生ぬるい大型トラックの風が
スカートを捲くらせてしまう
わっ
と手で押さえたあたしを
見ていたかどうかなんて
煙草の煙で分からなかった

最近の暮らしぶりも
カメラの趣味のことも
空 ....
そんな話がしたいわけではないんだ



        ロングスカートが
    ....
ああ

星空が好きな君と
夜景が好きなあなたの
狭間で
同じ色の空を見ようなんて
そんなうまい話は
転がってはいない

のに

嘘だらけの夏の夜は
蒸し暑さと涼しさ ....
差し伸べられた手は
突然、透明人間になった
わたしのこころだけを
さらって、消えてしまった
ここにあるのは絶望なのか
幾千の声を追い払って駆け出した
星の見えない高層ビルの隙間に
細い光でさえ、差し込まない
目の前に座る知らない無数の魂が
僕を嗤っているように、思う

少しでも ....
1.
重力に逆らっていった言葉の
行く先はどこで
わたしの視線の廃棄場所が
どこにあるのか
なんて誰も教えてくれない

どうしてあの時、
という無意味な問いをできるほど
わたしは強く ....
ささやかな光の片隅で
続いている白黒の国体道路
わたしは独り、
ファインダーを覗いて
色を探してたんだ


裸眼でも見つけられないものが
遠くでは見つかるような錯覚
人波、なんてない ....
どうして誰かが不幸せで
誰かが幸せになる公式を変えられないのだろう







たとえば僕が泣いていて
となりには幸せ絶頂の親友がいたり

たとえば僕が充実していて
目の ....
はじめは誰しもが手にしていたはずで
一度失ったら永久に手に入らないもの

すぐに失くすひとも
失くした自覚がないままのひとも
そんなこと一生考えないひとも

みんなはじめは手にしていた
 ....
この宙ぶらりんの、
したたかで弱い僕の情けなさを

知らないあなたは
幸せなのかも知れない

と、またも無重力の世界に身を埋める

どうしてもニコチンから抜け出せないのを
意志が ....
秋風にさらわれ僕も遠くへと
飛んで行けたら楽になるかな

吐く息の白さがやけに切なくて
とける氷の儚さ重ねる

いつからか夢より君を描いてた
氷点下の夜 僕は弱くて


ーーあれほ ....
此処で何事もなく過ぎて往く時を
無抵抗で待っていた遠い日
せっかくの花火大会すら目障りで
人波を蹴散らすパワーでもって
迎える朝はひどく冷たい灼熱の夏

何も聞こえないイヤホンを
はめた ....
ほどほどが欲しい

ポタポタ滴る水がコップをいっぱいにするように
ゆっくり、確実に、注いでいけたら
横取りしていく渇いたランナーを怖がらなくていいし
急に溢れ出して倒れてしまう君を見なくても ....
悲しいくらいに突き刺さる
鋭すぎる神経の先っぽ
丸みをおびて
いつでも笑っていたいのに


心が身震いする瞬間に
目に浮かぶのは同じ顔で
それだけでもう答えは出ているのに
別の答 ....
なまぬるい浴槽は
たいていの私の体温を許容する
魚が泳げるくらいの
水質で呼吸をする


ああ
この浴槽の水がすべて
蒸発してしまうのはいつだろう
それは、
とても怖い

 ....
にがい

なんどなめてみても

ほろにがい とかじゃなくて

ずきりとするような にがさ



きみのつくったガトーショコラも

チーズケーキもワッフルも

くちのなか ....
いつだって味方でいてくれて
泣きたいときに胸をかしてくれて
頑張ったねって褒めてくれて


あたしは君が好きで
君はあたしを愛している


「君は幸せになりたいっていつも言うけど
 ....
西通りの角で手を振る
ここに辿り着くまでに
3回電話して5回鏡を見た
巻き戻ったストーリー


―深めにかぶった帽子の下
 その凛とした視線の先に
 何が映っているんだろう
 って
 ....
突然やってきて
ふらっといなくなる
さっき笑っていたかと思うと
3秒後には落ち込んでみたり
あたしは猫が嫌いです。


