{引用=
天体観測者に告ぐ
赤道儀を解放せよ


赤道儀を空の中心に合わせると
僕は地軸を手に入れる
グリニッジでも
マウケアナでも
野辺山でも
誰かがそうやって
手に入れる
 ....
告げる直前の想い
はなびらよりも桜色に

ああ、あした咲く

あした咲くよ!
いつも同じものを追い求めていると
歩行者天国で迷子になってしまう
だから、星を見に行こう

道をさがすのは、やめようか
船乗りのように六分儀とコンパスだけで
最初の一歩、方向を決めてみ ....
裸のまま
まぶしそうな仕草で
月明かりに浮かぶ
広場の青銅像の影が
焦点を化石の姿に結ぶとき
恐竜の骨、それが
今日のあなたの言葉

  騙し絵は嘘もつかずにごまかしてきた
  勘違 ....
浅い春だから
吐く息はわずかに白く
見上げてため息をつけば
ひとり六分の月
面影というにはまぶしすぎて
思い出というには遠すぎて

  もう歌わないと決めたうたをつい口ずさむ
  もう ....
同心円でありたいのです
それぞれの速度で広がる
無数のわっかのなかで
波紋を重ねたいと

降り始めの一滴になりたいのです
そのひとのほほで流れれば
きっと振り返るでしょう
手のひらを空 ....
  チェーンがディレーラーをすり抜ける音
  始まりのいつもの儀式
  数秒間の加速のあと静かに静止する
  制動機の動作確認、これも儀式
  そして百メートルごとの加速機を通過しながら

 ....
月、外側にある言葉 照らされて空にある
蒼夜の路地裏で僕は 影を必要としている
月光は誰を求めるか

  太陽、秘めた声
  心灼きながら
  生まれ続ける
  聞いて、聞いて、
   ....
弧を描く波打ち際で
世界の縫い目をたどる短い旅路
遠ざかる、境界を引き寄せ
空と海を縫う指先が左右に揺れる
「こっちだよ」または「バイバイ」
その境目のメトロノームが
いつかのあなた

 ....
今日は朝から電話対応に追われてしまい
まともに昼食をとっていなかったから
目が回るなぁと思ったら四時十二分
営業車をコンビニの駐車場にすべり込ませ
アップルパイを買おうと思ったんだ

   ....
 雪雲が切れたようだ。陽が射すと季節が春へむかっているのがわかる。公園の駐車場で休憩としよう。座席を後ろに倒して窓をすこし開ける。エンジンを止めてガラス越しの青空をピラーで切り取ると鳥のさえずりが聞こ .... 小さな公園に降り積もる
いつか、という遠い未来
約束しないジャングルジム
電線のように
ふるえている

なによりも本当を隠す
誰からも遠くに隠す
それが凍える雪
冷たさに救われる時
 ....
誰か、などとごまかすのはよそう
あなたを、思うときの空だ
湿った雪雲が切れていく
灰色の向こうに広がる薄い青
きっと強く、遠くのあなたを想っている
灰色と青色が近いのは空のせいだ

   ....
ひとめぐりする
違いについて
考えてみようと思うけど
夕日が沈むのか
それとも
僕らが遠ざかっているのか
わかるものか

薄っぺらな紙も透視できない
僕らには
粘土層を貫いた深い根 ....
 
 私は冬が好きだ。周囲が生命にあふれるどんな季節よりも。雪深い雪原をトレースしていくとき、全ての冷たさの中で暖かい自分の体温を信じられる。吐く息に水蒸気が混じっているのが見える。大地の精気が星空 ....
潮風が防風林の松を
まだか、まだか、とたたいて
浜辺で手招きする海が
防波堤でばらまいています
ひとりでくる浜辺が
こんなに広いとは知りませんでした

小さい岩のあるところ目指して
真 ....
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=146424
「あなたについてのモノローグ」  佐々宝砂


「結局のところあなたについて書くほかはないのだ。」
 ....
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=146107
「にぎやかな街」 水無月一也

 引力というものが本当に万有であるなら、斥力もまた常に働いているのでしょ ....
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=99852
「美しいミサイル」 いとう


 自分の感覚や言葉、理論、知識・・・宗教や思想でもいい。それらを総動員し ....
波打ち際に立つと
のどが渇く
でもそれは欲望ではなく
思い出した事、だと思う
帰る波がめんどくさそうだ
指の間に挟まった砂もそう
いらないと思った途端に忘れられなくなる

