静寂、


モノトーンの楽譜





眠るように
温度を下げた世界に



天使を放ち




硝子のランプに
時を灯そう




暖か ....
世界の密度を




花の器に

綴じて






うすく
色を忘れていく






真上の太陽は



放射状に延びて




時間を留めながら




僕を導く
しろく




影を反射させながら


日射しを融かした水を馴染ませ



一足飛びの夏が




17歳の僕の

すぐ



そばにあった
様々に


想い


小瓶に溶かした毎日を



忘れない





僕達の留まる時間は瞬きの速さのうち




着飾った混乱の中に一筆を記して






また



あしたの色を探して
 ....
雨の跡


熱射を過ぎて不確かに薫る夏の断片



色さえ濡れた世界は
モノクロームに限りなく近く




静かに路上を伝う
静止する



輪郭の外




うつつの内に真夜中を覗いている



誰かの為のひと篇は
窓越しに確かに在って




漠然とした不安定さと

鮮やかなさを備えた
懐かしき現在を





 ....
油絵によく似た
ひと夏の考査は




あまりにも
静かに


灰の上の香を風に纏う




太陽に染めて
花は色を写し





やがて







夜を継ぐ座標へと到達する






 ....
よる






太陽に盗まれた汗を着替えて

覗きこむ退廃と小瓶の香料





せっけんのひと筋が風に運ばれ

千年をただよい






あくび






指先の間隔が

昨日をたど ....
それは
世界の中、



反映される事象の数程
鉱石を無数に集め



運命をかたち創る






忘れてしまっていた想いの数程

今、


緩やかにも
穏やかにも



時間を流し


 ....
夏の


まだ、明確さを持たぬ澱みの真昼



影さえも
薄く



口紅を透かした
眠りの端



私は
暑さの中に境界を忘れて







あなたに


抱かれるのだ






 ....
いくつもの時間と
太陽を横切り


窓辺の中で
影だけが遊ぶ





その足音は
騒がしくも心地よさのうちに

正午を過ぎて
風を忘れた頃、


幾重もの雲を
たち上げ

躊躇わず
夕立ち ....
夕暮れは音階を待ち
染められるべき旋律は藍にて



焔は色をひそめ

少しばかり
せつなく風が抜けて




境界を曖昧なままに




ひと息の独唱は
明日へと続いている








 ....
優美な残酷さと


いち秒を刻む粒子を注いで



それは過去でなく、


飽和された熱核を
幾夜にも渡り積み上げた


反映と対象するホログラム




世界は
あなたの為に夢を観て



 ....
煩わしい程に儚すぎて


熱を帯びた
ひと夏の境界を越える




ひと握りの世界と
断片と化した意識の中の


朦朧とする扇風機の陰で
雷雲が産まれた







日の暮れた、少し後
光 ....
眩むように
ひそやかで


賑わうように
うら寂しく



微かに浮き立つ
輪郭を描写するような



凝縮された時間の果ての
雪洞にも似た夜の入口に導かれ


僕は



記憶の中、
遠くか ....
そらのかわに
さかなが泳いで


さくら色のねこが


まえあしを伸ばす





ゆるゆると
はるは


僕の街にもやって来て




雲間のあおに流れていた
ささやかな嘘。
私は考える。嘘がウソであり続ける為に髪を伸ばし
私を縛り、私は私を騙し続ける。



象牙の塔は築かれる


築くべくして
築かれるので

そこに現実は無いんだ

 ....
選挙カーはすれ違う僕を威嚇するかのように

年増うぐいすの声をぶつけてきたので

思わず

避けてしまった




遠ざかるにつれて
ドップラー効果の適用で
声が低く転調されていった


 「 ....
厚く



熱の積層する
太陽の谷間で


流水を浴びたいと


切望の淵



地虫は揚力を手に入れて

夏の途中、



蒸す草いきれは陰を追い



木々の葉をひるがえす

風もなく

 ....
真夜中にとめどもなく
浮かんでいる



多層の意識の吐露



舞台は悲劇と喜劇を目まぐるしく映して



時計の針だけを朝に近づける



虚ろな時間さえ
真実を想って



眠りに誘われ ....
例えればあなたは
この砂漠に育った


風の紋様のように
年輪を刻んだ



太陽の灼くように
苦痛と恵みとがあって


月の照らすように
癒しと哀し ....
月のひかりに近い
比重の


愁いが
瞳から溢れたとき


あなたはすでに
詩人であった





淡い湖に半身を浸して
何かを探し求め



深層に沈む
リングに手をのばす






ひと ....
雨日の闇は

底の見えぬ程に、深く



傘を打つ雫は
ひどく乾いた音をたてて


心まで

濡らそうとしてる



それは

儚いものを称え
明滅の郭を喩え
移ろう時を湛えて



恋しい者 ....
世界は円で完結する




民族も
思想も
姿かたちも




些細な異差の
凝縮された拡大




あなたのどこかが
もしも欠けてしまったとしたら


誰かと
手をつなぐとよいのです



 ....
イメージで泳ぐ僕の夢と
かつての神々の残像



ファッショナブルの開放

ラッシュアワーの独唱




イヴの訳解とアダムの髪

トラディショナルの革新





おもいは ....
世界には



寂しい男の数だけ
寂しい女がいて




哀しみを抱く人の数だけ
それを解する人がいる



誰も信じられぬ
人の数だけ
信ずるに値する人がいて


探している人の数だけ
幸福 ....
雨音の創意は多分、
創痍に似た額装


明日以前を水平移動する
僕の為に



背中から
刺してくれ






部屋に
飴色を敷きつめ


古いレコードに
針をおとして
砂浜に続く小さな花に
潮風が囁けば


あの日の
僕らのはしゃぐ声が

遠く、

残響していて




ふいに、

よせる波が
すべてを打ち消した

 ....
ふわり

ゆらり


傷ついた羽で



ふうわり

ゆうらり



悲しみに暮れる
手のひらで



ひととき、休んで





そして、
 ....
風をひとにぎり
テーブルに集めて

太陽のひとかけらを
ポットにそそぐような


やわらかな
白い花を添えて


そうして
優しく
わらうのです


しあわせは
こんな場所にあると


私は思 ....
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