強風の夜
窓の向こうで大きな音がした
恐怖に叫んだかもしれないが
身動きしたかもしれないが
記憶にはない



 まだ幼い少年が
 フルフェイスヘルメットの男に殴られている
 やわ ....
ラベルを剥がしたビデオテープ
広げたままのけばけばしくて薄っぺらな雑誌
勘定書や生ゴミ 積ん読の本の山
段ボールの箱からこぼれた新聞紙

その陰から
ひょっこりと覗いている
 ....
お子さまからお年寄りまでみんなに人気の定番メニュー、
コアセルベート・スープはいかがでしょうか。

まず恒星の素を用意します。恒星の素はガスまたは液状です。
缶やビンに入ったものがスーパーで売 ....
行秋や抱けば身に添ふ膝頭 (炭太祇)

ところにより最高気温30度を越える場所があったりして世間は春たけなわなのだが、静岡の桜はやっと三分咲きというところで、佐々宝砂の気分はいつものごとく暗く(? ....
からたち
くわ

くすのき
木を割る
ナタは少し重いくらいがいい
そういうことはきちんとわかるが
なにがほしいのか
わからなくなって久しい

からまるツタは
ていかかずら
あ ....
約束した覚えが
そこはかとなく
ある

わたしんちには仏壇があって
歩いてゆけるすぐの距離に先祖代々の墓があって
春彼岸には野ビルが伸び
秋彼岸には彼岸花が咲く
いまは野ビルが伸び放題 ....
今日は風が強くて
ほとんどどうしていいかわからないくらいだけど
一年いちどのしらさぎの日
休んでるわけにはいかないから
カイとわたしとふたりして
言葉にならないもの抱えて出かける公会堂の庭
 ....
黒い円盤に封じこめられた過去の叫び
くるくるまわる盲目の蜥蜴
蜥蜴の王は
わたしを
見ない

幾千の音符が
それぞれは鎌のかたちをして
わたしの胴と四肢とを裂き
全体 ....
なに戸惑った顔つきで叫んでるのさ
ワームホールはもう閉じちまったよ
ぷんぷん漂うのはメタンぽいな
どこの惑星から来たのか知らねーけど
諦めて寝てたらどうだ
弥勒が来るころには
 ....
竹の子は
まだとてもやわらか

おはよう

小さな眼が見上げる
小さな空
あなたを見つめる私を見つめる街角の眼を見つめるあなた 掌に乗る
生命の記憶の
なんと軽いこと
笹公人さんの歌集『念力家族』http://po-m.com/forum/bookad.php?did=29415から32のお題を拝借してつくったものです。

1.念力
念力の半端にかかり雪解かな ....
なんだか重いな寝苦しいなと思うと
大きなわけのわからない生き物が
胸にのっているんです
そんなことが毎日です。

ふうっと煙草の煙を吐いて
彼女はティーカップにくちびるを寄せ
とつぜん苦 ....
屋上に登るとそこが彼の家で
夜空は曇りがちだったけれど
さそり座の鈎がどすぐろい雲間から覗いたので
東西南北は把握できた。

方角がわかっていると気分がいい。

屋上の端には手すりも柵も ....
水滴を鏡に落とし異世界の虜となりぬその未亡人

遺伝子の螺旋ドレスにして踊る女の口はひたすらに赤

水銀のぎらりを飲んでみせるからわたしと一緒に歩いて下さい

丸ボタンひきちぎっても ....
涙滴型のカプセルをひとつ服用する。
白い飛行船、チェシャ猫の笑い、
きみの両腕は指先から砂になってゆく。

不完全変態の幼虫が這い寄ってきたら、
追っ払ってしまおうと思う。
きみは完全変態 ....
死ぬに死ねない冬の蜂が巣からはい出す
ふかふかと暖かな布団が空を舞う朝
木々は消えかけた希望を吸い上げ
鳥たちが絶滅の歌を歌い
落ちてきたものを受け止めかねて彼女は俯いた
遠い泥  ....
溌剌と黄色い実を
口にしても甘くない
思い出と同じ味がする
肌ざむいから
冬のあいだに
編み上げることのできなかったセーターを
ベストがわりに着て
すこし冷めてきたコーヒーを飲んで
読みさしの本を閉じて
(結局あんまりたくさんは読めなかったな)
 ....
カブトガニに少しだけ似たその生き物は
畳半畳ほどの大きさで
ぜんたいは乾いた肉色だった
甲羅の両脇から生えた二葉の

