おもい鉄の扉を
押した
瞬間にまなざしが交差する
待ち合わせには慣れている

ここはもう寒くないよ

暗がりにふさわしく目を開いて
ひとびとの騒めきを聞いている
楽しいのは
誰もい ....
いつもの窓からは
光が差している
塗装の剥げた電車が転げている
昼すぎに、森の気配は
いくつかの季節を巡る


まだ青い瞳で
私は階段を昇っていく


となりの部屋の人たちの
 ....
 一人の旅人が、小さな舟で、川をくだり、終には海へとやってきた。

 舟の上には、本と、万年筆とノート、わずかな食糧、そして旅人に似つかわしくない、毛足の長いつやつやとした毛布がのっている。時計は ....
浅い眠りから覚めて
声を聞いた
ようやく橋を渡りきったんだ
そしてあなたが待っていた

片手には宝石を
もう片手には駐車券を
その瞳にはあふれんばかりの
頑なな愛をたずさえて

溶 ....
海であったかもしれない、その水たまりを、誰かは容易
に跳び越えてしまう。とめどなく溢れながらこぼれなが
ら変遷していく歴史だったかもしれない、それが映す風
景の色味について、語ることもなく。
 ....
身体に金具を埋めてしまって
途方に暮れる
ある 冬

舗道の敷石には
ねそべる猫が鳴きもせず
渇いている
とじられた傘の花模様は賑やか
そこを過ぎていく

胃には十分にあたたかな言 ....
 愛でなければなんだろう、と、恥ずかしげもなく考えていた。

 胸の奥が熱く、むしろ痛く、つよい磁石にひかれているかのように、その方角へ向かおうとすること。どうしてもそこへ行きたいという、あくまで ....
どうしてあなたは
笑っている
下品な冗談で
よく冷えた部屋の天井が
ぐるぐるまわる
幻みたい

その腕の線は
わたしの所有する
どんな輪郭ともちがって
お腹の奥をぐっと押すように
 ....
{引用=恋人へ}


あじさいの
ような淡い青の水彩
ゆめをみていたのは僕だけ
慣れない万年筆のインクが
しろい便箋に滲んだ

あの日付は遠い

風はよく吹き
小道はかすかな日 ....
何度もみた
夢のつづきなのかもしれない
しろい腕がとどいた
ビルのうっすらと翳る

ほこりのように 積もっていて
砂のように舞い上がりそうな
潮の匂い
 

 (あ ずいぶんと
 ....
ふとい指を
なめて
それを
アイラブユーの代わりにする

のみこめない薄い空気が
くるしくて
くるしくて
デパートの惣菜も
銀行の光も
万年筆の繊細な書き味も
わからない
わか ....
湯気の立ちそうな/
あなたの/
血色のいい/
頬に触れた。

声とも吐息ともつかないふうに
「あ」
漏らしたあなたはわたしをみて、
泣きそうな顔になった。

そこそこに使い古した安 ....
行き交うひとの多さと、
あまい匂い
金曜日が騒がしく幕を引こうとする
すこしの不安とだれかの思惑
サインカーブを追うふりをして
およぐ視線
まだ気付かない

時刻表通りに
ページはめ ....
よく目がみえないとおもった

いつのまにか伸びた背丈
ひざうらにぬるい風
イヤなあの子の後ろすがた
引き潮みたいに校庭に吸われた

本棚の
手紙のひみつ
バラされたくなかったら
図 ....
言葉がいらないわけじゃなくて
見えている景色が
遠すぎて
だめなんだ

夜は果てしなく長くて
昼間の喧騒には
すぐに追い出されてしまう
気がする

この声で
あなたの心がゆれるな ....
ついに漂着した朝は
まっしろくて水浸しでカーテンは透ける
明るいな
きみのよわい視力
それに傷つけられたわたしの背を
すこしぴんとさせるようだよ

ねむり
に、かたちをあたえようとする ....
すぐかわく程度の雨に
手を繋いだ
ずっとおなじほうを
見続けていたのに
きみがどんな顔をしているかなんて
どうでもよかったんだよ

いつまでも
知らないふりしている
むさぼりあうよう ....
氷がとける
オレンジの海
マドラーに触れる
青い手つき
そこに月が沈むんだろうか
マークでいるのは疲れたと言って

