久々に故郷に帰った
育った町は少しだけ表情を変えていて
寂れるどころか
新しい店も増えていた

実家の母は
やっぱり少しイカれていて
うまく説明できないけれど
やっぱり不快だった

 ....
岬には灯台があった
高さはそれほどないが、白く野太く、確かな存在感で岬にあった

灯台には灯台守がいた
彼は正しくは灯台守ではない
しかし、灯台に住み着き、彼は彼の守りたいものを守っていた
 ....
部屋を飛び出して泣きたくなった群青の日
煙草の煙が目に沁みた
か細くよじれた心
いつかこれも、遠い昔の出来事になる、とそのときは思っていて
忘れたいことだらけだから、忘れちゃいけない日々
た ....
明後日にはたくさんの絶望とたくさんの奇跡がある
明日に何が起こるか分からないんだよ、当たり前さ
そのさらに明日なんだから
明後日をどうにかできるなんて
とてもおこがましいよ、君

泣きたい ....
うつむいた顔を上げて
彼は笑った
笑ったんだ
その壁を見て

倒れ込みたいくらい
悲しくなくても
泣きたいくらい
疲れて、疲れ果てて
何か叫んで
逃げ出したいくらい
ボロボロの心 ....
さすがにもう分かってると思うけど
君の隣で寝て、起きたら君にキスができて
それだけで泣きそうなくらい幸せなんだ

前を行く軽トラックの荷台の上
繋がれたゴールデンレトリーバーが
思慮深い瞳 ....
零れそうな雫に
思わず伸ばした手を引けず
しとり、と潤った手の平が
少しくすぐったい

いずれ
ひたひたと満ちる朝に
夢の始まりと終わりが
分からなくなる
君の夢の終わりが
僕の夢 ....
雨が降って、山に降り注ぎ、
川になって、栄養を海に届ける
のを、道路やら護岸が邪魔をしている
海では海藻が減って、磯焼けが増えて、
生き物が知らない間に減っている

漁師さんは知ってるのか ....
桜前線が通り過ぎた
老木の桜並木は
今年まだうまく咲けない
どうしても桜が見たいと
君は優しいから言わない
僕らが遠出をするには
ガソリンが少し足りない

うまく咲けない老木の下で
 ....
赤いメトロノームが死んで
青い空に溶けた
灯がともり
薄明かりの朝は目覚めた

地中深くからの冷えた手
固い岩盤の協奏曲
大地は緑に染まり
花は変わらずにまた咲いた


寒さに凍 ....
大丈夫だよって言った
飛び地を漂う気球の上で
ずっと考えていたこと
千切れ雲に重ねて
宇宙の浜辺に寄せて返す波

航路を遮る物もなくて
気体の存在だけを頼りに進む
死体とか根っことか笑 ....
美しい模様が核を遠ざけて貪る無駄、憐憫を描く隙間に安らかな寝息が空を裂く、不明確な時間間隔の夢が笑うビルの中で、手のひらがあった、温かい
1000人が死んでもニュースにならない国があって、あなたはそ ....
こんばんは。お久しぶりです。相田九龍です。
近況報告など併せてここに書いておこうと思います。

齢25歳。2年前、「2年前と比べたら俺は成長した!」と言っていました。そして今同じよう ....
一番遠くに見える山に架かってる吊り橋の揺れる音
手のひらからひたひた零れ落ちる水
あたたかい心

背中の電気信号が乱れて
冷たい血が巡る
指先で描く文字
僕の可哀想な恋人


一番 ....
ほぼ日刊イトイ新聞-ダーリンコラム <視点を変えてみました。>

http://www.1101.com/darling_column/2011-03-16.html


 テレビや何 ....
“被災外”支援者マニュアル(石武丈嗣作製。)完成版。
http://ameblo.jp/seicousya/entry-10828739749.html

 twitterなどで情報が溢れていま ....
【無為自然】

 最近、写真を撮ったり絵を描いたりする。日頃からよく風景を眺め、虫や鳥や野生動物や雨や雲を注意深く観察したりして、クソ田舎で無為自然な生活を送っている。
 そういう無為自然の視点 ....
■みんなおばけ/小川葉さん■
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=162619

