浅い眠りの中で鈍い音が響いている
ドーン ガガガ ドーン
わしは夢中で家の外に飛び出した
寝巻き姿で飛び出してきたわしを見つけて
ヘルメットに線の入った責任者が駆け寄ってきた
「いったい何を ....
主なき犬舎に蝶が舞う 町の外れの寂れた駅舎で
ベンチに座って
夕陽を眺めていた

母になれなかった女と
子犬を産めない犬と
それと女の連れの老人と

老人は抜き身の小柄を手にしていた
けれど今は病んで衰弱 ....
さてそれからまた無限に近い時間が過ぎて
女はファンデーションを塗り続けた
その間に七人の王が即位し
大地を揺るがす大きな地震が二度あった

我々は本日ここに集いて
町内会の役決めをすること ....
片耳の垂れた犬と
母になれない女と
屋根のないバスに乗って
私は旅に出る



往く宛てのない旅
歯のない運転手と
乗客は私たちだけ
窓ガラスから
夕陽が射し込む



 ....
あなたの苦労を買います

但し 生きた苦労に限らせていただきます!

こんな広告が新聞に載ったのだ
男は人並み以上に苦労をしてきたと自負している
早速電話で応募してみた

指定された場 ....
可愛がってくれた人が
誰も居なくなった後で
人は死を迎える
訳の分らぬ若輩たちに囲まれて
トボトボと旅立ってゆく

あんたにもいい時があったんだよね
燃えるような恋もあったし
奇跡 ....
子供たちはまたぼくの話を聞こうと目を輝かせている

じゃみんな今日は魔法の馬車の話をしょうか
わーい魔法の馬車!魔法の馬車だってさ

その馬車は馬もいないのに乗った人をどこへでも連れてってく ....
父と息子は 肝心な事は
もう何も話さない

とりとめのない話に
相槌を打つだけ
傍目にはよそよそしく見える



父の心にはいつでも息子がいて
離れていても その姿が見える
 ....
植え込みの中から突き出た足
薄汚れたジーンズと穴のあいたスニーカー
ホームレスが倒れてる
覗きこむとひげだらけの男が生きているのか死んでいるのか
眠ったように目を閉じている
額のあたりを蟻が ....
妻の首にスイッチをつける
昼間はAに
夜はBに
旅行に行くときはCに
切り替える

子供の首にスイッチをつける
勉強をするときはAに
遊ぶ時はBに
ウサギを追う時にはCに

政治 ....
ドイツ農民戦争では17万人が
30年戦争では400万人が
フランス革命では489万人が
第一次世界大戦では2600万人が
第二次世界大戦では5300万人が
朝鮮戦争では300万人が
ベ ....
その踏切では よく人が轢かれた
警報が鳴りはじめて遮断機が下りても
列車が来るまでには少し時間がある
だのに何故? 人は轢かれるのだろう

その疑問が解けたのは
自分がそんな目にあった ....
ねぇ 覚えてる
あの日助けた子ダヌキ
それがわたしよ

そういって妻は
スカートの後ろから
大きな尻尾を出して見せた

そんなことは
トウの昔にわかっていたさ
私もズボンの ....
困りましたね、担当者は腕組して顔をしかめた

何故、国籍を取得する努力をしなかったんですか
はあ、こんな時がくるとは思わなかったものでつい・・・・
あなたの事はよく知っているので、なんとかし ....
三丁目の植え込みに
神様が捨てられてました
薄汚れてハエが集っていました
拾って帰って
洗濯機で洗濯しました
乾燥機の中で蘇りました

何か願い事を聞いてあげよう
そう言われたので
 ....
才能が切れたので
買いに行った
いつもより高いのを
手にとって見てると
店主が苦笑いする
背伸びはよしな
いつものを買って帰る

その日の夜 
ボクが偽物と見破った人たちが
たいま ....
この世とあの世を隔てる川
その川の向こうには案内所があって
そこには一台のはかりが置かれている

川を渡ってきた人は誰もが素裸で口もきけないから 
一人ずつ網羅に手をひかれてそのはかりにのる ....
ほんにおおきに すまんかったね
お茶が入りましたけ どうぞここにすわらんね