どっちかっていうと犬派で
その人懐こい瞳とか
後ろからつい ....
頑固のかたまりが
意に反して崩れていく
駆け出した午後七時


目の前にいるのに届かなかった
臆病の時間
アルコールにばかり手が伸びて


消えていく炭酸が
僕らの距離を近づけて ....
酸素を吸うと器官が千切れそうになって
吐き出すことしかできないでいる
冷たさ なんかじゃない
痛い 痛い


結露に起こされるようになった
雫の冷たさでなぞった
消えかけそうな意志 ....
いやいや作る節約のためのお弁当
しょーもない話ばかりの同期
お局たちのでかい態度
1日中見るPC画面


なんのために生きてるんだろ

なんて、
今まで考えもしなかったようなこと
 ....
心の隙間を埋めるように
むさぼった、みんなで
流れていく
体内を巡る液体に同化して

それでも
蒸発していくの

たばこの煙
汚い笑い声

何もかもバカみたいで
染みていくアル ....
でも僕は
どちらかが欠けたら
ここに、なかったんだ


この薄暗い世界に落とされ
光と音を身に纏って
痛みと心地よさを知るの


全ての装備が揃っているから
汚いものを無視できな ....
しまい込んできた
本当のかたまりが
溶けだす
それは突然で

届かない想いも
見抜いてくれない強がりも
いつしか憎らしく
平気な仮面をつけたのに

何があっても
崩れなかった
 ....
誰か教えて
声にならないその向こう側で
両極端の明日がこちらを見ては
じっと佇んでいる


何が正しくて
何が間違っているのか
見つかるはずもない不毛な問い
なのに


いきたい
いけない
秘められた ....
疑問だらけの愛らしきものに
翻弄されて迷い込んだ森の
住人たちは迷惑そうな顔で
見てみぬふりをした


少年は泳げなかった
泳げると言い張って
海を目指してさらに奥へと
少女を引っ張 ....
あなたはいつも笑ってた
わたしはいつも泣いていた
知ってたでしょう?
わたしの気持ち
知らなかったでしょう?
わたしの気持ち
「知ってた」 ....
やっと差し込んだ淡い光
入りこむ小さな隙間が
少しずつ確実に塞がれていく

引き戻そうとする悪魔を
今回ばかりは操作できないよ
嵐は誰にも止められないように



――薄暗い部屋の ....
あの日
涙で滲んだ携帯画面
待ちわびていた再会の日
捜し回った駅のホームで泣きじゃくった
地図上ではたった少しの距離がなぜこんなにも遠い
立ち尽くしたあの夜



あの日
震える手 ....
AquArium(68)
タイトル カテゴリ Point 日付
果てに、自由詩312/8/14 20:29
冬しか知らない自由詩0*12/8/2 23:38
首都高自由詩2*12/7/23 23:34
消えないで自由詩212/6/3 21:12
東京自由詩112/5/22 23:50
春の海で眠りたい自由詩5*12/3/10 0:59
890km自由詩7*12/3/4 23:44
幸せの配分自由詩112/3/4 18:51
みんなはじめは手にしていた自由詩212/3/2 21:45
ズルイ自由詩212/2/28 23:07
上京短歌112/2/18 22:17
私は生きる自由詩312/2/16 21:47
程程自由詩612/2/15 0:57
自由詩212/2/8 1:46
なまぬるい嘘自由詩212/2/6 22:52
にがい自由詩012/1/8 21:51
吐露自由詩111/12/19 22:46
正反対のショートストーリー自由詩111/12/18 0:33
Your cat.自由詩011/12/12 23:01
10月3日自由詩2*11/12/11 20:55
酸素自由詩1*11/12/10 22:03
ギャップ自由詩411/5/14 23:57
冷めていく夜自由詩311/5/5 21:27
意図せず繋がっている。自由詩111/3/24 12:24
距離を殺したい自由詩011/3/11 23:42
狭間携帯写真+ ...511/3/10 20:19
寓話自由詩211/2/17 10:55
知らない自由詩0*11/2/13 22:59
終わりの始まり自由詩111/2/12 12:40
約束自由詩3*11/2/8 23:17

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