からんと鳴る背徳の共鳴
しょうもないきっかけ
LEDの下品な光をグ ....
トマトジュースの喉ごし、気に入らないざらついた酸味、砂場まで走っていこうなんて考えていた、朝焼けのうすいひかりは手抜きの水彩みたいだから。もっと冷やして、かたくして!直視する鉄棒の錆、むかし好きだった .... そこは海
きっと海。
仮分数の真下で立ち尽くしている

わたしのしらない重力
砂地は生きもののように足を奪う
サークル、
サークル。
終わりと始まりの区別が消えて
星たち
しずかに ....
どうしてもさむい感じがする、
雄弁なのは街の明かりだけだって
ひさしぶりに思い出した。
冬を選ばなかったぼくたちは
ようやく目の当たりにできた互いの身体に
みょうな、他人行儀な感覚と
懐か ....
うすあおい膜をつき破って
枕木の連なるほうへ舵を取る
砂のような雨が降りやんだとき
手に残ったほのかな苦みを
ずっと知っていた気がして

はす向かいの家の窓がひらいている
しめきったカー ....
いつのまにか足首のかたちが変わっていた
このところ続いてる春にしてはひくい気温のせいか

映画館でまぶたにふれたりだとか
苦いコーヒーを胃にそそぐように
うまくできないことだらけ
罫線がじ ....
地図上の大部分はおだやかな晴れ
真ん中に私のこどもが立っている
雪が降って嬉しい、と言う

もやしを育てる
かびくさいキッチンは粘土のようにつめたい
つまり
息はしていなかったとおもう
 ....
目をとじたまま夜を織っていく
書き損ねた昨日の日記を
改竄する

遊びつかれてもまだ泳いだ
つめたい壁にぶちあたるまで
嘘も真実もこの手にあった
そして飽きもせず
わらった

ひか ....
お風呂場でうたう
大好きな歌を
思い出に聞かせてあげる



きらいだったひとの顔
負けたくなかったひとの顔
いつも屈服せざるをえない
幸運なひとの顔

なにも
なにひとつ
 ....
光が運ばれている。

進行方向の反対側から、ふつふつと泡のように
ほどけて流れてくるものがあった。あれが街灯。
ひとびとは円く集い、なくした星のかたちを思
い出そうとしている。(それはあくま ....
わたし
というのは
ようするに泡だったようにおもいます


電波塔を模した指先には
噛まれた跡があって
手紙を書くたびにそれを思い出すけど
……だって、きずがあるのです

信号は青 ....
長い夜が来て
ようやくほどいた指に
触れられてキズついた
胸の花

はずれたボタン
合った目線に
あしたまで踏み抜くような
きついアルコール
すっぱくて染みる君の味
ひらいて
こ ....
夏の終わりが
僕をくすぐるようだった

沸きだした熱が
いつの間にか
きみのかたちになって泣き出すと
僕は立ち止まるばかりだ
ここがどんな道でも
同じ

夕暮れの光は
ふたりを隠 ....
アオゾラ誤爆(79)
タイトル カテゴリ Point 日付
destination自由詩416/4/3 23:47
二十一歳自由詩1114/4/20 2:27
わだつみの木散文(批評 ...313/12/2 0:56
二十歳自由詩7*13/6/13 2:01
内陸自由詩813/2/8 2:47
雪のち晴れ自由詩213/2/8 2:47
I'm hungry散文(批評 ...312/8/4 4:10
心酔と意匠自由詩112/7/27 3:15
二十三歳自由詩512/7/27 3:15
着岸自由詩5+12/4/2 5:47
十九歳自由詩8*12/3/29 2:24
黄昏は逃避行自由詩012/3/9 3:07
2号線自由詩1*12/3/9 1:26
少女のインサイト自由詩112/3/6 6:00
恋の眩暈自由詩312/2/10 23:31
七月と煙り自由詩711/8/4 5:00
きのう見た夢自由詩1*11/6/15 23:06
コクテール自由詩211/5/29 1:32
光は赤いのが好き自由詩5*11/5/13 2:04
引き潮自由詩211/4/25 21:51
三度目の春自由詩411/4/16 22:07
予感自由詩2*11/4/6 23:01
らん熟自由詩211/3/8 22:47
コンプレックス自由詩811/2/15 22:00
秘密自由詩511/2/9 20:55
十七歳自由詩411/1/28 18:53
going down自由詩710/12/21 1:07
わたしたちの鴻溝自由詩1110/11/11 22:10
さよならと切っ先自由詩210/10/30 18:36
片結びの夏自由詩510/8/20 20:48

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