としか言いようのないものが
彼等の体重を支えた
掌に ....
フランケンシュタインの怪物を俺は覚えている。
俺は子どもの時から頭が冴えていて、
誰よりも記憶力がよかった。
だから俺は超難関の試験をいくつもクリアし、
極秘の指令を受けて宇宙に飛び立つ人間と ....
ポエムとマンガは非常に密接なつながりを持っているので、私の視点なんぞ、慧眼というほどすごいものじゃあありません。でも、ポエムに親しまなかった読者がここを見ていらっしゃるかも知れず、そうした方には「ポエ .... ここまで書いたことと矛盾するようですが、「詩がわかる/わからない」に関しての私の結論は、「詩の意味なんてわかんなくてもいいやんけ」という無責任なものです。一般読者が詩を「わかる」必要は全くなくて、その .... 私の詩(「ポエム」と銘打っていない詩)は、よくわかりにくいと言われます。詩の世界のひとが言うのではなく、詩の世界のそとのひと――私の友人や同僚――がよくそう言います。何がわからないのかと訊ねると、言葉 .... 本論にうつる前に、まず文章についての私の考え方の一端を述べたいと思います。私は、たいていの主題はわかりやすい文章で書くことができると考え、わかりにくい文章に出くわしたら、執筆者の腕が悪いのではないかと .... 海の底に潜む深海魚が
巨大な目で
わずかな光をとらえるように
目をこらしていましょう

そうすれば
この暗闇に
光を見いだせるはず

貴方の隣にいると
いつも泡のように
綺麗な言 ....
動き続ける列車から飛び降りて
でも立ち止まってしまう
鉄が匂うレール脇に
赤いペンキ様の液体が飛び散っている

動き続ける列車は
だけどあんまりにもノロマでトロマで
しかもあんまりにもた ....
目が覚めたら朝だった
当たり前だけどね
それが当たり前の朝ではなかった

昨日洗わずに流しに放っておいたコップを洗って
牛乳を注いだら
その白がもうどうしようもなく白で
と言ったらナンセ ....
夜更けにひとり目覚めていたり
残業のあと酒くさい終電にすわっていたり
まだ朝も暗い道を急ぎ歩いていたり
あるいは騒がしいファーストフードショップで
ふとお喋りがとぎれたり

そんなとき
 ....
佐々宝砂(882)
タイトル カテゴリ Point 日付
北窓開く自由詩305/4/15 1:48
グラスのなかの暗い液体自由詩3*05/4/12 5:14
コアセルべート・スープのつくりかた[group]自由詩9+*05/4/8 1:04
俳句の非ジョーシキ具体例7[group]散文(批評 ...405/4/7 4:34
ほかのどの木でもなく自由詩1*05/3/29 22:01
The other side自由詩405/3/19 5:23
冬去しらさぎ[group]自由詩305/3/18 2:06
蜥蜴の子自由詩405/3/12 15:44
遅れてきた奴自由詩4*05/3/3 4:26
啓蟄携帯写真+ ...305/2/26 17:57
循環携帯写真+ ...105/2/18 19:03
崖の下で携帯写真+ ...11*05/2/18 8:48
念力俳句俳句805/2/13 2:29
ガーネット自由詩405/2/11 3:52
オパール自由詩205/2/11 3:35
貝殻骨短歌905/2/9 2:15
きさらぎ自由詩205/2/9 1:19
彼は屋上にいた自由詩3*05/2/8 23:59
携帯写真+ ...105/2/5 22:15
とうに夜明けで自由詩205/1/28 20:33
浜辺自由詩4*05/1/25 21:21
(1960—1993)[group]自由詩6+05/1/22 12:23
ポエム派宣言4「ポエムの歴史」[group]散文(批評 ...11+05/1/17 6:43
ポエム派宣言3「ポエム進化形」[group]散文(批評 ...1005/1/17 6:21
ポエム派宣言2「わからないから○○」[group]散文(批評 ...705/1/17 4:22
ポエム派宣言1「詩のわかりにくさ」[group]散文(批評 ...19*05/1/16 6:42
希望について[group]自由詩8*05/1/11 20:54
夏になったら自由詩205/1/11 6:30
見えたままなんて書けはしない自由詩0*05/1/11 6:11
目覚めよと呼ぶ声ではなく自由詩405/1/10 5:51

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