ちょっと前に誰かが言ってたアイディアを借りて作ります。
要するに「レコ☆ポエ」の詩人版です。
「現代詩フォーラム」内でこの詩人が好き、この人のファンだという気持ちを表明しちゃってください。
フォ ....
人生をする前に
ぼんやりと生きてしまった
そのぼんやりが
いつしか人生になってしまった
いつだって間違ってきたし
正解などわからないまま
年老いて来てしまったが
正解ばかりを選べる人生な ....


まだ寒いのに
もう立ってしまうのか
立って 先に
行こうとするのか

その後ろ姿を見つめて
僕たちは
ずっと後から
暖かくなろうとするのだが

まだ寒いのだ
もうこんな ....
何かのふりをして歩いていると、詩を書くこころが僕
のなかからふらふらと彷徨い出て来た。そいつはゆら
ゆらと漂うように移動して、道行く人たちをとおくを
見るようなぼんやりとした眼差しで見たり、空を ....
目醒めると
この心に寄り添っておとなしくしていた霊が
ゆっくりと時の隙間にすべりこんできて
顔なじみの友人のように
この肩の向こうから微笑みかけてくる
それからは いつも通りだ
神をも恐れ ....
陽の光がまたたくせわしない時
誰もがどこかに向かって急いでいるが
なぜ急いでいるのか
その本質の答にたどりつく者はなく
ただそうであるからという
日常のために急いでいる
気の重くなるような ....


葉がふと 落ちる
はな れ て
      ゆく

おとなしい
終りが
始まる

それにそなえて
私を 消す




浮き出た血管のように
夜を
青い星 ....
降って来る
ただ黙って
いくつもの小さな星が
その欠片たちが 降って来る

そうして星が降ると
僕等の心に穴が穿たれる
僕等は飛び立てない剥製の鳥
翼のかたちをしただけの ただの観念
 ....
これが私の真実だ
あなたの真実を教えてくれ
そう言って ここにいるあなたに話しかける
だが あなたは無言で悲しそうに首をふるだけだ
きっとあなたには真実がないか
あっても 私のそれとは異なる ....
空から何かが落ちて来る
そう思って心配して
夜も眠れない男がいた
周りの人々は男に対してそんなことはない
それは杞憂に過ぎないと言うのだが
男は相も変らず空から何かがと言って脅えるばかりだっ ....
幼い空がなんの思惟もなく広がっていた
誰も見たことのない鳥の雛が巣のなかで育ち
その間も周囲は ぐるぐると回り
ぐわんぐわんと流れては 変化しつづけていた
いつの間にか光は強さを増していて
 ....
{引用=――いまだ見ぬ地をふるさとと名づけられ怒りのごときとまどいはあり
               (佐藤よしみ歌集『風のうた』より)}

これからここで
生きてゆくのだと
なんとなく思 ....
足下に何かごつごつごろごろした硬いものが転がって
きていて、何だろうと思って拾って見てみると、それ
は一個の思想だった。そいつは手のなかでいきなりよ
くわからないことを喚き出したので、びっくりし ....
 何か奇妙な感覚がずっとあった。それは僕の中に気づかないうちに住み着き、いつの間にか成長していた。それに僕は浸食され、操られてさえいるのかもしれない。また、そのせいで、僕はおそらくひどい生きにくさを感 .... 月が壊れる日
地には数えられる狂気が降り注ぎ
人々はただ逃げ惑う
自らの正気を最後まで信じて
世界と自らのなかにある狂気から
目をそらそうとする

月が壊れる日
女の血は平穏となり
 ....
この石がどれだけの歳月を過ごしてきたのか誰も知らない
私がどれだけの歳月を過ごしてきたのか
誰も知らないのと同じく――
誰も知らないままで時は流れて後方に追いやられ
私は体験を繰り返して石は記 ....
 誰にでも、何かしら似たような経験があるかもしれない。何かが終って、それから解放されたように感じて、一抹の淋しさを感じながらも同時に湧き上がってくる妙な心地良さの感覚を。たとえば学校を卒業したとか、仕 .... 波 1

{引用=寄せてくる
返ってゆく

そのはざまにすべてがあって
あるいは
そこに何も見つけられなくて

寄せてくる
返ってゆく

その現象だけが
いちまいの絵のように ....
夜に浅い眠りを過ごしていると
その夢のなかにどこかとおくの
海の波の ざわめきが入りこんでくる
未来への何かの予兆か
遂げられなかった過去の思いへの悔恨か
そのざわめきはこの脳を支配して
 ....
 この九月に母が亡くなった。二〇〇四年に妹が自死し、二〇一一年に父が病死しているので、五〇年以上ずっと独身のままの僕は、これで家族をすべて失って本格的に一人になったことになる。母は妹が亡くなった直後か .... 私はもしかしたら人ではないのかもしれない
人と人の間に存在を許されるのが人間というものならば
私は人間ではないのかもしれない
私は人と人との関係性の中で生きてはいないのだから
それならば私はい ....
引き延ばされた時のうえに横たわっていた
何度も 何度でも細い管は出入りして
その間何を思うこともなく
何かが出来るはずもなく
ただ横たわって耐えるだけだった