この作品には作者の茶目っけが存分に含まれている。そこに浸ってみると何 ....
 いよいよ、日付が変われば第5回批評祭が開催されます。
 今回はあまり宣伝出来てないので、去年のことを知らない人にとっては「何が始まるんだ?」と頭の中が?でいっぱいになってるんじゃないかと心配になっ ....
トントントントン
包丁の音がする
君は手際よくテーブルの上に出来あがった料理を並べていく


 いめぇじの世界で
 ダンスを踊る人たちが
 手を繋いでは千切れて


あら、忘 ....
絵描きの家には絵筆が数えきれないほどあった
太さが様々な絵筆が ところ狭しと並んでいた
絵描きは嘘をついていた
彼は絵描きではなかった


どこかに球体があった
それはそれは丸かった
 ....
随分とのんびりした赤ちゃんが生まれた
優しい木漏れ日の中で たったひとりだった
声が誰の耳にも届かないのを知ったら
泣くのをやめて誰にも知られずに眠った


首のない人形は歩いた
喫茶店 ....
みなさま、こんにちは。相田九龍と申します。

私は【批評祭】というお祭りを過去に3度、現代詩フォーラムで主催させていただきました。
このお祭りではその名の通り、沢山の批評を読むことが出来ます。
 ....
夕陽が太陽が光、砂州の町が陰影の夕景、細い路地、チャイムが響く町


誰もいない路地が、僕には必要だった、用水路が、海に続いて、コンクリート、チャプ、チャプ、音を立てる波、変哲のない石ころが、変 ....
明日になったら帰ろうね、と僕らは約束した
積み上がったティッシュを見て、汚いなと思った
夕暮れが何度も部屋を照らした
その間、一度も夕陽を見なかった
そんな夜を何度も過ごした

かじりっぱ ....
それは優しく
ゆっくりと開く花だった
何度も地面を打つ雨に
流された花びらの
消えて

僕は
それを全部覚えてる


袖口から
千切れた会話の続き
明日が
 ....
僕の体重で沈むクッション
赤い残像が
まだ眼の隅にチラついている
暗転した部屋

何が起きたのか分からない
あれからときおり
たくさんの音が囁くのをやめたり
残像が色を取り戻したり亡く ....
 みなさん祭の後は如何お過ごしでしょうか。こんばんは。批評祭主催者の相田九龍です。

 大変時間が空いてしまいましたが、新人賞の発表をしたいと思います。
 いやーかなり迷いました。自分で選考す ....
{引用=あなたが本当に良い詩を書きたいと思うならば、それは、どれだけ苦労してでもやってみる価値があるはずだ。}








 みなさん批評祭お疲れ様でした!!
 宣言しておりま ....
花瓶を洗面所まで持っていく。
中の水を排水口にゆっくりと垂らす。幾分大きな花瓶のためどうして水を汲もうかと逡巡したのち病院の外の水道を探しに行く。消毒の効いた洗面台が花びらの一枚一枚を枯らすかもしれ ....
相田 九龍(57)
タイトル カテゴリ Point 日付
文書グループ
第5回批評祭参加作品文書グループ11/3/9
第4回批評祭参加作品文書グループ10/1/19
第3回批評祭参加作品文書グループ09/10/25
第2回批評祭参加作品文書グループ09/10/25
投稿作品
故郷自由詩220/11/16 1:19
灯台守の話自由詩219/5/11 16:42
大きな川を渡る自由詩119/4/21 19:13
一昨日の明後日だから今日、自由詩018/7/6 0:07
尽きぬ火自由詩418/4/23 19:26
花と長い雨自由詩017/10/20 21:38
季節の証自由詩517/4/30 18:21
欠けた空、忘れた海自由詩117/4/18 21:49
桜前線が通り過ぎて自由詩417/3/30 17:13
赤いメトロノームが死んで自由詩512/2/14 23:32
即興詩 2.12自由詩212/2/12 13:23
即興詩 2.11自由詩312/2/11 22:56
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必要自由詩8*11/2/14 21:29
「批評祭。」「批評祭?」「批評祭!!」散文(批評 ...2*11/2/14 17:11
砂州の町自由詩210/12/8 10:34
約束自由詩210/11/9 22:36
エレジー自由詩610/8/19 20:40
言葉は嘘をつく自由詩310/6/25 20:10
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受賞者発表(1)散文(批評 ...6+*10/1/19 23:14
抱える自由詩6*10/1/17 1:23

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