夜勤明けの昼さがり
日本酒をロックでのんでいて
なぜか赤ワインを混ぜてみようと思いたった

実際にしてみるとそれは奇妙な味で
決してうまいと言えるような代物では無かったけれど
自分の素直な ....
日にち薬はまるで効かない
河原でいくら小石を積んでも
崩れるまでの束の間のプラシーボ
むしろ崩れることこそカタルシス
時は化粧を拭いさり
肉を剥ぎとって
その骨格を顕にする


 ....
最近は とかいっても
それが何週間なのか何年なのかも
判然とはしない今日この頃
近頃はとくに考えがどんどんと
抽象的になりがちなもので
ここはひとつ具体的にものごとを
考えねばと思いたっ ....
あなたは だいたいいつも
ニコニコしている
わたしは おおむねずっと
ムッツリしている
あなたの笑顔は混じり気なし
スカッと日本晴れ
わたしの苦笑はどっち付かず
つゆの晴れ間

 ....
近くのコンビニに行ったら
コピー機の裏に入りこんで
トンボがバタバタしていた


羽と全身をブルブルと震わせて
ガラスに勢いよく体あたりする
そのまま横すべりして
左右の出っぱりが ....
自分へのサディズムから
マゾヒストになった

自信たっぷりが嫌で
卑屈になった

大胆な想像をするから
臆病になって

好きな人には
憎まれ口をきいた


あまりに欲するから ....
たぶんぼくらは
ひとつのベクトルなんだ


サディストであれ
マゾヒストにしろ


ゼロとして生まれて
あまねく世界に分解される


あるいは不分明の万能から
 ....
塒と書いて「ねぐら」とよむ
人には塒が必要だろう
その場所で朝と夜を重ねるうち
いつしかそこが自分にとっての塒になる


住めば都というけれど
いろんなものがなじんで
しっくりとくるに ....
もってまわった言い方というのは
たいていの場合は頭が悪いか
あるいは何かをごまかしているか
さもなければ慇懃無礼かなんだけど


たまに誠実さゆえに
そうならざるを得ないという場合も無き ....
世の中のほとんどの差は
直接か間接かの違いだって
森博嗣が書いていて


集団的なんとかと個別的なんとかも
間接的と直接的とすれば
よほど分かりやすくなるのにと思った


間接 ....
あらゆることが
どうでもイイのだけれど
とりあえずは
ちゃんとしようとおもう

それでヒゲをそったり
ツメをきったり
カミをととのえたりして
きょうもでかけていく
ひとのセワなんかす ....
煩わしい些事にまみれて
退屈と馬鹿らしさのなかで
諦めと悲しみにくれる日々

それでも
煩わしさのなかに
救いがあるように

諦めのなかに
優しさがあるように

些事のなかに
 ....
暗きより 暗きへ移る この身をば
このまま救う 松かげの月



これは松永伍一という詩人の母が残した、辞世の歌らしい。
暗闇の中で人にとっての救いとは何だろう。

明かりが ....
しあわせって
怠惰なものだと思う

ぼくらは勤勉にがんばるだろうけど
それは退屈な平和を
手に入れるためなんだ

そのことを忘れないようにしよう
でないと
本末転倒になってしまう ....
命の消えた君の顔は
見知らぬ人のようで
半分開いている目は
閉ざそうとしても固まって
開いてるのに何も見ていない

君に何かが見えていたとき
最後に見ようとしたもの
それを見ること ....
教訓めいたのは苦手だけれど
たとえ話しが好きで
特に話しが抽象的になってくると
焦れたようにこう言ってしまう
それはたとえばどんなこと?

