黄昏に生まれた人と木たちよ
空に憧れるのを同じくならえ
一足ごとに掌を赤く染めれば
四角いテーブルを共に囲もう
凍った時計を溶かすことなく
戯けた踊りを明日ならおうよ
同じ過ちから ....
渡り雲を映し出す
水鏡を
ひとつひとつ踏みつけて
鏡には
誰かがつくった落とし穴があって
地球の裏まで繋がっていたら

僕は跳ね続けられる
カラシニコフを提げた土気色の顔と服
委ねられた/から、死に、乞ふ。
知らないはずはないけどいうよ
あれ、あの木が文字だ。
あれ、あの雲が文字だ。
朋友に放つ弾丸ひとつひとつにこれらの言葉 ....
コブシなの。マグノリアだけど、小ぶりなの。

花咲いて散るために繰るクロニクル

鰆食べたよと電話口きみに幸あれ

実家跡、花粉と消えた春落葉

こねこここここだよこねこここのねこ ....
こねこ
このねこ
ここのねこ?

こねこどこなのどのねここねこ?

こここここねこ
こここここのねこ
こねこここ
『開くドアにご注意下さい』に肩を寄せて複線の枕木を数えていると踏切を抜けるたびに警音がして頭から数え直すハメになるが、その猪突猛進警報のおかげで路面電車以外の地上電車は、他の交通に妨げられるこ .... 『落書き禁止』と書き付けてある壁を見つけては
落書き禁止。とラクガキする
『張り紙禁止』と貼り付けてある壁を見つけては
張り紙禁止。とハリガミする
『言葉』はあらゆるものを形容できると ....
水と銀をころがしたらびぃだまになって
予定調和がうつくし過ぎてシケモクに火を点ける
昔日の積雪がこげついた肉をやわらかくして
おみおつけのかおりのようにささやかな音
出窓を押し開けたなら風 ....
世界遺産を遺産と呼ぶのをやめさせられましょう
携帯ナビから愉快な匂いがしてたまりませるる
藤原さんから蓬莱の玉の枝をいただかせられました
馥郁たる味わいに舌鼓を乱打して満点大笑う
枕木 ....
塩コショウは悪魔で少々です
天使がクシャミをしない程度です
最後に小さじ一杯のレモン汁を加えて下さい
残りのレモンはシャウトしましょう

この書簡は開封された十五秒後に焼失します
しかるに ....
アルカリ電池をシリアルで接続するのはやめてくれ、
理科の時間が割り振られるたび豆電球は叫び
エコ!エコ!エコロジーに気を配れ!!

孤独を測るには小学校の30センチ定規で十分、
天体望遠鏡も ....
シーソーシーソーの音階で
救急車のサイレンが頭蓋の蝸牛で螺旋を描く
シーが何をソーしたのだろうか
目的語のいらない自動詞で言い切っているしかも過去形。

竹箒でレレレのレーで長三和音 ....
あしたはほしをひとつかくしておきます
あなたにはどのほしだったか
みえることはないでしょう

かわりにひとつ

なみだのしずくをかいておきます
てるてるぼうずのひとみのしたに
そちらで ....
猫舌というのは生まれつきではないらしいのだが
ホットコーヒーは冷めて薫りが抜けた頃に飲み始めて
たとえば電車で網棚にバッグを置き忘れないために
心の片隅に重さをにじませておく程度に
飲み干して ....
描かずに絵を色づけて
鏡は銀色なのだとばかり
教えられて信じ込んでいた
小さな絵描きの子供らに
切実な悲しみを下さい
空気を食べて生きている
ごく正直な咎人に
壊れてゆく銀の月は
わたしたちやけものたちについて
興味がないことなど当然だったが
うす青く鮮やかな道標が指し示す
矢印だらけの波打つ街道で
みなが彷徨うのをほくそ笑むわけじゃない
闇の中 ....
ハンプティ・ダンプティが
公園の芝生で柔軟体操をしていた
何の比喩もいらないから
一日中雑談だけをすることにした
TOPIXとDOWとNASDAQの値動きについて
あいつもずっと笑わない ....
音波が空中を飛び交っているのを
二枚におろされた俺は見た
腐る憧れと嫌悪の中間地点で
空がビリジアンに染まるのを

ニルヴァーナが無性に聴きたくなる
夜が老いていくのが
半身獣にはい ....
湾岸の廃倉庫にある
錆び付いた二重らせんの外階段は
ほころびた日の影を登らせるだけとなり
月はオセロの相手をしてくれないから
時の番人は銅鐘を叩く度ごとに
旧く歌い聴かされたシークエ ....
別れのない日などなかった
夢の覚めない日もなかった
真夜中の貨物列車の車輪の響きが
テノールのビブラートの余韻となった

