請ふ恋ふと鳴く鳥あはれあはれなれば抱きしむべし夜に勃つ人よ

我になき器官妬まし怒張せしものに歯を立て君を見上ぐる

我ならぬ生物の一部飲み込むる我は一本の管なりけるか

快楽に耐えて噛 ....
涙するのなら涙をなめてあげましょうか
頭にきてるのなら話をききましょうか
それじゃ足りないと言うのなら
錠剤をひとつぶいかが?

私は知っているのよ
あなたが夜中にこっそり泣いているのをね ....
どうやら今は十一月らしいが
ここは真夏
窓の桟は火傷しそうに熱いし
汗がだらだら落ちてくる

どうしてこんなことになったのかわからない
四肢が莫迦に大きくなって
部屋いっぱい ....
女王は生き血の風呂から手を伸ばし
君の頬をなでまわした
君は少しうろたえて後ずさり
そこここに跳ね散った血液の飛沫に
足を滑らせた

べっとりと頬を濡らす血を
拳で拭いながら
君は家出 ....
(2003年3月に個人的な場所に書いた文章であり、現在のフォーラムの状況について述べたものではない。つまり私はいつもこんなことを考えている。または、少なくとも昨年春からこんなことを考えていた)

 ....
二次会に行く同僚にさよならを言って
いつもの店に入る
カウンターに坐る
カウンターには
少しくたびれたフラワーアレンジメント
アルストロメリアだけはまだ綺麗

キープしてあった焼酎を出し ....
おえべっさんの縁日には、
なんでもいいから、
ちゃんと尾っぽと頭のある魚をそなえるンだよ。
シラスでもいいかって?
シラスじゃあんまりだ。
せめてジンダァくらいにしとけ。

猫マタギっち ....
部屋の鍵なら 捨てちまったわ
待てと言われて 持つような
そんな女に なりたくて
あなたに惚れた わけじゃない

 もうしおれたわ さつきの花は
 それでも香る さつきの風に
 心放つわ ....
私の髪は
とかく荒っぽすぎる
寝癖を通り越してはねまわる
渦巻く
からまる
もつれる
おまけに白髪が混じる
二十歳前からそうだったが
問題なのはこの白髪で
黒髪よりも荒っぽくひねくれ ....
ほら今日もラインは元気に流れてくる
あなたよりあたしより元気に
たぶんこの工場の中でダントツ元気に

あたしは箱を広げる
あたしは箱に折り目をつける
あたしは箱を組み立てる
あたしは箱に ....
翼がほしいって
貴方は言う

力強い翼があれば
広い広い空を自由に羽ばたいてゆくだろう
そしてどこまでもゆくだろう
見たことのない大陸の
想像したこともない遠い空へ

それを聞きなが ....
これからはじまる暮らしを あなたに
数え切れない思い出を あなたから
繰り返す毎日なんて
きれいごとじゃないけど
疲れた夜はお酒をのんで
ささやかな夢を語り明かして
目覚めたら窓を開けて
 ....
曇ったガラス窓のむこう
泳いでくるのが金魚なら

雨が降りそうで降らない
薄墨色の空が割れたなら

いつも言い損ねるさよなら
君にはすっと伝えておこう
(詩人ギルド・レビュウに投稿したものを、一部削除、若干訂正)

 私が、あるひとつの詩をとても好きになったとする。しかし私でないあるひとりの読者はその詩が好きでない。むしろ大嫌いだと言う。また、先 ....
男には三種類のタイプがあって
ひとりはイブに惚れる
もうひとりはマリアに惚れる
残るひとりはリリスに惚れる

というのを私は15歳のとき何かで読んだのだが
そのときすでにじゃあ私はダメだと ....
どうも最近イライラするんだよ僕は
誰のせいかってはっきりしてるけど
言うわけにいかねんだよ
つまりはっきりいやあいつのせいだよクソ

俺は息をとめて夜半にピアノを弾く
ここにきみはいないし ....
それは菜種梅雨そぼふる夜のこと。
くすんだ身体を暖かなお湯にひたしていると、
窓から突然に侵入してきたきみが、
左手薬指から一人称代名詞をもぎとった。
ぼんやりした灰色のタイルに転がり落ち、
 ....
吹き飛ばされてゆくのは、
化学物質と化合して変質した砂。
ちらほらと咲いているのは黄色い蝋梅、
しかしあれも本当はプラスチックでできている。

