どこまでも真っ直ぐな鏡の海の上
白い太陽がじりじりと照りつける
あなたは泣いているのか
何も映さぬはずの瞳に白い太陽を宿し
ここにゆらゆらと漂うのは私とあなただけ

臍帯のような舫綱にお互 ....
あなたには支柱がないのです
あなたには支柱がなかった
腕時計を忘れてきて気付かなかったけれど
僕はもうこんな時間まであなたを抱きしめていた
あなたには支柱がなかった
だからいつまでも抱きしめ ....
夜から人の死ぬ匂いがする
空から紫色の灰が降ってくるせいだ
生ぬるい春の風に乗ってきらきらと
降り注ぐ紫色の灰が目に入るせいだ

紫色に染まった夜の街を
獣のように瞳を光らせて
君はナイ ....
廃墟の街に静かに降り積もる
白を見ていた
痛いほど乾いた空に輝く
白を見ていた
歩く度に重く足を取られる
白を見ていた
風が吹く度に頬を叩きつける
白を見ていた

君の睫毛に降りかか ....
春から羽化したばかりの夏が濡れた羽を引きずりながら
お前の耳にそっと秘密を囁く
笑うことも泣くことも出来ないままに
お前の身体はその秘密に切り裂かれる

夏が乾きたての羽を羽ばたかせて
見 ....
睡眠と覚醒の間から浮かび上がる君
有機と無機の間から舞い降りる君
敬虔を打ち砕く絶対の真理であり
信仰を嘲笑う冷血の回答であり
一点の混じりけもなく輝ける君
すべての人間の恐怖と嘆きの権化
 ....
帰るところがないので
人を殺してきた君と二人で
月のない夜に 逃げた

君の瞳の中を悲しげに
放し飼いにされた電子ペットが歩く
気が狂いそうなほど優しい君が
気が狂いそうなほど哀れに見え ....
(7)
タイトル カテゴリ Point 日付
海と太陽自由詩009/4/24 1:18
あなたには自由詩109/4/4 21:32
夜の街自由詩4*09/4/1 20:26
自由詩209/3/22 15:07
夏の匂い自由詩109/3/16 0:50
君への賛歌自由詩009/3/5 22:15
月の輪郭自由詩109/3/3 18:10

Home
0.03sec.