた 

その看板の裏を覗くと 
順子夫人が金にひかるのべぼうの姿になって 
遠藤先生を後ろから支えていた 

夢から、覚めた。 
 ....
乗り換えの駅で、旅の電車を下りた。 

無人駅の小さいホームから 
遠くに重なる山々の 
西へ伸びる線路を往くか? 
東へ伸びる線路を往くか? 

(次の電車まで、あと1時間・・・) 
 ....
在りし日の婆ちゃんが 
出来たての熱いスープを出した後 
つぶやいた、あの日の一言。 

「ちょっとしたことで料理は、変わる」 

さて、あの頃よりも
少々大人になった僕は
今日の場面 ....
机上の聖書の上に置かれた 
ひとりの骸骨が 
遥かな明日の空を視て、笑ってる。 

骸骨は、恐いものと思っていたが 
全てがそうではないらしい 

どんな人もいつかきっと骨になり 
顔 ....
ふと手にした一枚の紙切れに 
優れた画家のデッサンが浮かぶように 
鏡は少女の清らかな 
一瞬の微笑を映すだろう 

ほのかな{ルビ灯=ともしび}のひかりの中に 
明け方の少女がひとり 
 ....
夫婦みたいに並んでいる 
ふたつの小島の周囲には 
ひかりの宝石を無数に散りばめた 
松島の海が穏やかに 
さらさら滑ってゆくのです 

先ほど赤い福浦橋の上から 
遠い空の下にいる嫁さ ....
松島の丸い湯ぶねに身を浮かべ 
きらりと笑う枯葉舟かな 

さやさやと幹に映る光と影は 
旅する我の{ルビ心鏡=しんきょう}となり 

歓びを{ルビ天=そら}いっぱいに広げてる 
白、白 ....
つらい出来事があった時 
詩は、きみのしょげた背中をそっと押すだろう  

現実の壁が立ちはだかる時 
詩は、きみの涙に濡れた瞳をまっすぐ前へ向けるだろう 

詩は、暗闇に射すひとすじの光 ....
昔々、虔十さんという風変わりな男は 
ぶなの木の葉がちらちら揺れて煌くほどに 
もう嬉しくてたまらなくなり 

一枚々々の葉のひかりが 
自らの体内に踊っているかのように 
いつのまに、ぶ ....
服部 剛(1986)
タイトル カテゴリ Point 日付
玉を、打つ自由詩112/7/26 23:59
まなざし 自由詩312/7/26 23:54
いのちの声自由詩512/7/26 23:49
世界の絵本自由詩412/7/20 20:16
朝の珈琲 自由詩312/7/20 20:03
門 自由詩512/7/16 19:33
?の文字の裏側に 自由詩012/7/16 19:30
自由詩4*12/7/14 23:45
旅人の涙自由詩3*12/7/14 23:29
天のまなざし 自由詩212/7/6 23:36
時の流れ自由詩212/7/6 23:32
器 自由詩012/7/6 23:01
道 自由詩6*12/6/21 20:16
夢について 自由詩1*12/6/21 20:07
発車ベル 自由詩012/6/21 19:55
まぼろしの指揮者 自由詩712/6/10 0:00
旅の始まり 自由詩112/6/7 23:59
黒子自由詩212/6/7 23:55
果実の存在論ーセザンヌ展にてー 自由詩212/5/29 19:58
緑茶とコーヒー 自由詩112/5/29 19:55
太陽のうたーセザンヌ展にてー 自由詩512/5/28 19:38
夫婦の夢 自由詩112/5/28 19:16
道草の花 自由詩0+12/5/24 23:18
今日の一匙ー婆ちゃんの格言ー 自由詩5*12/5/23 19:33
あかるい骸骨ーセザンヌ展にてー  自由詩812/5/23 19:24
ルノアールの少女 自由詩7*12/5/19 22:27
めおと島ー松島にてー 自由詩112/5/19 22:13
松島・石巻小品集ーおくのほそ道をゆくー 自由詩212/4/27 23:59
言葉の寺 自由詩112/4/27 23:58
虔十さん 自由詩512/4/21 23:59

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