寒風に手指をかばう
待つとも待たないともいえぬ朝まだき
冷え切った空気が
空高くから透明に降りて
ちいさな公園の
遊具に残る最後のぬくもりを絶やす
ほぅ、と湿った息を吐く

 ....
すこしの未来から
この腕の中へ
孕みきれずに通り抜ける風
逡巡の末に口をついた言葉は
よるべなく
冷えた石畳へ滲み込んでいく
たった十五センチの命


声が 風にのるのは
 ....
空がパッと閃いて
少しあとで雷が鳴った
昨日も今日もたおれそうに暑くて
夕立でもあれば少しは何かを思い出すかしら、と思った
この邪魔なおくれ毛は刈りあげるべきじゃないかしら、と思っ ....
低い空に積乱雲が育ちはじめる朝
目が覚めたら痕跡はなくなっていた


夢じゃない証拠をさがして
扉をあけて外へ出たり
勝手口へまわったり
冷蔵庫をあけてみたり
蛇口をひねったり ....
灯りのともったキッチンから
作りたてのグラタンの匂いがした
お取り込み中の真剣な顔がおかしくて
ただいまは、たぶん言わなかった


暑いときには熱いものがいいんです
そんな説 ....
わたしの金魚鉢には
ガラスのおはじきが入っているだけ
靴箱の上でうっすらとほこりを被る


きれいに洗ってよく拭いて
チリンチリンと入れなおし
明かりを消した窓辺に置いた

 ....
久遠薫子(6)
タイトル カテゴリ Point 日付
東京自由詩27*07/12/6 6:47
紫雲自由詩5*07/11/18 15:51
閃光自由詩10*07/9/7 6:57
昨日の痕自由詩7*07/9/4 8:50
今宵ぼくらは自由詩6*07/9/2 22:58
金魚鉢自由詩6*07/9/2 21:08

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