  生まれ変 ....
言葉でうまく紡げない夜を
上手に{ルビ梳=と}かしてくれ
海を幽かに織り込んだ
雪にもなれない
中途半端な雨風が
並ばなかったピースを
山のふもとに吹いてゆくから

  こんな夜でも
 ....
お父さんはね
お母さんを口説いたとき
自分の故郷には
おはなばたけという駅が
あるよと言ったって

夏に嫁いできた母は
駅前に花畑があると
おもってたと
文句を言ったらしい
お父さ ....
知らない言葉を使っても
ちがうパズルのピースのようで
僕は完成しない

知っている言葉の羅列は
なくしたピースの裏側のようで
僕は完成しない

   崩れかけた木製遊具のある
    ....
  言葉を投げ合うほどに
  違うものだと気がつく
  砂丘の砂、そのひとつひとつが
  自由な砂の本性で
  名前が足りないから
  同じものだと思いこむ
  それはかなしいことだ

 ....
(水槽から飛び出した金魚の体温)

煤けたような暗がりで
瞳が開いていく
洞窟の中をずっと迷っているような
コオロギの摺り足
夜には手が届かない
指先が触れる闇の境界線、それは
ひんや ....
くみこは空を見なかった。青い空は。
猫の匂いのする赤いカーペットの部屋で
AKAIのオープンリール回しながら
見なかった。僕の肩越しの青い空は。

みかと星空を見た。オリオンだけではなく。
 ....
あいつが吠えてるよ
母親に毛並みが嫌いといわれて
吠えてるよ
妹の庭で吠えてるよ
姉の美味しいご飯を大好きな
僕の優しい言葉が大好きな
首輪のとれたあいつが
父親に寝相が悪いといわれて
 ....
{引用=
僕が都合の良い魚になって
遡上するならあなたへ、と

   キューブを完成させる方法
   かしこく、方程式どおりに回すのか
   バラバラにして組み立て直すのか

完成し ....
幾度も、なんども
夢から覚めると右手にアクセルの感覚と
四天王寺から日本橋へ車線変更
遠く、象の鳴き声を聞くのです
松屋町筋へ曲がるという
思い出のような物語はいりません
ビル風に吹かれて ....
季節だけにではなく別れを告げるということ
窓のない部屋では聞こえないということ

   言葉で削った窓のむこうは万華鏡じゃないということ
   中途半端な闇の中
   (匂いのしない風がテレ ....
たりぽん(大理 奔)(550)
タイトル カテゴリ Point 日付
天体観測者に告ぐ[group]自由詩6*08/3/30 23:04
あした、咲く携帯写真+ ...508/3/29 21:07
ほしをみにいこう[group]自由詩4+*08/3/26 0:19
夜の散歩道自由詩6*08/3/23 0:13
浅春、深呼吸[group]自由詩9*08/3/19 0:59
春雨自由詩16*08/3/14 0:55
軌道エレベーターに乗って、自由詩608/3/3 0:38
月空の夜光虫自由詩708/2/29 0:52
いつも波よせて、僕は自由詩808/2/23 23:28
チョコレートパイ自由詩608/2/22 1:00
蝉の砂時計自由詩9*08/2/20 0:51
どこに降り積もる自由詩5*08/2/17 17:04
もくれんのくも自由詩10*08/2/12 1:26
地動説な雑草で[group]自由詩7*08/2/6 0:13
批評祭参加作品■「散文的な夏」 岡部淳太郎 [group]散文(批評 ...1*08/1/29 19:12
夏泊海岸自由詩4*08/1/28 0:57
批評祭参加作品■「あなたについてのモノローグ」  佐々宝砂[group]散文(批評 ...2+*08/1/27 1:01
批評祭参加作品■「にぎやかな街」 水無月一也[group]散文(批評 ...308/1/26 23:21
批評祭参加作品■「美しいミサイル」 いとう[group]散文(批評 ...308/1/24 23:25
遊泳禁止海岸自由詩608/1/21 0:54
ヌートリアンナイト自由詩608/1/14 1:10
駅・御花畑[group]自由詩13*08/1/7 0:41
パズル[group]自由詩6*08/1/5 22:22
それぞれの名前で、波にとけても自由詩1308/1/4 0:51
残闇、抱きしめるときの自由詩10*07/12/28 1:01
僕は好きだった自由詩5*07/12/22 23:07
やさしい、庭で自由詩9*07/12/15 1:02
薄明(嘘つき)自由詩1107/12/12 0:54
RZ250、時刻は夜明けの2時間前自由詩7*07/12/9 0:14
僕に雨が降るということ[group]自由詩16*07/12/2 23:20

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 
0.11sec.