正義は海ではなく
正義は魚ではなく
正義は船ではなく
正義は風のようなものであった

正義は絶命したのではなく
はじめから生きてすらいなかった
風と共になだらかに滑り降りる海鳥の羽を掴ん ....
瓦礫を前にして
あなたの手を掴んだ
握ったのではなく

テレビの中に入って
誰かを救いに来たのだと
そう縋らざるをえなかった

打ち砕かれた砂の城の
背に浮かぶ太陽は
録画ボタンの ....
片脚のない猫を憐れむな
いまに彼の眼は空を捉え
あらゆる発情を置き去りに
屋根伝いの助走から
地平の奥へ消える
翼は
陽光を弾く埃に散り
クレイアニメの世界を
くしゃくしゃにするのだ!
女はへそから指ひとつぶん離れた場所に
桜の花びらをひとつ彫った

フットボール・クラブのエンブレムに添える星みたいに
それは過去の栄光のように思えた

娘、いるの?
これ?違うよ、大した ....
お前の夢は金で買えるのか?



巷の給料日に合わせて、あのアイドルがついに脱ぐ!、とのことで
日ごろサンプルを眺めるに留めていたダウンロードショップでつい手が伸びる。
隣のパッケージは ....
食堂の隣のテーブルで姦しいオペレーターの女が言うことには
UFOキャッチャーのコツというのは
二本のアームを、右腕と左腕ではなく
親指と人差し指だと思うことなのだそうだ

実利主義の僕は賞品 ....
櫓が曇天を衝き
提灯を揺らす矢来を抜けた夏の風

私の売った腎臓が
二度と郷里を求めずに

祭りの後は火薬のにおい
祭りの後は寝台車のにおい

何かになった私は
私になった何かにな ....
「ずっと、スカートなんか履いたことないよ」
男の子だから、ぼくは
薄荷の声を持っていないから
ならば女の子にだってそんな必要は無い
ガーリッシュを追い求めて
要領の悪さだけがさえなく空走る
 ....
殺し屋の看板は下ろしました
ついに一件の依頼も来なかったけど
前科者の看板は外せないしね

ロンドンの中央を走るバスに貼り付く
いくつものガムを剥がして
ぼくは本当に会いたいものにだけ会い ....
底に沈む写真を拾いに
多くのひとが海に潜る


千切れた髪を集めたひとは
烏賊に
折れた指を集めたひとは
海星に
破れた耳を集めたひとは
貝に
余った骨を集めたひとは
蟹に

 ....
明日は雨が降るらしいから
ぼくたちは油膜のなかで会うことになる
日ごろ閑古鳥の鳴く裏町も
雨になると人が増えるから
いつもより約束は固くしておく
約束なんかしなくても
導かれるのが運命なん ....
思い上がれば月初め、
寝かしつけた二人の猫に
子守唄は要らない
朝の詩人と夜の詩人を繋ぐ
一条のペンのかげ
かすりもしない韻律を
丘の風に送って
レトリバーがおもちゃに飽くように
ニュ ....
隠し事はいつも耳の裏にあり、
ことあるごとに私に囁いては、
痒くなるそこに汗は溜まる

神は黙っているのが仕事だ
それは私が沈黙を不得手にしているからこそ
その果てない鈍痛のような粘性に傅 ....
無重力のなかで戦争してたら
私たちはいつまでも平和主義者なのにね
宣教師と風俗嬢のほほえましく赤裸々な話に耳を傾けて
恋人をつくる、という努力に必要な相応のエネルギーを
どう奮い立たせるのか  ....
世界がそんなことでは終わってたまるかと僕は思うのだが
世界が終わるような顔をして学生服の少女は途方に暮れる
生まれてこなければよかったと痩せた影が独り言つ
子宮のない私はただへその辺りが痒くなる ....
こんなことをいうのはしのびないけれど私の頭の中にもう私の墓は建っている
仏具は風化し供物は腐蝕し冬の日の乾いた光の受け皿になり憮然と佇む姿を
想像せずにいられない
かつては海に散骨してもらうこと ....
裏切るよりは裏切られたい、ということになっているので、
証明写真の下でサムズアップしながら地獄に落ちようと思う
とはいえいけ好かない野郎に唾をふっかけるくらいのことは
正確な裁きの元では罪と罰の ....
枯れた陽の射すベンチ、
折れたハンドル、青い柄のミリタリーナイフ
革靴の底には外れ籤がついて
誕生日の烏はポエムの生る樹で鳴いてた
白目を剥いたまま
着せ替え人形は土にまみれ
誰かがそのは ....
JRから東武線への通路は朝から混雑し
僕はひたすらまっすぐ歩く作業着の僕を
高い窓の外から眺めている
通路の真ん中には真っ赤なテープが貼ってあるのに
右にも左にも進行方向を示す矢印がなくて
 ....
レモンの色のオレンジ・パーク
夢中で羽ばたいていた
風の噂にたなびいていた
オレンジ色のレモンのTシャツ