何かにたとえると
それで分かったような気に ....
気がつけば
いつの間にか足が向いて
またここへ来てしまった
かつて住んでいた団地の
懐かしい階段をゆっくりと上がる
そう11階の踊場
時間というものが無ければ
ここで君に会えるのに

 ....
おぉい
君は何で死んじゃったのさ

ひとことじゃ言えない

そりゃそうだろうけど
そこんところをあえて

ふん
この世のシステムに合わなかったのよ

例えばどんな

そう ....
中央分離帯
空缶の果実畑で
産卵する番いの蝶



シャカシャカと
土かぶせたい一心に
アスファルト掻く犬の後足



超高層インテリジェントビル
スーツ姿行き交うフ ....
感傷を鼻で笑って
逝った君
こんな歌詠む
親父をわらえ



人生をなめてる親父
思い知れ
ざらり血の味
これが現実
争って潜り込もうとしたものか
互いに庇いあった末にか


何気なく陽向に出した水槽に
重なって死ぬ鈴虫の山
君が逝き
残されて在る
確かさは

もう幸せになど
なることのなさ
もういない
時間とともに思い知る
致死量飲みたい日にち薬



君が買い飲み残してるアブサンを
飲みきることのできない未練



暗闇に瞳を凝らせば柔らかな
視線がなぞる日常の ....
君がいた
最後のときを思いやる
牛乳瓶に水仙二輪


シドヴィシャス
君と同じ二十一
水仙の花言葉エゴイズム
らんちゅうは不思議
盆栽の美意識を金魚に当てはめた姿

大きいような小さいような
硬いような柔らかいような
美しいような醜いような

初めてらんちゅうを見たとき
ざわざわ胸騒ぎがした
 ....
どんな悲惨も
無よりはましかなと思って
野良猫たちの生を
肯定してきたのだけれど

汚いったって
臭いったって
生きてるってのは
そんなもんでしょうって

でもソマリアの餓えた ....
しごく現実的な鮮やかさをもった人に憧れる
思考はとても経済的で機知にも富み
セルフイメージにズレや動揺が少ないので
他人への思いやりにさえ満ちている
あの人はとても相対的な思考をする


 ....
シヨウスルとは
二つの矛盾した概念を
矛盾を抱えつつ
さらに高い段階に統一すること
らしい

例えば臆病な人間が時に無謀な行いをするのをキレるという
これは短絡しているので
臆病と ....
わかりあえることが
人生の目的だった頃は
わかりあえることの可能性を探っていた
今はわかりあえることの意味を考えている

わかりあえることって何だろう
それは理解しあえること
尊重し ....
ほんとうは日曜日が好きなのに
いざ日曜日になってしまうと
日曜日なんてあっという間に過ぎてしまうから
日曜ほど悲しい日はないと思う

それでみんなとりあえず土曜日が好きなんだけど
待ち ....
シャドウ ウィックフェロー(49)
タイトル カテゴリ Point 日付
なぐさめの言葉自由詩019/6/6 17:25
あらかじめ失われたもののように自由詩118/1/12 18:15
月とスッポン自由詩017/6/16 1:03
あなた障害者 わたし支援員自由詩116/7/13 15:22
きょうコンビニでトンボを助けた自由詩216/7/12 17:46
アンビバレンスに自由詩116/1/2 1:47
大きさがあり 方向がある自由詩2*15/5/29 1:25
自由詩5*15/1/16 22:44
婉曲に自由詩214/12/13 1:21
間接に自由詩114/12/12 17:55
あたらしいトイレットペーパーをホルダーにセットしたり自由詩2*13/6/27 23:02
貧しいレゾンデートル自由詩212/9/20 18:39
暗闇の中で散文(批評 ...012/8/22 23:46
日常自由詩2+*12/3/11 12:55
自由詩312/2/23 17:24
まして比喩ときた日には自由詩6*12/2/13 15:30
踊場にて自由詩3*11/12/25 17:17
昨夜 娘と対話した自由詩2*11/12/18 21:38
ありふれた風景短歌111/10/20 0:05
短歌011/10/19 1:14
鈴生り短歌311/10/18 19:49
喪失短歌211/10/15 3:09
君に短歌211/10/2 14:22
踊場にて短歌211/10/2 0:06
蘭鋳自由詩311/9/30 1:48
無と奇跡自由詩3*11/8/28 15:28
相対人間自由詩011/8/17 21:45
止揚する自由詩111/6/29 16:04
わかりあう自由詩011/6/29 2:27
日曜日の切なさについて自由詩2*11/6/28 2:02

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