4時過ぎの布団の中でlet it be口ずさんだら夜明けが近い
丘陵地帯の
新しい住宅街に
つま先立ち
迷うまひる
人ケない辻に
木陰のみ揺れている
せつな
魚眼ミラーの中で
ユルい坂道を
背泳ぎの君が行く
自己愛に溺れ
生の卵を糧に
真っ白く継ぎ目の無い美しい理性
と
透かして見える血の筋の
隠し切れない本能
というすべて
を知って
私たちは人肌を保つのです
生まれてくる場所は
ヒナ ....
さよならもうここに残されたいかなるものも認識しない
目に見えるのは常に更地だった
至る所に巡らされた有刺鉄線を触るので
手のひらはいつも傷ついていた
傷が膿むなどという事は
考えつきもし ....
壁に向かって
うなだれている後ろ姿の
肩に手をかけると
静かにふりむいて
意味不明の
笑顔
ワンセグで
映画見ててん
イスが
沢山ある部屋にいた
イスの背もたれを
微かに撫で ....
音楽の動機はすべて
レクイエムなので
今夜曇った夜空の下に
キミと同じリズムを感じて
死んでゆく人が
いるのだとしたら
どんな風に
泣いたらいいだろうか
情報をこんなにも
共有してい ....
1 食卓
みんなで食卓を囲む
食卓には
栄養豊富な食事が運ばれ
それを食べて
どうやら私は
育つらしい
けれど食卓には
いつも
一人分の席しか
用意されていない
....
人が蚊のごとく命を落とすので早く季節が変わればいいのに
嵐の日に
卵を
ひとつ
手のひらに包んで
大切な
人たちがいる
場所へ
こんな嵐の日に
止めておけって
すれ違いの人が
わめいている
けれど
私
卵しか
持っていな ....
堅い表情の子供が
傍にいる大人に向かって
この鳩は白いのに黒い墨で描かれていますね
と言う
大理石と御影石と蛇紋岩
由緒正しい学校の
離れに建つ理科室
理科教師は熱心な質 ....
春は逝きじんわり熱いアスファルト飛び散るこころ集め汗かく
時の意味を問う
午前は
萌黄色の航海である
海に
漕ぎだすための一本のオールは
時間の形をしている
私たちは
沈むまいと
午前を漕ぐ
太陽が昇る所を目指す
失われた午前は
....
ビルの谷底では
夜が
空よりも少し
早く訪れるだろう
何冊かの読みかけの本の中から
数ページ角のすり切れた
ものだけを選び出し
それを
開こうかどうかと
迷ううちに
街灯の月が ....
白いものばかり
愛していました
わたし
四角い
消しゴムを
四角く切り分け
わたしは
それが真実の白だと
知っていました
あの人の書いた
ひとつの
美しい文字
....
足先の冷たさ
こごる肌
だから
空間が
分断されるごとに
秋を感じよう
今年は
石油の匂いが嗅ぎたいので
ストーブを
購入しよう
樋にかけていた
紗を仕舞おう
白ッ茶く ....
そばに
楡の木が一本立っている
家
土間があって
黒く艶めく
作り付けの引き戸には
朱塗りの器が
たくさん入っている
座敷は
全てが静寂
隅には
黒く溜まった空気
....
葬儀はしめやかに行われた
なんだかいいのかどうかよく分からなかったけれど
晩に酒を飲んだ
こめかみの辺りで、血液が
じゅんじゅんと流れる音を聞いた
こめかみに手をあてて
....
そういう夜もある
そういう
夜の寒々しさが
怖いよ…
禊のあとのなお熱い身体に
舌に溶ける薄氷の片
そういう夜を幾度となく楽しんでいる
私たちは楽しそうに
舌を出している
冬の中のふゆあかりのひとつ立っている微妙な抵抗のふたつです
縞雪柄の冬の大六活計の角で頭を打ったかわいそうなくわいです
デスケル型の瞳のチリリです
覗き込む一種の炎のぬける曇り空の樹の消し炭色の ....
そうして感受性の違いかしらですべてかたづく自然淘汰
とにかくまるなのだ
そうして
なんだかとぎれとぎれの
まるを描いて
完璧だよ
世界はまだ3ミリメートルくらいで
幾何学的な空に浮いていた
そのアウトラインもまるだった
あな ....
風が吹いている気がする
おとないの人の
逆光線に佇む
寒々しい玄関に
しろい心を覚える
冬雲のその
質量感の無さが妙に泣けるね
煙突から
軽く上ってゆく水蒸気を見ている
お昼に家に帰ると
小さな声で
ただいまを言った
黒いスカートの
ペタペタの
遠くで
おかえりの声する
廊下は冷たく
長く
知らない絵のある
知らない声の
おかえりは
うらの ....
昨日の
銀色の
すすき
のほ
今日の
銀色の
やなぎ
のめ
銀色の
のはら
のうえ
のゆき
銀色の
のばと
のむれ
のみち
....
またまた、しょうこりもなくどうでもいい事をかかせてもらいます。
とにかく本が作りたくって、はみだしコーナーに企画のお知らせなんかを書かして頂いた。いきなりすぎてびっくりされた方もいるかと思われる ....
まわるる
よるわる
干涸びた窓は
口を
ぽかりとあけて
午後は
時間は
吸収されつつあった
膨張している
十
日
間
収縮の二十日間
回転中
カレンダーの日付を ....
うっすらとした
指紋が残る
小さな
背徳ばかりで出来た
フォンダンの中から
青銅のさかなが跳ね上がる
冷気の中で始まってしまった
運動会
知らないプログラムを
延々と放送して
....
アスファルトは
いまもなお
死後硬直
から
逃れられることが出来ず
深々と刻まれて
轍でコッカク
を保った
その下
の
黒い
焦土の
においを
塗りつける
コッカク標本
....
現代詩フォーラムに投稿を始めて、もうすぐ(あと一ヶ月と少し)一年になります。
なんだろうな、実はずっと自分を語る「随筆」とかそういうの苦手でしょうがなかった時期があって、人のを読むのはいいん ....
稲の花
誰にも観られることなく
知られることなく
散ってゆくよ
闇に浮かぶ
百合でさえほらこんなに
観られたがり屋
なのに
散ってゆく
ひとひら
淡雪に似たその
手の ....
1 2
0.08sec.