走る男がいた
ノートパソコンやら書類の束やら義理やら思いつきを書きこんだ手帳やら約束やら書かなくてはならない手紙やら本の題名やら領収書やらを山のようにかかえて走る男がいた
ばらばら落とした手紙を拾 ....
2005/05/19の朝日新聞夕刊社会面(東京第4版でp.15)にこんな記事が並んでいた。

・再犯招く心に迫る
・4歳児 虐待され死亡

 上の記事は、6月から性犯罪前歴者の出所情報を法務 ....
横たわる詩人に砂を投げ入れよテロリストのかなしみ知らぬなら

閃光のあとに残りしひとがたが刻まれており道路の上に

欠落を埋めないこと背を伸ばしカクテルグラスごしの詩の文字

血のにじむ指 ....
なぁんにも期待しないから突然に欲望だけを素直に告げる

ライバルを口説きたがるの悪い癖知っております言われなくとも

ねぇ蛇さんわたしはイヴよつややかな知恵の木の実を手にする前の

パソコ ....
血のにじむ指くわえようとするあなたから手をひっこめるさびしみがある

背後から抱かれて息が首筋にかかるぬくさを忘れはせじと

深呼吸忘れたことに気がついて深く重なる森の天井 

きみの ....
幼い頃に言葉を喰らいすぎたのだろう
ジャンキーであると気づいた時には遅かった
わたしのなかには茱萸の実に似たかたちのものが棲みついており
それが私を満たしがんじがらめにする
 
わたしは哀し ....
あけられぬ いえのまどには うつうつと えのぐなすられ おびえたかおが
かなしみの きえるせつなに くるものは けされることを こばむだろうか
ささのはの しゅるしゅるとなり すずめらは せまき ....
眠られぬ真暗な部屋で音もなく携帯電話の液晶光る

訃報ってなんだかいつも手触りがないから涙はその時来ない

「食い逃げだ」今日の私は言われそうもしも船橋まで出かけたら

間に合わぬことがあ ....
「世界と自分の間の信頼関係を確認したい」(そのためには自分の肉体が損なわれても良い)といった覚悟で公演に臨んだ表現者の姿勢が、

だとぉ!

ちきしょぉ、「確認したい」だぁ?
俺が、生活のな ....
「夢」というのは
なにかうつくしいもののことだとおもっていたよ
なにかたいせつないとおしいもののことだとおもっていたよ
理想のことを夢と呼ぶのだとおもっていたよ
 
守らなくてはいけないのは ....
わたしだって
さびしいよ
 
ほめられたら
うれしいよ
 
わたしがきらいなひとより
わたしがすきなひとのこと
すきになったって
 
わたしがけなしたひとが
おこったって
 ....
 とうとう、自動式回転ドアで死者が出たというニュースが新聞に載った。

 あれが登場し始めた頃は本当に怖かった。その前にあった、手で押すタイプの回転ドアも怖かったけれど、自動式のは容赦なく回ってい ....
 なるべく精確に言葉を使いたい、と思う。だから、言葉がひきずっている余計な意味は、極力、排除する。
 しかし、詩歌を書くとき、最も力強いのは、言葉の持っているしっぽではないか、と思うことがある。
 ....
雨が降っていますね
ええ、降っていますね
 
さびしい
さむい
ぽたぽた
 
ときどきメロドラマに泣きます
 
さびしい
さむい
肌が、ぬくい
 
パジャマの破れ目にくち ....
 「赤毛のアン」シリーズは、アンの大学時代、婚約時代、新婚時代、など時代を追ってシリーズになっている。その最終巻(10冊め)「アンの娘リラ」はアンの末娘リラが、恋に憧れる十五才誕生日間近「崇拝者を持ち .... 〜〜以下引用〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
そして理由もわからず、大人たちに、まじって逃げた。
助かった小さな子どもたちは、みんな
小さな胸を痛めていた。それは、
家族が殺された理由を ....
あなたが亡くなって世界はこんなに美しい
 
おばあちゃんにせがんでおんぶしてもらっている子供
赤く染まった南天の葉
まるく結実した八手
 
冬の日差しのなかにあなたのまなざしだけが残っ ....
はじめてのくちづけ熱くこの天も地も知ろしめさせ響け和音よ

こまぎれの短歌かたかた細切れのねぇねぇそれは美味しいですか

死者誤入されて冥土もこの世にも居場所がなくて北風となる

さぁ ....
 
親友の孕み女となる便り花舞い散るはいつも奇跡だ
 
レンギョウの黄に向日葵を想いけり みどり児生まれくるとふその日を
 
さくら花おもたく露を含ませて我にこそ宿れめ我にこそ宿れめ
 
 ....
「おふとんに入った?」
「はい」
 
目を閉じて
わたしはあなたを
捏造する
君はいつも夏の匂いがしていた
 
太陽の埃っぽさと
なにかに飢えかつえているようなまなざしと
つま先で蹴りたてられた大地のいきどおりと
 
そんなものを陽炎のように纏い
通り過ぎていく
 ....
白糸雅樹(51)
タイトル カテゴリ Point 日付
言祝ぎのうた (大村浩一氏、鈴木素子氏の結婚に寄せて)自由詩3*05/7/17 21:39
防げなかった加害についておもうこと散文(批評 ...6*05/5/30 19:05
カナリアのかなしみ短歌8*05/3/4 1:51
セクシャル・フレンド短歌6*05/2/25 18:02
海へ、帰ろう短歌4*05/2/22 1:45
爛熟自由詩305/2/18 0:18
あいうえおのうた自由詩4*04/12/22 3:57
ありがとう         (追悼、ではなく)短歌304/12/8 10:23
奥主榮氏への個人的恨み言自由詩7+*04/8/26 4:36
夢の番人自由詩104/7/21 19:38
もの、いう未詩・独白3*04/4/2 7:58
回転ドアの恐怖散文(批評 ...404/3/28 4:35
言葉の持つしっぽ(あるいは亡霊)について散文(批評 ...4*04/3/26 5:33
雨が自由詩304/3/26 4:42
優れた戦意高揚文学「アンの娘リラ」モンゴメリー[group]散文(批評 ...2*03/12/31 2:39
君が悪いんじゃない 「トットとトットちゃんたち」黒柳徹子[group]散文(批評 ...7*03/12/18 1:17
追悼(野本京子さんに)自由詩5*03/12/8 16:03
天と地の狭間にて短歌503/11/8 4:05
向日葵によせて短歌403/9/2 5:29
就寝自由詩403/8/23 23:55
君への矢文自由詩0*03/8/15 2:32

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