関西風のだしがおいしかったうどんの店は
コロナが始まってすぐのころ店を閉じた
よくお世話になってたのになあ
売り上げが落ちてかどうかは知らないよ
四月にはなくなってたから
それで、ちょっとし ....
真新しいマンションが増えてきたこのまちで
わずかに残った古いモノ
ああ、あのぼろっちい空き家ね
頑固に過去にしがみつく
なんとも無様な姿を地域住民にさらしながら
はや数十年が経過した
 ....
3月のロイホで
あなたを心配しながら待っている

30年前から、横断歩道を渡り
チェックのダッフルコートで
歩いてくるクラスメイトは
ああ、息子さん?なの?本当に
大学生いやもう社会 ....
商店で見た山崎パンの
バターケーキが豪華に見えた
電話ボックスに置かれた缶コーラに
毒が入っていたニュースが怖かった
ユリゲラーがスプーンを曲げたかと思うと
あのカルト教団の教組が宙に浮いて ....
金がないこと わたしたちは
温かい言葉をよく知っている

居場所、安全、安心、つながり、絆
それらを持って
とにかく全速力で走る
走っているつもり、かもしれないが
カラカラ、カラカラ
ハムスターのご ....
窓の外は夏

見つからないのだそうだ
あの日、Aの身体を貫いた
一発の銃弾が、どうしても

Aの体の中にもなかったのそうだ

本当に、隅々まで、探したの?
Aの体の中に入って
奥の ....
これは
民主主義への挑戦である
違う
これは
私怨である

Aガー、Aガー
といっていたのは
Yではなかった

Aは撃たれた
Yによって

Yは、Aを
評価もしていたし
 ....
ショピングセンターにいた
福島から来た君は
18時24分の特急で帰るよと
バスの出発時間を心配していた

花屋の紫陽花の
青を束にして、素敵な憂鬱を飾りたい
ゲーム機が置いてあるのは3階 ....
パンが値上がり
洗剤が値上がり
化粧品が
ゲームが
コーヒーが
マクドナルドが
値上がりしていく
すれ違いざまのカウンターパンチ
足元を救われるイジメられっ子
そんな気分だ


 ....
それだけで世界はこんなにも美しい
悲しいほどに
つきあいたい

その気持ちをなんとかこんとか
書類の間に挟みかくして

何食わぬ顔で、仕事を続けた

まずい
このタイミング
この相手で
そういうのはまずい

吸い込まれそうな ....
神楽坂から平井まで
定期を買って通勤してた

神楽坂下、艶やかな夜
お先に失礼して
飯田橋から黄色い電車で
平井まで、カタンコトン

恋人と暮らす川の町で
アサガオの紫を見ました
 ....
かなしいから
  やさしくしかなれない

かなしいから
 おこることしかできない

かなしいから
 ふてくされる

かなしいから
 いじわるになる

かなしいから
 もってい ....
12月までに稼いだカネを数えた
ばかみたいだ

いくらにもならないことに
時間も、気持ちも、すり減らして
頭を下げたり
間違えたり
悔やんだり
喪ったり

懐かしかったり
恋しか ....
古い友人が、夢にあらわれた
小学校5年生のときに同じクラスだった
中学、高校、一度切れた縁が
再び戻って、だけど
ひょんなことからまた、途切れて
そんな友人だった

夢のなかで彼女は
 ....
いやいや、もう
くたびれたね
気がつけば、まあまあな年
そうなんだよね

ここで煙草吸ったよね
あのサイゼリア、なくなっちゃったね
お気に入りの窓際の席
強気な友達とも集まったし
あ ....
めんどくさいです

朝、起きるのが
起きてカオ洗うのが

きょうも夏が
がっつりやっちゃってる
セミがジャカスカ
やらかしてる

だからいいよ もう

仕事とか、勉強とか、宿題 ....
外気温が37度としゃくにさわるほど暑い
8月となったなら下手な言いわけもできない
昼メシは、冷やし中華かチャーハンか
すると横から
アロハの男、ああ

ふらりと無責任にあらわれて
どこへ ....
19も年下のあの人に
恋をしました

バカな女にはなりたくない
私だけはならないって
そう、思っていたのに

普通では、いられないのです
見ているだけで、緊張して
いつもの私ではなく ....
あなたをずっと見ていられるように
あなたと笑顔で話せるように
言の葉を、七夕の夜の屋台に流す

