もう何年も前のことだけど
妹と自転車二人乗りしてスーパーへ行った帰り道
道の真ん中に袋に入ったままのえのきが落ちていた
そのすぐあとに五個セットのティッシュ箱も落ちていて
誰が落としたんだろう ....
{引用=
創造妊娠   よもやま野原

病院の二階の窓は三つとも開いていて、そこへ飛び込めばはらいたは治るかもしれなかったし痛い思いをさせるたくさんの穴を塞いでくれるかもしれなかった。息をするた ....
金網の向こう側だけ喘息の発作によく似た狐の嫁入り




夢うつつ 枕のうえには時空間 効き足の指が朦朧として(おやすみなさい)




遠くから地下鉄の音がやってきて 無理して遊 ....
こちらですほったらかしの衛星は 地球から出てみたはいいけど えいえんと言ってよただの虫歯でも 滲みる愛ごと滅んでいくとき 気管支に埃が住んで苦しいの 古い名前を呼ぶと咳き込む くちばしの長く伸びた蚊に足元を見られて貧血になるくらい
過不足のないライン上を歩いているから
ワタシの内側から何かを持っていこうとしないでほしい
ダレに宛てるわけでもないけれど連絡通路をてくてく ....
くちばしの長く伸びた蚊に足の指を吸われながら
恋人の首をころりと乗せた二の腕の潰れ具合を計っていた。
前髪の先に留まるシャワーの残り水が
目尻を伝ってシーツにつくと、
空は落ち、
圧縮袋のな ....
手が五股に分かれているのって、本当はとても気持ちが悪いことじゃないかってことに気付いたのは小学4年生くらいのときで、
「人はもともとみんなサカナだったんだよ」
って先生が言ったりしたからどうして指 ....
{引用=
用してください。
の代わりに使用しないでく
薄めた中性洗剤を
確認し、緩みが
アルデヒド)が残
す事がありますの
い。

組み込んだ潮、飲み
新月の細胞が混ざっ
しなさ ....
一粒の宇宙の果てから打ち寄せる心音、いのちが(((エコーしている)))


群れを捨て刺激の弱い新鮮な雨を踊り食いするサカナ


ビー玉の敷き詰められた砂浜の津波の向こうは雲の平原

 ....
船をたたむ)海岸からは海岸が見えなくてこれでは砂漠と同じです(海岸もたたむ


抜けそうな八重歯の揺れが開閉器 奇跡と破滅を行ったり来たり


(忘れたい)脳裏に散らかる消しかすはしろくて ....
(発酵したい、)ね ふたり。肌はふやけて溶け出して やさしくこわれてゆくからだ

蜂の巣に成り変わってく脳みそがしとしとばらまく蜜と毒針

ぼくたちは目蓋に守られ息をする微弱いいのち せっくす ....
わたしたちは時間をうまくやり繰りして乳清だらけのヨーグルトになる

触感がどうだとうではないのです(生き物なのね)あたたかい罠

皮膚擦れて 二階の角部屋は朝日に焼かれ まな板の上で震える枕
 ....
君を
拒むことも
許し切ることも
ない
狭いような広いような
こんな
足の間に
託された私たちの
みらい

密やかに
繰り返される
わずかな
暴力で
からだより
こころが ....
明け方
白い目で
青空の夢を見ている

夕日が沈む頃は
終わりの見えない草むらに
黄色いブロックを置いて
隙間なく並べていく
毎日ひとつずつ
繰り返しては
あっちの砂漠で焼かれない ....
電池の切れかかった壁時計のなかで
だいだい色の秒針が痙攣している頃
安部公房は女に砂をかけている

(カチ)、

    (カチ)、

はだかで
荒野にいました
髪の毛ばかり食べる ....
利き手はいつも間違えない

から
なかったことにする癖はひりひりする

汗が一筋流れる間
  自動ドアを抜けるまで
     1分間が白く、 過ぎる


利き手はいつも
鼓動の先 ....
目が腫れるまで
言葉をつぎはぎして
しんぞうとのうみそを
縫い合わせておきたかった
調和と統合と平和の
マルの中で
哲学から解放されたかった

