一日一日
理不尽がが眼前で
激しく交錯しては
頭上から砕け散った
氷の欠片を象って
何も持たない空っぽの手
よけ切れずに
気が付いたら
心の隅まで傷だらけ


飽き飽きしているさ ....
ある朝目覚めると、今まで見た事のない部屋に自分がいることに気が付いた。
部屋は幅10メートル高さ3メートルほどの白色の壁が取り囲む形をしていて、中は僕以外誰もいない、がらんどうだった、
どうしてこ ....
一晩泣き明かした女の瞳のように
周囲を滲ませる茜
いずれ世界を黒い血で染め上げようと
少しずつ茜を吸い込んでいく宵闇に
抗おうとして激しく魂を燃やす


だからおまえの朱色はそんなにも
 ....
誰の気配も感じることのない
うすら寒い巻き上がる砂塵
呼吸さえままならない
静脈の血の色した払暁
幾度も幾度湧き上がる
否応なしに流転する未来


心の隙間をこじ開けて
侵入する凍え ....
無駄に人の肌を赤く塗装しようと
熱い吐息を吹きかける太陽が
まだまだ元気な夏の午後
河原を歩く僕の頭上に
久しぶりに出会った
それはそれは美しい
飾りっ気のない青空が
いつの間にか姿を現 ....
棺に横たわって
昼寝してるみたいな
穏やかな表情のきみに
さよなら
なんて乾いた言葉を
見下ろして呟いた
あれから随分と
季節は追いかけっこを
何度も繰り返して
今ぼくは
棺の中に ....
冬空に輝く
無数の星を掴もうと
手を伸ばす幼児のように
ぼくも
毎日毎日
飽きもせずに
手を伸ばして
手中に収めようと
努力してみる
いつもは
面白みのない
心持ちで
つまらな ....
まだまだ
暑さが足元から
いなくなってくれない
晩夏の午後
彼女を乗せて
近所の海岸へ
浜辺に降りて
無邪気に波飛沫と
戯れる彼女を尻目に
広がる水平線を
瞳の奥に詰め込んでみる
 ....
微妙に寝苦しい夜更け
いつの間にか眠りについて
目を開けると
眼前に地獄への十三階段
両手を顔の高さまで
ゆっくりと持ち上げて
握った拳を開くと
何にも持ってなかった
まさしく徒手空拳 ....
肌寒い路地裏を出て
そろそろ冬支度の公園に
真ん中辺りで見上げてみると
浮かんだ雲は食べかけのクレープだった
心が静かに微笑むのを感じて
もう一度見上げてみると
雲の合間にぽっかりと
瑞 ....
気が付くと
ぼくの鼓動が
人の半分しか
ハーモニーを
奏でることが
出来ないと知った朝
カーテンを開けると
いつもより大きい
青ざめた太陽が
ぼくの瞳に
情け容赦なく
次々と突き ....
もうすぐ
水が冷たくなる
残暑が喧しい
気怠い午後
川の畔に佇み
いつまでも
変わり続けている
柔らかな水面を
見下ろしている
思い立って
浅瀬にしゃがみ
右手を突っ込んで
手 ....
真夏の太陽が
目に厳しい午後
思い立って
アスファルトの上を
走ってみる
全力で
走ってみる
緩やかに
変わっていく景色
穏やかに
蘇っていく記憶
息が切れて
走れなくなった時 ....
総合病院からの帰り道
うねる熱気を
振り払い
見据えると
真っ青な空と
混じり気のない雲
数えきれないほど
見てきた光景は
なぜか
少しだけ
生気に溢れて
眼前に現れた
見つめ ....
灼熱のアスファルトを
ひたすら歩く
やけに整然とした
雑踏を踏みしめ
雑草を魂の抜けた瞳で
見つめるふりをしながら
とにかく歩く
太陽さえ
僕の頭上に煌々と
輝いていれば
行先は見 ....
灼熱の太陽が
口を大きく広げて
地上のすべてを
吸いつくさんとしている
その下で
赤く焼けただれたケロイドみたく
焼け付く臭いを充満させた
溶岩の中ぼくは
どうしようもなく埋もれている ....
乾いて
皮膚が焼けただれた
地面の上
噴出しては
血飛沫に埋もれていく
生命の後先に
ぼくは囲まれて
右にも左にも動けない


見上げても
見下ろしても
ぼくには
心臓を象っ ....
どこまでいっても
暗い星空の下
しゃくれた岩肌の
綺麗事で冷え切った
体温に足を投げ出して
ただ
月がかけていく様を
薄ぼんやりとした瞳で
飽きもせずに
見つめている


これ ....
太陽とともに昇る地球の顔色を
全身に浴びながら
今日も
ぼくの見えるところ
いっぱいに埋め尽くされた
ぎゅうぎゅう詰めの風船が
時を置かずして
割れ続けているのを
目の端に留め置いてい ....
憶えた日々があって
それが集積場の
ビニール袋に詰められた
ゴミの山を真似て
連なりあって
積み重なっていって
もう僕の
心のどこにも
楽しい思い出を
置いておくスペースが
見つか ....
舞い上がる熱砂が
太陽と熱風に
追い立てられて
僕の肌に纏わりついては
心の奥底に
欠片になって埋もれていた
ぼくの情熱を
ゆっくりと
それでいて確実に
絡めとっていく
ちっぽけで ....
夜中何度も目が覚めて
なんだかすっきりしないまま
布団から起き出して
水道の蛇口をひねり
乾いた体にひとときの喜びを


元あった場所に戻そうとして
手をすべらせた
哀れコップはした ....
色のない空気が
皮膚に纏わりつく時の流れ


すっかり固まって
ただ立っている
ただのぼく


四方八方
積み上がるノイズ
耳を覆うほど
騒がしくて
本当に聞きたい音が
ど ....
時はみんな平等に
手元から失っていくのよ
はにかんだお前の手を
そっと握りしめて
別れたあの日から
おれは
うまく笑えないまま
歳だけを重ねっちまったよ


人間は誰だって
いず ....
アスファルトの
肌が焼ける臭いに
辟易しながらも
太陽を背負ったままの
僕にとって
影の温もりを
抱きしめることが
本当に罪深いことなんだと
鼻先に突き付けられた
絶縁状の文字の
 ....
久しぶりに晴れた
雲がいじわるじゃない日
久しぶりでごめんと
きみの前に現れた日
頭をかきながら
鼻の下を指でこすって
仕方がないな
なんて笑顔で語りかける
きみを見たのも
久しぶり ....
私に背中を見せたまま
茫然と立ち尽くしている人を
振り向かせたいから
静寂の悲しみを震わせるために
遠くまで聞こえるように
私は心を刻むのです


私の影に隠れてしまって
ひざを抱え ....
暗闇の吐き出した
冷たい鼓動を感じながら
傷だらけのテーブルを前に
一人
手酌で赤ワインを
どれくらい口にしたのか
床に転がる
空き瓶を数えてみても
はっきりとはわからない
飲んだか ....
夏の暑い午後
ぼくを見下ろす太陽


日傘もささずに
火傷したアスファルト


行き先の縄張りを
我が物顔で主張する陽炎


流れ落ちる汗がぼくのこころから想いのかけらを
奪 ....
気まぐれを起こして
本棚を眺めていた
とある晴れの日
辞書のそばに
転がっている言葉
揺り起こしてみると
眠りから覚めた言葉は
おれに向かって
悲しそうにつぶやく


自分は
 ....
寒雪(466)
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さよなら自由詩017/11/4 22:06
徒労自由詩217/10/29 21:49
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自由詩017/9/10 15:30
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