あらわれては薄くなり、消えていく
色とりどりの、下着たち
上になり、下になり
絡まってはほ ....
久しぶりに、酔っ払ったあの夜

「あのねえ、私、好きな人がいるのー」

いるのー、と延ばした音の先まで

彼女は駆けて、そして駆けるのをやめて

だって酔いが回っちゃうからね

ま ....
もしも、あと1回だけ
誰かと「つきあう」ってチャンスをくれるなら
それはそうそう、ないとはわかっているけれど
もしも、万が一、ならば

6月の、雨降る夜更けのファミレスで
ガラスを叩く水滴 ....
小学校からおとなになるまで、住んでいたのは
なにもかもが真新しい郊外の住宅地だった
白い壁、真っ直ぐな道路、ピカピカのスーパー
それ以外に何もない
それが当たり前だったから
都心から1時間半 ....
今朝、新聞で見た6文字
「帰還困難区域」

関係ない人だというのに
ふと、ふうっと、ため息が伝いました

だれかの家に残された
食器や、棚や、ドアの傷
スーパーのビニール袋や、プラスチ ....
困るんです

私の夢に現れては
困るんです
迷惑です

ええ、そりゃあ昔は、好きでした
あなたのことが、好きで、好きで
たまらなかった
そういう時期もあったとさ

お願いですから ....
むかし
死んだ人たちのことを思う

うっすらとした
哀しみのにおい

病院の夕暮れ
ピンクのカーテンが
淡くて、淡くて

おかえり
行ってらっしゃい
気をつけるんだよ
絵の具 ....
誰も皆、黙っている
黙って、ニタついているか
黙って、怒っているかのどちらかだ

思考は停止
並ぶ、並べる、揃える、エンター、エンター
競争相手はAIだ、そら、仕事が奪われるぞ

ほら ....
もうすぐ春が
来るの、来るのよ
春爛漫

そう今年の冬も
生き延びて、生き延びた
地を這う草のように
ねめつけられても
まだ死なない
虫のように
時給1,200円で
夢があるね( ....
雪がふったから
好きな人に
電話かけたくなっちゃった

23年前
あの子はそう言っていた

混み合う駅の電話ボックスに並び
かじかんだ手で刻んだのは
公衆電話のプッシュボタン
1回 ....
うめバア(154)
タイトル カテゴリ Point 日付
繁忙期の放心と、周縁の人々、一部に含まれること自由詩424/1/28 15:51
よしやの秘密自由詩623/5/10 7:35
エンドロール自由詩223/3/27 0:47
居酒屋あらわる自由詩1322/8/20 0:13
絶望とは自由詩022/8/6 23:44
支援者自由詩122/8/1 15:17
猛暑 UからYへ自由詩122/7/31 14:42
引き裂かれる UからYへ自由詩022/7/30 8:06
雨、ショッピングセンター、そして自由詩222/6/3 22:56
昼下がりの国会中継自由詩122/5/31 22:01
誰かのことを只想い続けているあなたのことを、只想い続けている自由詩2*22/5/14 17:43
こんなこともある自由詩1*22/5/13 14:11
神楽坂から平井まで自由詩621/5/23 3:23
かなしいんだ自由詩820/11/3 14:08
忘年会の鍋に捧ぐ詩自由詩419/12/20 0:49
古いKinKi Kidsの表紙の雑誌自由詩519/10/30 8:13
お盆、アミーゴス自由詩2*19/8/27 22:59
あつはなつい自由詩319/8/9 10:55
アロハの男自由詩219/8/1 0:49
厚ぼったい秘密自由詩219/7/5 18:51
焦がれる自由詩1*19/7/4 18:42
もえかす自由詩219/6/22 7:32
万が一の話自由詩219/6/8 0:20
ニュータウンと都心の間自由詩419/3/22 12:29
6文字の冬自由詩619/1/19 16:33
困ります自由詩518/3/9 9:30
ちらりちらり自由詩5*18/3/9 9:18
とりわけ小さな出来事ですが自由詩418/3/7 23:47
感性・わーきんぐ・ぷあ〜アタシ明日も、働きます自由詩418/2/22 1:54
雪の日、君に電話をしたくなった自由詩318/1/26 2:00

Home 次へ
1 2 3 4 5 6 
0.06sec.