暗い通路 藍の窓 部屋の番号は変わらない
何度も何度も 同じ電気メーターの横を通り過ぎた その回数分 すれ違った街
見慣れた漢字を掲げる看板はわずか 送りがなや繁体字は ながくて こみいっていた
 ....
らいたーってしってるかい
かちっとおしたら
ひがつくやつさ
いうなれば
こうきゅうな
まっちさ
さくぶんとか
ごーすとのほうの
らいたーだとおもったかい
じつは
そっちのはなしでさ ....
窓ガラス越しの往来
傘を広げる人々を
しずかな気持ちで
眺めていられたのは
受け止めるということに
あらためてなにをすることも
いらなかったからかも

わたしのみつけた小指の先の大きさ ....
街中に溢れている
気だるさや
やるせなさや
無関心や
私には名付けられない誰かの表情
変わらないようにみえても
変わりつつあるのだ
忘れかけていた
足りないもの
オールドノーマルな
 ....
名前だけは知っていた
絵本でも見たことがあった
くるくる回っているディスクのようだって
カラスに剥がされた青いネットの上でキラキラしているようだったって

映像や音楽が今はもう読み込めなくな ....
海原、だとか
だれかの潮の、へその匂いを
膿んだ六月の、折れた傘を
膜のついたまま
肋骨にはしないで
竜骨にした

進んでいる、のか
走っている、風
青信号の点滅が
敷き詰められた ....
純粋にコマーシャルの陽気な音楽に踊らされたという理由で
白老の海が消波ブロックに砕けている傍を車で
クーラーに何かを充填しなければならなくて
充填しなければ冷房が効かない夏の日
波の音と
風 ....
くにやぶれて山河
みわたせばひとが
出国のゲートを過ぎて
感じる庇護のかけら
菊の花が咲く頃まで
には、きっと帰りましょうね

私たちにこんな日が
くるなんて山の日が
くにやぶれても ....
細く立ち上がる
灰に埋もれて
私は燃えていた

立脚という言葉が
これほど似合う場所があるだろうか
先人の燃え尽きた場所に、
亡骸に支えられて立っていた

例えば砂浜に埋めた足のよう ....
水平線が見えて
(水平線が遠くに)
砂浜がある
(足元に砂浜が)
見上げると
(あわてて束ねたような空が)
振り向くと
(後頭部の景色が見える)

ヘッドホンから聞こえる波のような音 ....
もうすぐ、飛び立てる

そのとき、捕まってしまう

体温が
髪の毛の隙間に宿していた
検討中の断片は段落を作らないまま
刈り取られて
シュプレヒコールの羽毛になる

古本のようなデ ....
国分寺の一角に
蛍が見れるかもしれない小川があるらしいのです
都会の片田舎にそんな場所があるのです
蛍にとっては幸せでしょうか

梅雨が訪れようとして
静かな祭り囃子が聞こえてきます
消 ....
しまった
こまったなあ
おれゆうれいなんだけど
このからだ
どうしようかなあ
正直重くてじゃまなんだよな

なんだろ
成仏とかじゃないんだよな
タダだからってもらってきたけど
いら ....


ただドローンが飛んだだけ
Bボタンで追尾して
Aボタンで発射する
無人が狙うゆうじん
救命ロボットが僕たちを守ってくれるなら
戦争が勃発するのかもしれない
そんな予感をさせるテレ ....
満月の夜に抑えきれない
ハムストリングから踝に伸びる衝動
戻りたい、小村に
途方もなく敷き詰められたアスファルトを蹴って
(それでも行き先がわかるのは、
 道が、
 国道が、
 県道が
 ....
寛解、というのだろうか
表面が四方に向かってひかっているさまを見ろよ
アスファルトの単位、瀝青のかどを水滴が打って
二次元の広がりを持つ表面を
雑音には継ぎ目がない
日常に継ぎ目がないほどに ....
「生きている」
 この世界に

「生きていた」
 あの世界に

ああ
なつかしいな
西暦があった世界の2000年頃に
わたしのバリエーションが詩を書いていた
おそらくそんな世界があ ....
 2月末、祖母の納骨式。仙台市青葉区中山に向かうバスが電子音声でぎこちなく次の停留所をアナウンスする。続けて紹介されるクリニックか何かの広告は人の声の録音だった。割安で電子音声の広告枠を用意したら需要 .... 天井は青空かもしれない
僕はそれでもいいかと思う
天井はブルーシートかもしれない
僕はそれでもいいなと思う
天井は無垢の木かもしれない
僕はそれならいいねと思う

天井は無くて、トタンの ....
色あせた空やアスファルトを塗りに行くだけならやめておいたほうがいい
外は灰色
長い冬のあとも忘れぬ雨の匂い
街は濡れその色を自ずと濃くする
足音は秒針よりも少しだけ速い
白昼夢は一番星のよう ....
ふりかえる
と誰かが押下した起爆装置だった
粉塵をかいくぐってくる
音速以上のものたち
重力を必要としなくなった動作は
マリオネットのように崩れる

