[黒き衣に]

星は輝けども
我を導かず
月は地を照らせども
我を照らさず

我が手を取りて
道示したるそのひとは
黒き{ルビ衣=きぬ}召し
闇に立ちたり

さればこそ
黒き ....
言語化された街で俺はサボテンとして歩いていた 言
語化された街にある俺はサボテンとして記述された以
上サボテンとして歩く他なかったが かつて人間であ
った記憶の残滓が言語化されていたため  ....
おまえは準備しているか、
俺たちは戦わなければならないのだ、
クローンの少年少女が大群となって押し寄せてくる、
選挙権もないくせに武器だけは手にしている、
だから俺は来るべき戦いについ ....
幻想された異国のどこかで
ゆらたのざんげまださらせえ
少女の舌がキーボードの上をさまよいます
なるさばどーえゆたなかさ
キーボードはよだれでべとべとしています
ふはなたまやはなたや ....
血みどろの両手を大きく広げ、
髪を真っ赤に染めた少女が走ってくる。

抱きとめてあげなさい。
そして高らかに愛を歌え。

紅葉が落ちる時を心得ているように、
火だるまの愛は落ちる時を心得 ....
もしかしたら私はFtMかもしれないと深刻に考えていた時期があった(当時FtMという言葉は一般的でなかった。私もそのころはこの言葉を知らなかった。知らなかったけれど悩みは深刻だった。FtMの意味がわかん .... 満月の夜に三度続けて風が鳴いたら
五十年間誰も触れたことのない箱を開いたら
雨の日に空を見上げ濡れて歩いたら
六分間息を止めていられたら
衣装だんすのなかで外套にくるまったら
布団の中でまじ ....
誰もいない部屋にうっすらと
埃がたまっていて

埃はほんのわずか
かきみだされた跡を残していて

白光にさらされて
ひとは乾いてゆく

終わりはないのだと
それはけしてこないのだと ....
あの男はこちらをみようとしなかった
真っすぐなまなざしはただ至高をみつめた

わたしのうつくしい洞窟に散在する
瑪瑙 水晶 玉髄
わたしの配下にあるそれら輝かしい石の花々を
あの男は全くか ....
ちいさなときからいつも
あなたはいました

呼びかけたことも
あったように思います

部活をさぼって
学校の裏の給水塔から
校庭をみおろしていたときも

みんなが塾に行ってしまうの ....
私がなくなりかかっています。身体の各部分の名称も消え始めていて。ええ。私はほとんど消えかかっています。あなたは、消えてゆく私をどうこうすることができません。私は以前と変わらずあなたの前に姿を見せるでし ....  北風はものごとを深く考えません。単純で、勝手で、自由なのです。

(ぼくは生きてるんだ!)

 北風がそのことに気がついたのは、高い山を駆け下りているときでした。それまで北風は、何ひとつ ....
華奢で薄っぺらな皮膜
穴だらけの軽い骨
重い脳髄を容れるには向かない
貝殻のように脆い頭蓋

骨と皮だけの
しかし巨大な翼竜
ケツァルコアトルスは

ほんのわずか風が強くなると
も ....
さて地球のこのあたりはまたも日輪を見失い
「私」は青みがかった夕暮れ過ぎの色彩を見ながら
そろそろ晩飯を作らなければ
いやそれよりも洗濯物をとりこまなければ
などと考えている

するとそこ ....
みつべえさんの「そろもん」シリーズについて、書きたい。このシリーズは、「噴水の話」からはじまり現時点で「王の話」まで、30作品以上が投稿されている。すべての作品にリンクを貼るのはめんどいので、みつべえ .... ひららが飛んでゐます。

蝶でも 恋文でも 紅葉でもない、
あれはひらら。
まろやかな曲線を描く翅をひらめかせ、
たおやかに灰色の空を飛んでゆく・・・
あれはひらら。
ひらら ....
耳の後ろに接続したチューブから
調整済みの化学物質が流れ込む
注入が終わると自動的にチューブが外れる
痛みはないが不快で
私の機嫌は最悪だ
しかしレセプターはまだ目詰まりしていないし
私が ....
肉が食いたい
焼き肉じゃなくて生肉が食いたい
ニンニクもショウガもなしで
醤油も塩もソースもかけずに
なまぐさい肉のなまぐささを
そのままに味わいたい
ねっとりと歯にまとわりつく生肉を
 ....
そうじゃないよきみ
と言いたくてうずうずしている
大人げない大人たちに
注射器で若さを注入してやる
若さは活性酸素でできているから
一週間したら致死性の猛毒にかわる
踊り尽きた月 雲もない ....
1.