再び虫たちの夏がくることはあるのか。
氷河は ....
りんごの花咲くゆうべのこと。

蛇は指環をくれた。
言葉の代わりに指環をくれた。

指環をはめると、
ぐじゅぐじゅといやな音がした。

左手は灰色に変色し、
潰瘍だらけになり、
皮 ....
奪われたものは奪われたままに夜は消え
春をいろどる明るい粉は素知らぬ素振りでダンスする
海はかたちあるものを映すことができずただ光を反射し
あまりに眩しいので虫たちはみな死に残るのは切り絵だけ
 ....
  氏ねと命ぜられて
  氏者よ
  おまえはどこに逝くか



輝く油膜を見つめている
四日頃の月が
黄砂にけむり
ここは沼のほとり

膝のうえにゆっくりおりてくる
天か ....
私は大地だなんて今更そんなこと歌いながら歩いてゆく
まひるの高速道路さすがにちょっと危険
でも引率する彼女の後ろにはぞろぞろと娘たちがついてくる
娘たちは美しかったり美しくなかったり
あるいは ....
どうでもいい話に自分でも飽きてきた。全然続いてないけど、最近自分で興味のあることを書いてみる。やっぱり、どうでもいい話である。

チャットしていてキッチュの話が出て、ああ私はキッチュを目指してるけ ....
なんとなく手を差し出したら
貴方も手を伸ばしてきた

ふたりして寝転がってる草のうえ
喋る必要はないのだと
そういう感情だけが走ってきた

そんな牧歌的な時代は
噛みしめる間もなく
 ....
見逃してしまいたいものが
貴方の
くちびるのあたりに漂っていて

墜ちることができるなら
楽になるのだろうけど

それでも

風は吹き飛ばしてくれるわ
言葉も
想いも
悲しみも ....
何日か前の朝日新聞朝刊の広告に、『不食−人は食べなくても生きられる』というおっそろしいタイトルの本が載っていた。数年ほど前にも同様の話を朝日新聞のコラムで読んだ覚えがあり、あまり驚きはしなかった(私は .... 「どうでもよくない」話ばかり書いてきたので、今度はほんとに「どうでもいい」たぐいの話もしてみる。「どうでもいい」の定義というのは、だいぶ見えてきたと思う。当人に無関係で距離が遠く、人命に関わりなく、知 .... 衣食住は「どうでもいい」話ではない。いま新潟の被災者のみなさんは、切実にそれを感じているだろう。阪神大地震の経験者も、身をもって衣食住の大切さを知っているだろう。しかし、衣食住という人間の最低の基本が ....

白い人は浜辺を見つめ
見つめられることで
浜辺は姿を変える
夏から秋へ

飛び交いながら鴎たちは嘆く
生まれそこなった夏を
背後には大きな波
あれは九番目の波

白い人は ....
老女になりたいと思うことがある
老婆 というのでは色気がないので
老女 というのになりたいのである
あくまでも 老女 なのである

お抹茶たてて優雅にきみしぐれなど食べながら
とい ....
佐々宝砂(882)
タイトル カテゴリ Point 日付
Adam's Apple[group]短歌304/11/27 0:36
かなしみは知らない自由詩104/11/26 19:40
開幕寸前自由詩004/11/26 19:38
女王は生き血の風呂から手を伸ばし[group]自由詩404/11/24 21:15
嘆きつつも建設的に。ね。散文(批評 ...504/11/22 22:17
しあわせなひとたち自由詩204/11/22 16:47
空の青、海の青[group]自由詩3+04/11/22 16:22
さよならさつき自由詩304/11/22 16:05
私の髪は…自由詩404/11/21 3:13
あなたは笑うか?[group]自由詩5*04/11/21 3:11
自由について[group]自由詩204/11/21 3:08
目覚めたら窓をあけて自由詩204/11/21 3:06
私は今日も機嫌が悪い自由詩204/11/21 1:37
批評の宛先散文(批評 ...3*04/11/17 17:02
履歴書自由詩804/11/16 17:14
ここにいないひとに送るピアノについての戯言自由詩204/11/16 17:08
黄金探偵[group]自由詩104/11/16 5:21
黄金仮面[group]自由詩004/11/16 5:21
誘惑以前[group]自由詩304/11/13 17:19
キリエ自由詩7*04/11/12 4:19
聖餐自由詩204/11/12 4:17
娘たちのパン自由詩504/11/12 4:16
いかにも どうでもいい話散文(批評 ...004/11/12 3:19
友情について自由詩104/11/11 3:34
風と雲[group]自由詩104/11/11 3:20
それこそ どうでもいい話散文(批評 ...204/11/8 16:57
もっと どうでもいい話散文(批評 ...004/11/7 12:13
また どうでもいい話散文(批評 ...604/11/6 14:22
白い人自由詩104/11/6 12:56
営業活動としてのマドリガル自由詩3*04/11/6 12:53

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 
0.1sec.