建具の調整を終えたボクにオババは座布団を勧めた
どうぞ
差し出されたのは先程まで仏壇にお供えしていたおはぎである ....
どんなにわたしを愛しても
満たせない時がある事に

きづいて

抱きしめて熱いキスをして
あなたの腕の中にいる
私のかすかなためいきに

きづいて

それでもこんなわたしを欲しい ....
人間から動物になる予定のボクと
猫や犬から念願の人間になる彼等とは
所詮話が食い違った
それでもお互いの持ってる情報が欲しかったので
仕方なく休み時間は彼等とともに過ごした
ねぇ…聞き難いん ....
それから三日目の朝
ボクは親父を産んだ

頭が大きいので難産だったけど
なんとか産んだ
親父は産まれるなり
説教を始めた

こんなことなら
母親を先に産めばよかった
後悔しても始ま ....
皆が手を取り合って歌うので
盛り上がった会場をあとに
裸の王様は出発する


皆が口をそろえて褒めるので
道中も王様は上機嫌
寒さも暑さも感じない
堂々と歩いてゆく


傍から見 ....
男は水の中に立って
見えない魚を待っている

皆は目に見える魚を追って
遠くの海へ行ってしまった

男が待っているのは
自分にしか見えない魚

その魚の存在を人は信じない
手っ取り ....
 ブルーシートで囲まれた家はめったに人の来ない遊歩道の脇にあった
カチャカチャカチャという音に誘われて勇気を出して覗いてみた

老人が一人背を丸めて電卓を打っていた
ぶつぶつ何か呟きながら時折 ....
君は知っているか

火葬場の釜の内側にある

爪のあと…
道の真ん中に鍋のようなものが落ちていました

拾い上げると小さなUFOでした

うちの5歳と3歳の男の子が

二日ほどオモチャがわりに

投げたり叩いたりして遊んでいたんですが

 ....
どんなに衣服を纏っても
温かい血が流れてなければ
あなたは爬虫類のように
笑うことすら覚束ない

どんなに体を洗っても
心の色は顔に出る
何処からともなく漂う腐臭は
消す術もない

 ....
天国は本当にありますか
目の見えぬ老婆はヘルパーの若い男に尋ねる
男は笑顔で適当に相槌をうつ

地獄は本当にありますか
末期ガンの老人絞り出す様な声はドクターに届く
ドクターは聞こえな ....
多くの人の嘘の上に
不安な楼閣は揺らいでいる
風向次第で逃げ場所も変わり
作り笑いの内に毒を隠す
1.6キロのシーソーの端に腰掛け
ビーカーの中に沈んでゆく太陽を見ていた
感情が理性を ....
アンドリュウ(63)
タイトル カテゴリ Point 日付
 オレオレ詐欺散文(批評 ...114/6/8 21:20
 不在俳句014/6/8 21:16
駅舎にて自由詩414/6/8 21:09
 女なり!自由詩314/6/8 0:45
 夕暮れ自由詩014/6/6 22:35
ガンバリン散文(批評 ...114/6/6 22:33
 トボトボ自由詩314/6/5 18:42
 ミッシングリンク散文(批評 ...114/6/4 21:27
 絆自由詩114/6/4 21:12
 カード散文(批評 ...214/6/3 18:02
 スイッチ自由詩314/6/3 17:15
 ホモ・サピエンス自由詩214/6/3 3:01
 踏切散文(批評 ...114/6/2 12:42
 帰ろうか自由詩514/6/2 12:37
 窓口にて・・・散文(批評 ...314/6/1 8:54
福祉自由詩414/6/1 8:38
 買い物自由詩414/5/31 18:21
 はかり自由詩414/5/30 23:39
よかおなご散文(批評 ...214/5/30 23:31
 そのまま抱きしめて自由詩014/5/30 17:52
 クラスメート自由詩314/5/29 20:29
 アルツでワルツ散文(批評 ...014/5/29 20:25
 女の子は忙しい自由詩114/5/28 18:14
 見えない魚自由詩014/5/28 3:43
 天職散文(批評 ...114/5/27 20:28
爪のあと自由詩214/5/27 13:02
  鍋散文(批評 ...214/5/26 17:31
変化自由詩114/5/26 17:09
 弥勒はまだか自由詩314/5/25 7:17
螺旋自由詩014/5/24 18:10

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