あばただらけの頬に敷くレール
よろこび工場が煙を吹く
うつむく産後のマトリョーシカ
凹凸のないギアが散らす火花
私のからだをかつらむきにして下さい
分かり合いましょう
虫喰い穴から覗く月
遠吠え 断頭台
無人のスタジアム
白紙は地図と呼べるか
核心はいつだって曲がり角の向こう
超常現象
犠牲者という記号
間違いなく間違うその一瞬を探る
夢は羽根
欲は蝋
ねじれた顔が歩いている
己の遺骨をしゃぶり続けている
呪詛の雲が立ち込めている
変わるべきは私ではない
私の頭にかぶり付け
尻から脳味噌はみ出すぞ
槍降る夜 轟く欠伸
放り出すジョーク
蓼を食む痩躯
遁走 潜望鏡
譫妄と共存せよ
トイレの鰐
骸骨のパンツ
ニラ味のガム、噛む
ドブに沈んだ体くねらせて
オリガノ ペペロニ
溺れるほどに闇を浴びて
眼球跡地なみなみと粘液
見えない声の臭い
焦げたビニール遡上する大河
血と混ざり合う黒煙
潰れた夜空
撫でる 撫でる
ねじれたことば
焦げる 焦げる
存在しない空間の
その境目に突き刺され
捌く魚の顔を覚える
弾ける色はパステル
さざめくパルス
こめかみを貫通
凝固するノイズ
嘘だけが真実
剥製にされた現実の
海馬に襲い掛かってコアラ
踊る阿呆から見られる阿呆
割れた窓踏んで回ってコアラ
表情が消えていく
遠い時間を手繰り寄せて
飛び跳ねるゴムの蛙
羊の夢に色を映せ
見えないものに見られている
巡る血に支配されている
四角 ずれる ぼやける
右を向いてはいけない
カルマの向こうのヒトデナシ
迫る瞬間 下る階段
四角四面の黄ばんだ夜
私はどこにも存在しない
ハレーション しばし応答を待つ
穿つ 育つ 非鉄金属
意識を黒く変えろ
消し飛ぶ構造
肉の持つ痛み、とらえる
詳しい話は地の底で
肩から伸びる靄を払え
蛍光灯で喉を潰せ
オモチャがオモチャを引きずり歩く
とう
ざい
まず
こん
にち
は
夢中夢で「おいで」と私を呼ぶものは長さの同じ八本の指
月はもう出てるの？
舌っ足らずの声がした
こころの底のほう
波の音に気付いたんだ
カメレオンに似た目の動きで空を見てる
今んとこはまあそんな感じなんだ
染みになった今でも君は邪 ....
拍手はいらないから
笑ってやってくれ
もう皆忘れて
他所へ越してしまった
しかし忘れてはいけない
全ての楽器は鈍器になり得るのだよ
「夜の色は、黒じゃない。
限りなく、深い、青だ。」
かつて私にそう言った彼は、
今、病院の、鉄格子のついた窓の向こうにいる
誰かに許しを請うために、痛めつけた己
ただまぶしいばかりの ....
ステゴザウルスの色
乾いて縮んだ脳が鳴る
十三本足打法
振って振って絡み付け
俊足のマネキン
カンザシフウチョウ
思い出した
私は色のないクレヨンだったのだ
藪を飛び出て
十字傷
白紙のノートは開けられない
あやしいザリガニ
溶けかけのアイスクリーム
崩れきったたましい
列を成して
ペン立てに吸い付いてばかり
バジリスク
噛み付く
ブンガク
超高速エステティック
鉛筆削りで爪削れ
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