排熱しようとする換気装置の
こころ ....
青看の行列が覆い尽くしていくのが空だぜ
それがほこりまみれの吹雪じゃ飛ぶはずがないよな
上司同僚と催事めいた挨拶を交わして事務所を出たら
俺は空港における状況の逐一を嫁だけにメールすればいいのだ ....
手を貸そうか、なんて
わたしが必要としていないのを知っていて言うんだ
1530円をレジで払おうとして
財布にない10円玉を探すふりをして
冷凍庫で乾いてしまったような伝言を
今更思い出した風 ....
まだ芽吹いてもいない木々ばかりが立ち並んだ雑木林の向こう側で、未だ上空に昇りきれない太陽が日々周回している。木々が光源を遮るそのかたわらで2月、すれ違う町並みは古い映写機で投影されたようなかすれた色彩 .... ニュース画面に映る空はいつもあんな色だろう。それが青色だって即座に思い浮かべてしまうのかもしれないけれど、ふと気づけばもう夕暮れが終わりかけてる、なんて時もある。光が散乱された結果としての単なる色彩の .... 深層学習の時代に
いつの間にか
生産中止になっていた
色付きの碁石

三人目
の人間たちがこないまま
私たちの票と
反対派のそれを
採決しようとしていた

(いずれはまつりごとも ....
年の暮れにすっかり見通しのよくなった玉川上水を歩く
日差しというのは本当にこんなものだったろうか
木陰を求めなくなった皮膚が季節を飛び越え
あるいは目の前の季節以外を忘れてしまったみたいだ
足 ....
静かな冷媒の音
誰かの企画が売買されている音
主張された封止のデザインを
ただ商品として見ること
喉の渇きを覚えるまえに
百円玉を入れること

なあ、ボタンが点灯するのに
あと10円足 ....
*テープ起こし*

一億総ナントカ社会においては、一億人の集団意識をまず、切り刻まねばなりません
同調しすぎ、硬直するのが我が国の悪弊でありますから、近所のゴミ拾いでも人のメガネを拾わない、
 ....
リケジョが婚活
ノケジョが就活
そんなニュースが流れる一年
俺はカノジョと生活していた

ドボジョがゆう活
スージョが菌活
そんなニュースが流れる一年
俺はカノジョと生活していた
高橋良幸(51)
タイトル カテゴリ Point 日付
想不开(ゴル投稿修正版)自由詩2*21/1/20 19:32
ふたごらいたー(ゴル投稿)自由詩1*21/1/4 21:55
しずく(ゴル投稿修正版)自由詩1*20/12/26 21:23
腕を伸ばした、指の先の距離で(ゴル投稿修正版)自由詩3*20/11/29 19:06
案山子(ゴル投稿)自由詩1*20/11/29 19:03
もっと近くに(ゴル投稿修正版)自由詩5*16/10/23 10:08
雨やみ上がり虹のハシまでいと電話するすると吐く恋人のサギ(ゴ ...自由詩1*16/8/28 19:21
こんな日が(ゴル投稿修正版)自由詩116/8/13 9:38
センコウ(ゴル投稿)自由詩4*16/7/15 20:42
VR海岸(ゴル投稿)自由詩3*16/7/5 19:05
阿呆鳥(ゴル投稿)自由詩216/6/28 19:41
蛍祭り(ゴル投稿)自由詩416/6/3 6:52
からだのもちぐされ(ゴル投稿)自由詩5*16/6/1 18:17
波うつカーペット(ゴル投稿)自由詩0*16/5/30 19:36
コアラぼっち.(ゴル投稿)自由詩0*16/5/30 19:31
一日中雨の日にバイクが過ぎる(ゴル投稿長考版)自由詩1*16/5/28 19:14
もと居たところ(ゴル投稿長考版)自由詩0*16/5/28 19:14
のどぼとけ×時間×エクスペリメント散文(批評 ...1*16/4/2 9:45
歌ったり踊ったりしているあいだに(ゴル投稿長考版)自由詩2*16/3/28 19:03
ときあかす自由詩2*16/3/26 21:33
アンインストール(ゴル投稿長考版)[group]自由詩0*16/3/26 21:26
GATE-B2(ゴル投稿長考版)自由詩4*16/3/6 21:54
春が立ちあがる音(ゴル投稿長考版)自由詩7*16/2/22 18:55
百分率自由詩316/2/21 17:59
きみを溶かしたら、たぶん空色になると思う。(ゴル投稿長考版)自由詩5*16/2/18 21:40
三人寄らない[group]自由詩2+*16/2/9 20:07
玉川上水自由詩9+*15/12/30 19:00
爆買いの世紀自由詩415/12/25 20:00
一億、総詩人社会[group]自由詩315/12/10 18:47
シングルワン、二人自由詩0*15/12/6 20:43

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