とても静かな村だった。今もきっと静かだと思う。
お祭りのときだってそんなに大騒ぎにはならなかったの。
屋台もちっぽけなのが五つくらい出ただけで。
綿菓子とお好み焼きと鯛焼きと。あとは ....
『紫苑の園/香澄』
松田瓊子著 小学館文庫 ISBN【4094044116】 733円
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4094044116/24 ....
 私はあまり外で遊ばない子どもだった。リウマチ熱の後遺症で心臓が悪かったせいもあるが、他人とつきあうのが基本的に苦手だったのである。趣味は読書、運動音痴の優等生(得意なのは理科と国語)、性格が暗くて人 .... あなたは汚れた布にくるまって
人工の声帯で
人工の泣き声を張り上げている

あなたのほんとうの声を奪ったのは
わたしだったのだとおもう

  *

もうあんまり覚えていないけれど
 ....
チョコレートの頬に人なつこい笑みを浮かべて
バルタザールは僕に訊く
贈り物は何がいいだろうね
それとも私はただ礼拝すればよいのだろうか

右を見ても左を見てもビルで僕は息苦しく
黒い指には ....
「いるかのすいとう」船乗りさん
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=24102

***

 この奇妙にやさしい言葉づかいの詩について書くとき、がちが ....
目のまわりが充分に黒ずんでいるから
メイクはしないむしろもっと顔色を悪くしたい
歯はおあつらえむきにぼろぼろ
煙草吸うから脂できたない
昨日から何にも食べていないから
うまいことやつれて頬が ....
たくさん野次馬がいて
わあわあ騒いでいる
下りなのか登りなのかわからない坂道を
私は必死に歩いている
というか
這ってるみたいになってきた
インゲン豆が数限りなく空から降ってきて
今日は ....
メタンガスもフロンガスも
もうどうでもよくなってきたけれど
おれは戦うしかないらしい

最後まで いや
最期まで
おれは抵抗すると誓ったのだから

ポケットに手を突っ込む
最後のパイ ....
φ(..)夜がやってくると σ(^o^)は
決まって!と?の大海にくりだし
しらくらすれちがう会話を交わす
てんで勝手に (‥?には (‥?と答える流儀で

送信情報は饒舌をもって貴 ....
憧憬と書いて
どうけいと読むのだと思っていた
でも
しょうけいとも読むらしい
しょうけいのほうがかっこいい

とおもったのは
本多勝一の『憧憬のヒマラヤ』を読んだときで
ええと
わた ....
佐々宝砂(882)
タイトル カテゴリ Point 日付
月光庭園 —大正風な少女趣味のソネット—自由詩1*04/12/26 3:55
言語化された街自由詩404/12/26 3:48
来るべき戦いについて自由詩304/12/26 3:33
ひざやにいらえんよごら自由詩1*04/12/24 5:59
赤いファンファーレ自由詩104/12/23 4:33
『万物理論』とsex散文(批評 ...6*04/12/22 17:59
仮定する自由詩304/12/22 4:27
白い終曲自由詩304/12/21 17:10
石の花あるいは山のサロメ[group]自由詩2*04/12/21 5:04
あっちにいるひと自由詩204/12/21 3:27
燃えないゴミ自由詩104/12/21 2:38
北風と太陽散文(批評 ...304/12/21 2:07
テケリ・リ!自由詩304/12/20 4:59
「あなた」と「私」に幸あれと自由詩104/12/20 4:54
【批評祭参加作品】おーい、そろもん!散文(批評 ...604/12/19 23:19
ひらら自由詩304/12/19 4:30
リハビリテーション自由詩1*04/12/19 4:16
自由詩104/12/19 3:35
明日にゆくのはたやすい自由詩204/12/19 3:16
彼等[group]自由詩4*04/12/18 2:32
【批評祭参加作品】偽善、または『紫苑の園』散文(批評 ...504/12/17 2:31
【批評祭参加作品】大手拓次のこと散文(批評 ...304/12/17 1:54
歌にすら自由詩204/12/16 5:59
東海道線東京発各駅停車のバルタザール[group]自由詩104/12/16 5:45
【批評祭参加作品】いるかのようにかわいそうなわたし散文(批評 ...14*04/12/16 4:06
夜明け前自由詩6*04/12/14 5:33
バナナフィッシュがバナナを食べる日自由詩204/12/14 5:11
最後の一分自由詩6*04/12/13 1:49
あのひとは記号より他に何もくれない自由詩1*04/12/12 4:16
しょうけいのひまらや自由詩304/12/12 3:55

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