日々に慰安が欲しいと言ったら
スプラウトは笑い、シルフが慰 ....
物干し竿に並んだ肉を持たない白の骨たちは
濡れたカシミヤのセーターが掛けられるのを待っている
あるいは真白いワイシャツでも
季節はずれのノースリーブでも良いのだけれど

記念写真を撮 ....
右目の具合がとても悪くて
海の半分は紫に染まりました

群青の端っこが零れてしまいそうで
左目は心配をしておりました

きみの瞳で水平線を眺めて
夕日が沈まぬ東の海を嘆きました

 ....
{引用=

ゆうべ ぼくは あまもりに なりました

ほしが おちたからでは ありません

じゅうが うたれたからでも ありません

ずっと

たいように やかれつづけて きました ....
潮騒が耳の奥でいつまでも鳴りやまない八月も
半ばを過ぎて
レース糸を通したように陽光が柔らかくなる
ヒグラシもそろそろ日の目を見たくなるだろう


「おまえを必ず守る」なんて言葉を
いと ....
朝焼けが
虹彩から奥を焼く
明らかな
明日に
確信が持てないから
夜を
終わらせずに
朝焼けの夜を
産んだ

ここは
降りる駅を寝過ごしてしまった
風景に似ている
生まれた日 ....
鰯雲が砂丘に斑な影を落とし励起する
空中分解した未来
ヴィヴィッドなゼラニウムが更に産む
我々のものではない今

空の色なんてどうでもいい
愛の性質は満ち足りたりするものではないこと
ニ ....
あえて描かないことは描ききることと同じで
透明にはじける炭酸水が吹き上げる泡のように
この七行に込めるものは
あなたを愛する、ということではなく
砂時計が流れ落ちるのを眺め続けている
 ....
雪の降らない夏は
やさしく壊れる背中が丸くて撫でた
ソフトクリームより黒髪が甘くて舐めた

去ったり去られたり
さらわれたりしながらも
おれは海に拾われたグニャグニャのあめふらしで
また ....
置き去りにされた愛のように
ロックグラスはひび割れて
紫陽花のように水を欲しがる
日々の我らの営みが零れて
絨毯に染みが増えてゆく

地球が檸檬だなんて嘘
誰も信じちゃくれないよ

 ....
初夏の軒下に凍った氷柱から
こぼれ落ちた六角形の石英は
夕立に濡れた野良犬の毛皮に
すいと吸い取られていった

すえた匂いがする

帰りたいおうちなんてどこにもないと
知った十八回目の ....
しろう(100)
タイトル カテゴリ Point 日付
あすなろ[group]自由詩109/9/11 21:59
けんけんぱ[group]自由詩009/8/21 21:30
letters in the bullet[group]自由詩009/4/2 23:13
'09春俳句109/3/22 22:52
こねこここ[group]自由詩109/3/21 22:09
形容詞警報自由詩109/3/20 23:34
※≠▽*#∂◇∮∵〆∞¬∇°´[group]自由詩009/3/13 23:41
水銀[group]自由詩3+*09/3/7 23:19
似非ヒュプノシス[group]自由詩109/2/20 21:22
れしぴ[group]自由詩3*09/2/18 22:59
ぱられる[group]自由詩109/2/15 22:45
ばらんす[group]自由詩1+*09/1/28 23:09
すてらてぃあ[group]自由詩009/1/25 21:59
コーヒーカップ[group]自由詩1*09/1/24 23:18
not guilty[group]自由詩109/1/21 22:45
for stray shadows[group]自由詩109/1/15 22:00
無精卵[group]自由詩009/1/8 22:59
割れた片身[group]自由詩109/1/8 22:31
スパイラルシークエンス自由詩009/1/8 22:03
償いの前に[group]自由詩208/12/10 21:50
十月十六日午前八時のハンガー[group]自由詩108/10/16 22:11
海猫のゆうべ[group]自由詩008/10/7 21:33
やね自由詩2*08/8/23 22:20
八月のフラグメント自由詩5*08/8/21 17:46
カリカチュア・『シンメトリカルアトラス』自由詩608/8/16 20:24
ヴィヴィッドなるアポトーシス[group]自由詩0*08/7/22 17:40
白紙の散乱[group]自由詩2*08/7/21 17:31
猫背のあめふらし[group]自由詩208/7/12 14:55
ギムレット・ロック[group]自由詩208/7/6 19:49
夏が夏だから[group]自由詩008/7/6 16:57

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