この心臓は何度も死んでは再生 ....
病室の窓から
夜の空を見つめる
何もない
何も起こらない
ただ黒いだけの空を
病院の灯りが反射するなかを
幻想の円盤が立ち止まる
意味ありげに
知性を持つもののように
私にその姿を見 ....
 七月四日、入院した。五十五年生きてきてはじめてのことだった。それまでは若い頃に酒の失敗で急性アルコール中毒で一晩入院したことがあるだけで、本格的な入院は初めてだった。いまも病室のベッドの上でこれを書 ....  中庭 1

{引用=
午後の
柔らかい日が射しこんできて
すべてが淡い色のなかに溶けてゆく
地球という中庭
私の心に拡がる中庭


 中庭 2

{引用=
草をむしる
 ....
 草心 1

{引用=
その薄さだけで
大気にさらされ
風に嬲られる

大気という
混沌の暴力のなかに
その薄さだけで


 草心 2

{引用=
折れるほどの細さに
 ....
暮れる
時のなかで
凍土の冷たさの下に
埋められた思惟を思う
それらの骸の無念を
思わずして時は暮れることはなく
それらの物語の無惨を
録せずして時は回ることはなく
それでも日は沈み
 ....
 何かがゆっくりと近づいて来ている。それはやや静かに、それほど大きな音ではなく、それでも耳をすませば確実に聞き分けられるほどの大きさの足音を立てて、僕たちのそばに忍び寄ってきている。人々は早くも悲しみ .... とどまる 1

{引用=ここに
とどまっていると
裁かれる

変化のない停滞に見えて
それは罪であると
見做される}


とどまる 2

{引用=ここになんとか
と ....
そよぐもの 1

{引用=風にそよぐものが
目に触れると
忘れていたことを
思い出しそうになる

幼い者も
風に吹かれて
そちらの方へ
届かない手を伸ばして}


そ ....
変化 1

{引用=
かたくなな
個であるかぎり
変ることはない
ゆるやかな
流れのごとく
泣きながら行け

夜の空にいっしゅんよぎる
星のように
泣きながら変れ


 ....
岡部淳太郎(315)
タイトル カテゴリ Point 日付
会議室スレッド
好きな詩人会議室23/2/25 3:46
文書グループ
3月26日文書グループ14/3/26
散文詩文書グループ10/9/28
その他の幽霊文書グループ10/6/11
歌う川文書グループ07/11/25
近代詩再読文書グループ07/11/25
夜、幽霊がすべっていった……文書グループ07/11/25
投稿作品
人生をする自由詩624/3/26 3:41
立春 二篇自由詩9*24/3/7 18:10
詩を書くこころ自由詩824/2/15 15:30
明け方の霊自由詩424/1/29 0:21
自由詩424/1/14 17:24
連作詩集「自由落下」冒頭十篇自由詩5*23/10/8 18:49
沈黙の流星雨自由詩123/5/28 20:27
真実自由詩023/5/10 14:55
空から何かが自由詩523/3/12 22:14
遠出自由詩423/2/13 2:53
見知らぬ地自由詩423/2/8 1:43
思想自由詩323/1/26 23:35
人間ではない。散文(批評 ...023/1/16 9:51
月が壊れる日自由詩323/1/2 2:23
石の歳月自由詩522/12/18 0:23
「解放」の淋しい心地良さ散文(批評 ...122/12/15 1:20
小詩集・波自由詩422/11/27 0:00
夢の潮騒自由詩622/11/19 16:13
残された怠惰散文(批評 ...4*22/11/2 5:10
地球の昼休み自由詩2*22/9/25 18:14
プロメテウス自由詩122/9/19 4:49
夜の空自由詩4*22/7/13 20:18
木切れ散文(批評 ...322/7/10 17:40
小詩集・中庭自由詩322/3/15 20:53
小詩集・草心(そうしん)自由詩821/4/18 16:16
暮れる自由詩3*20/12/31 0:47
予兆 ―プロフェシー―散文(批評 ...2*20/8/26 20:55
小詩集・とどまる自由詩820/6/14 22:28
小詩集・そよぐもの自由詩320/6/7 18:11
小詩集・変化自由詩0*20/6/1 17:06

Home 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 
0.08sec.