ハグとキスは降り注ぐ
ビルとベルの調べは泳ぐ
少年少女は前髪を気にして
ある ....
雪の降る日のテーブルの上に
スペースシャトルが落ちた
私のいくつかの記憶を載せたものだ
それは言葉を発することはなく
極めて無機物的なたたずまいをして
かたまりのままのマーガリンを積むトース ....
すけべな川魚は岩陰で寄り添い
すべて水泡に帰す愛の歌を歌う
ゆうべ降り続いた嵐で濁る川面
ゆらぐ光は泥にまみれ畳を編む



水のない街で雨を待つアスファルトの灰の色
灰のない街に沈む ....
お姫様の人形を汚すこどもたちの笑顔
まちが健全か否かを計るすべを知るために

/仮にその娘をフランソワとする
フランソワには許婚がいて
実の父と母よりもふさわしい親がきっとどこかにいる/
 ....
毎日せんそうやってたんだよな、と
黙祷のかたわらでぽつりと確かめる
ルービックキューブにたとえるならば
3つの面の色が揃ったあとで
あの黒い雨が降ったということだそうだ
おもちゃに喩えられる ....
内股のピエロが鼓笛隊を従えて軍歌を奏でる九月の終わり
空腹を満たせ とデモをする している
電柱のてっぺんでカラスまでもが歌っている
反対側で 空腹をごまかせ と公務員とレスラーが徒党を組んで立 ....
単身赴任の父ちゃんが、
短期休暇を貰って帰ってきている日、
ぽつり ぽつり と温かい犬が降ってくる
灰色の空から降り落ちる黒い雨とは好対照に、
青い、とにかく青い空から、
主に茶色、のコーギ ....
スチール缶の中で真っ黒に佇むコーヒーを覗くと
ウッドベースの重低音が聞こえてくる
コーヒーにジャズは似つかわしくないが
ときにそれが恋しく響くことがある
口笛につられてシジュウカラが舞い降りる ....
鍋を割る

三和土に打ち付けて
引き戸を閉めて

でたらめに跳ねる鍋
鍋はでたらめに跳ねる
跳ねる鍋はでたらめ


悪いのはぜんぶ俺


何者かの妻の握り締めた鍋は孤独なもの ....
雨と雨の間に岸があり
岸と岸との間には
ひたすらに薄暗い海が続いている

鴎はその青さのあまり光となり
灯台のあたりを
喚きもせず 揺れる

週末の地下鉄に
エンゲージリングを拾う
 ....
書き捨てられた詩の墓に
二人、
言葉にされてしまった実存の愛を
弔いに行く
手を繋ぐ

午前中
フードの影から人を舐めるように見る癖のある僕が
わずかにすれ違う人は
背負っていない  ....
茶殻(34)
タイトル カテゴリ Point 日付
希望の海自由詩1*19/11/7 1:46
人生自由詩3*19/3/4 0:48
あおぞら自由詩2*19/3/3 3:16
さくら自由詩016/2/2 15:09
夜行ヘリ/やけのはら自由詩3*15/10/15 2:37
アミューズメント自由詩1*14/8/1 3:54
まつりのあと自由詩3*13/9/2 16:31
おとこのこ、おんなのこ/あかいいと自由詩3*13/9/2 1:01
スウィート・デビル・テイル/エイリアン自由詩1*13/7/18 3:24
自由詩3*13/5/19 2:02
アポロ/裏町の月自由詩3*13/2/12 22:43
サブジェクト自由詩1*13/1/13 1:43
話されて/流されて自由詩1*12/12/27 15:15
一虚一実/遠心力自由詩012/7/23 3:22
地平自由詩012/7/2 1:25
しそう自由詩012/5/13 1:05
てんらく自由詩1*12/4/14 1:20
哺乳類自由詩1*12/3/22 12:57
祈りの船/サイン・アウト自由詩2*12/2/22 1:35
スポット・ライト (改題)自由詩012/1/20 23:21
スペースシャトル/フォーカス自由詩2*11/12/16 23:03
リバー/アナログ自由詩2*11/12/15 1:58
フランソワ自由詩011/10/7 22:36
八月にうたう自由詩111/9/4 16:40
ピエロ・ing・ファンファーレ自由詩011/7/30 22:41
家探し/宿無し自由詩2*11/5/9 23:28
ブラウン・シュガー・シンドローム自由詩3*11/5/4 23:57
鍋を割る自由詩1*11/4/28 22:45
神はまた遠く自由詩111/4/27 17:40
アフター自由詩011/3/16 16:40

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