鍋を割る

三和土に打ち付けて
引き戸を閉めて

でたらめに跳ねる鍋
鍋はでたらめに跳ねる
跳ねる鍋はでたらめ


悪いのはぜんぶ俺


何者かの妻の握り締めた鍋は孤独なもの ....
雨と雨の間に岸があり
岸と岸との間には
ひたすらに薄暗い海が続いている

鴎はその青さのあまり光となり
灯台のあたりを
喚きもせず 揺れる

週末の地下鉄に
エンゲージリングを拾う
 ....
書き捨てられた詩の墓に
二人、
言葉にされてしまった実存の愛を
弔いに行く
手を繋ぐ

午前中
フードの影から人を舐めるように見る癖のある僕が
わずかにすれ違う人は
背負っていない  ....
掌に敷設された路線に
死の列車が走る
たくさんの僕が乗り込み
駅がないので誰も降りない


確実な誤差が刻まれて
徐々に列車は下っていく
たまらず僕はめそめそと泣いて
僕の死にフライ ....
腕を見付けた石膏像たちが安堵して眠る夜に、うさぎのようなあなたはうさぎのよ
うにフェンスの向こうを見ている。時差の向こうでは冷たい水を飲む長髭の数学者、
僕たちは精密に一四四〇分を刻み終えようとす ....
交通事故が見たい、とかそんなこと考えてた
僕は鳥とか声とかとおんなじ場所を歩こうと思ってた


虹は西からやってくるの。

ん、別にどっちだっていい。


ある記念日に、昨日は今日の ....
白いカーテンの影で
鳥の魂が飛んでいくのを見る
ほくそえむあなたは
ほくそえむぼくと

古いことばは嫌いなのよ
流行らない歌も
流行った歌も
やがて錆びてしまう、手当てできない

 ....
茶殻(37)
タイトル カテゴリ Point 日付
鍋を割る自由詩1*11/4/28 22:45
神はまた遠く自由詩111/4/27 17:40
アフター自由詩011/3/16 16:40
列車自由詩111/2/24 1:08
ユートピア/うさぎのようにあなたは自由詩2*11/2/3 16:25
虹とガールフレンド自由詩111/1/15 23:26
自由詩3*11/1/9 21:06

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