天地がひっくり返って、
宇宙人が攻めて ....
足の爪はミドリにぬれた 密林で

おとなの おんなの 睫毛が下がる
机の引き出しのなか
右の白い封筒には
レポート用紙が五枚
三つ折りでたたみ込まれていて
真ん中の一枚が
初夏の居間、
線香の香りのように
鼻の奥に
ひびき
ねじれて
横たわっている ....
時計の針がチクチク鳴っていて
私の脈が皮膚を打つのがそれよりも少しだけ早いのが心配だった

{引用=ある晩黒い大きな家の影に
キレイな光ったものが落ちていた
むこうの街かどで青いガスの眼が一 ....
立てた小指の
赤い指輪は
細く練った
水飴の糸かもしれない
柔らかく伸びて歌って
キリキリと
絞めてくるから
ピアノ線なのかもしれない
いっそ
この指を切って
いっそ切り落として
 ....
袖から腕を抜くことを
ためらっていた冬の朝
隠し事はだめなんだって
道徳的に、が口癖の私は
末端冷え性で靴の中が寒い
目が覚める前に
殺してしまえばよかった
なんて
冗談でも言ってはい ....
第一夜

手の平に十匹乗るくらいの小型犬がちょうど手の平一杯分居て、駐車場に止めてある私の赤い自転車のハンドルにぶらさがっているスーパーの袋の中で溺れて死んだ。その日は大雨で、暑かった。残暑のむさ ....
鍵を開けた。
カプセルはわたしの匂いが循環する温室です。
あなたは、靴が足先に汗をかかせるように、シテ、
ふたりして、どこに向かっているのかも分かっていないのだから、
わたしたち、このまますり ....
わたしが外から持ち帰った悲しみを
きざんで混ぜてふたりで分けて
あなたが少しだけ多めに食べてくれた昨日の夜
この平穏に嘘の匂いを加えて
壊しかけたのは
わたしたちの今日です
憶測に振り回さ ....
わたし
蝉の脱け殻を着て雨を凌ぐ
小さな鳥になって、
探す
虫入り琥珀のえいえん。

跳ね上がった水の群れ
地面に海面に雨粒
幾万幾億個もっと、もっとだったから
よろよろと力なく流れ ....
星が死んでゆくとき
個人が来て
、なぜ言うのかしら
欲しい欲しいください
して欲しいください
して

大人の真っ只中で純水を流そうと
躍起になって泣けば
汗ばむ肌はいよいよおかしくな ....
クモの巣に抱かれた雨粒が
かみさまの吐息に焼かれ
人知れず光を集めては
底なしの池に飛び込むのを見ていた

母さんは居なくなって
波紋すら、
できなくて
何処で見失ったのか
命の終着 ....
佐藤真夏(71)
タイトル カテゴリ Point 日付
だから私はきみと家族になる日のことをおもうよ自由詩4*10/10/19 16:20
創造妊娠自由詩5*10/10/17 16:05
天気輪の丘短歌1*10/10/8 20:52
ノーリアクションバイバイ短歌1*10/9/25 19:02
侵食短歌1*10/9/25 18:53
未練短歌1*10/9/11 2:21
レンラクコウ自由詩6*10/8/1 12:21
よぶん自由詩5*10/6/27 20:31
植物の日課自由詩5*10/4/25 12:36
説明書自由詩4*10/4/19 23:24
皮膚がおびえる短歌3*10/3/31 2:47
ただ水があるだけの砂漠短歌5*10/3/30 0:33
瓶詰地獄短歌6*10/3/29 0:50
(ほのかに腐った匂いにときめく根ナシ草が見るゆめ)短歌6*10/3/28 0:47
不具合自由詩4*10/3/19 13:18
うっとりする自由詩6*10/3/5 1:10
固定自由詩3*10/2/23 0:51
先生の教科書を盗った日自由詩3*10/2/19 13:51
見てみて自由詩10*10/2/18 15:25
生け花自由詩2+*10/1/29 22:52
よわいほね自由詩5*10/1/28 1:07
ひびく自由詩3*10/1/26 13:25
歯形自由詩1*09/12/8 22:34
献血自由詩4+*09/11/24 3:56
dead自由詩2*09/11/11 19:19
空洞自由詩5*09/9/18 16:29
苦行自由詩5*09/8/19 11:59
軸のうえでは/右矢印自由詩4*09/8/12 15:46
流星シンドローム自由詩7*09/7/21 1:02
モーニングアフターピル自由詩3+*09/7/6 18:59

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