流れていった言葉は私のものではなくて
膿を出すための言葉
森をかたちづくる言葉とか
朱の消えた舌を乾す
砕けた縁石
残った物でつくり上げる
電話のコール音の中を歩く人
月が欠けるから ....
ひとつふたつみっつよっついつつむっつななつやっつここのつとお
ひとつふたつみっつよっついつつむっつななつやっつここのつとお、
くさのおのおのはじぶんをかぞえつづけるかぜにゆられるたびまた
い ....
それはたとえば大量の膿をたたえたみちひきだっ
た、平面をいくたびかひるがえしながらすみわた
るひとしずくがある、つらなりは多重にすがたを
かさねながらはじらう振動をあめのおとのとおく
において ....
浅水を弾く
風が汚されたのどをあらう
聴覚のゆめは畸形の吐息
夜からは野放しの天使が



生まれたばかり生まれたままで鳥が燃えて、逃げた骨片の表面で水が啼いている。話し声を追いか ....
*


小さい橋が覆われている雪に
街灯を胞子として映して
この道も失くなる向こうで交差する道路では
人の気配を感じない
自動車の車体が
音もない距離から
私の映像をなぞって ....
           頭を置き去りにして歩く、白い煙を道標として吐きながら
    灯りは思い思いに燈り、星のように曖昧な輪郭
      地面には産毛が生えている。泡立って固まった鍾 ....
洞窟の中は星が咲き乱れる秋だった。
呼吸を止めて止めて止めて、それでも息を飲んだ。
鳥が一羽また一羽と、架かっていく。破裂を含むように、孕むように。
断層の線を睨んで、暗い夜に、昼に ....
遥かの山の上空に
広漠な思念のような霞雲
体が浮いていると錯覚させられる
点在する緑の隙間に風の蛇腹が見える
季節という定位が不似合いだと言う
小さく分離した雲の無言
私は今はむし ....
(異様な音)
触れることで繋がり、(すなわち離れ、)
空白になる背後、
ほと息を吐く。離れる。つづき。
軒先から身を離す水から
空までの道のりと。
振動の上に振動が置かれ、
 ....
水面に映る赤褐色の肉体に 覗きこむものの顔がふやけ、千切れ、ぼやけ
   (節度ある顔が汚れた声を発する)
草原で 撫でるように刈られ、
息を吐き終えた架空の草
それがはらりはらりと
 ....
「未明」に、誰もいない路上で、まだ雪にな
ることのない冷たい雨を浴びて、不十分な「
存在感」を薄く薄く展ばし、かつ儚いその「
光」を凪いだ海面のように留めながら、生き
死になどついぞ関係な ....
、と言うことから自由な足先が針になった、
が自由だった、と感じたことはない理由は知
らない。炊飯器は蒸気口が閉じられているか
ら、蓋を開けたのは必然の、服の着脱だって。
煮え切らない垢 ....
赤い川を覗こうと
熱し切った手足は捨てた
また生えてくる別の手足を
訝しみながら
川を覗き
鳥の羽のように手は空をまさぐった
私は
手を憎み
固くなった足を
後ろに向けて
 ....
重力の演奏が、あた  乾燥し、聖文字の様
りには散乱している、 に去勢された植物が、
カーテンが何かを隠  森のあちこちで絵を
し、塗り潰された色  描いているから、足
の部屋、大きく ....
多くが欠けている
垂直に切り立つ湖面の繭に
かざみどりがある。
レンズは青根蔓を束ね
夕方が視域を転げ回る。
深さは灰いろとなって(青いろを揺り起こし)、
湿地帯の風の注ぐ
その湖に
 ....
、歩いた後に並木道に移り、私はすんなり葉
に包まれた両腕を掻き分けると血管がある。
足元で視線は蹲ると、浸透して赤く土を染め
た頃に複雑な模様を垣間見る。なだらかな人
差し指を引き攣る ....
tomoaki.t(16)
タイトル カテゴリ Point 日付
(流れていった言葉は私のものではなくて)自由詩3*17/2/4 16:47
平原III自由詩3*14/9/23 19:36
平原II自由詩1*14/9/17 19:32
(浅水を弾く)自由詩2*14/9/8 21:36
雪道の四景自由詩4*14/9/4 19:37
(頭を置き去りにして歩く、)自由詩3*14/1/30 21:34
みずうみの、自由詩11*11/11/17 22:06
万華鏡の風景自由詩3*11/5/21 9:32
秋の日自由詩2*11/1/3 12:48
粘土自由詩0*10/4/21 22:02
「未明」に自由詩4*10/4/20 19:23
frog自由詩0*10/4/20 19:21
赤い川自由詩1*10/4/20 19:18
ワールド・ライト自由詩7*10/4/19 19:12
かざみどり自由詩2*10/4/19 19:05
木陰自由詩0*09/11/11 18:37

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