例えば

夜中の2時にふと目を覚ます

まだあなたはこの世の片隅で
私と同じように
キラキラ光る端子を避けて
隙間の安寧に息を潜めている

例えば

あの時すれ違った夢の中

 ....
ねえ
世界で誰もが認めない恋愛がこの世にあったとして
それを止める術があるって
本当にあるのかしら

人の命を奪うことは
とても最悪な犯罪なのに
生まれてきた熱情を殺すことは
何の罪に ....
音がしない部屋で
ボリュームをさらに上げた
テレビの中で
またアナタを思う
暗闇を引き裂く滑稽な光は
私がまた一人なんだと
嗤っていく

さよならをしないとダメだと決めたのは
記憶も ....
高度な文明社会の
生きる意味教信者と
その昔付き合っていたけれど
今は別れてせいせいしている


私がまさにどん底にいるときに現れ
「そんなキミでも世界の何かに必要とされて
今を生きて ....
もう何度も手放したって
笑う
自分の醜さを
あなたに重ねて


無意味な夜を
何度過ごしても
得るものがない
そう思い込んでいた


また季節が過ぎる


星が落ちていく ....
気付きもしなかった寒さが
心を貫く
お前
そこに一人で
平気なの


砂漠を凍らした夜風が
鼻をツンとさせた
まだ今日も終わらない
この夜は今
始まったばかり


一人のベ ....
此の肌
白く
夜にだけ
光る
その黒さと
対をなす
蜜のオセロ
純粋な目をして
花の匂いを
纏いましょう

焼けた風を
掴んで
呑んだ
何からも
自由になれるように
中 ....
お盆
虫取り
夏祭り
生に近いし
死に近い

いつから
八月になったのか
私には記憶がない
そう言えば
今日
「意味」を全うした蝉が
地べたに落ちていた
とたんに
歪んだ蜃 ....
黄ばんだ細い幹の先
辛うじて育む古の緑
枯れ切らない生が
美しい朝を
美しい夜を
何度も
心待ちにしている


如何わしいことばかりの森の奥で
白いワンピースの裾が揺れていた
小 ....
言葉は頼りなくて
破って捨てた小説のページより
はらはらと毀れ落ちた


空は曇り
誰かの悲しみでいっぱい
膨らむ風船を
突き刺す
針の先ばかりを
持ち合わせて
優しく壊れないよ ....
今日
この町に
初めての雪が降る


昨日
君が初めて見た
その雪と同じだったらいいのに
そんなことを思いながら
一人
夜の空を見上げる


小さな雪が風に踊るよ


 ....
凍てつく空に願いを返そう
祈るばかりの人は無力で
時に木枯らしに踊らされる
木の葉より軽い
その存在の軽さは
ただ空しい


悲しい歌ばかり歌っていたら
楽しい気持ちを忘れたよ
最 ....
イエローサブマリン
を聞いていた
煙の向こう
私が生まれる前の出来ごとは
当然知るはずもなく
知らないことだけが
美しいのだと
信じていた
あの頃
私たちは若かったのか
知ったかぶ ....
ねえ
私今日
気付いたことがあるの
私の心
まだ死んでなかった



ねえ
私いつも
実は泣いているの
愛する人の幸せを願えないって
なんて不幸



服のボタンを
 ....
眠たい
けれど眠れない
何もない
暗い世界を
おなかが減ったまま
歩いている
誰か
私を
どうぞ
いっぱいにして


片足脱げた
サンダルは
きっともう
そのままで
 ....
黒いベールを外す瞬間を
思い浮かべて
銀の食器を並べている
今宵は月夜
一夜の逢瀬
誰よりも会いたいって
自由に伝えられない
私を可愛がって


空に浮かぶ
闇夜を切り取って ....
「愛をください」
そう張り出して何年も経ち
今やそれは
誰も気にとめない風景となった


年月がたつと色あせる
看板の前に立ち尽くし
皺だらけの手をしばし見つめた
「いいえ、信じない ....
特別じゃない人生を
祝福してよ
神様
どうせあなたは
永遠が選ぶ人しか
認めないんだろう
信じる者しか救わない
そんな神様
私は信じない


今日も
街の片隅を
げんこつ握っ ....
街を貫く
高層ビルに
まだ間に合うかな
私は橋をかけて走っていく
今夜



綺麗な星がきらきら光っているよ
空にも大地にも


私が今
確かにここにいることを
知っ ....
生まれた時から
ずっと抱えたままだった
空しいキャンバス
君の絵具と
迷ってばかりの絵筆で
永遠に愛する
なんて
私の白々とした
嘘さえ
染め上げて



私は娼婦か
それ ....
知らずに
湧き出る
美しい泉を
探す
旅から
私は
知らずに
戻っていた


「きっとまだ
 あそこにあるに違いない」


やっと戻った
夢見がちな私に
窓辺の黄色くて ....
ねえ
もっと
私を駄目にしてと
強請ったのは
かつて

木製の時計が
カツカツと
足音を立てる
カツカツと
あの人のようだ
去っていく


涙の味を
暫し忘れました
 ....
硬い
石の群れに
たまに
私も呼吸を忘れる
人肌の
暖かさも
しばらく
思い出していない


交わるようで
交わりきらないのは
きっと
全てのことに当てはまるようで
母の胎 ....
ハローハロー
こちら地球から
あなたに伝えたい


ハローハロー
言葉がある方が不自由だなんて
実際は間違っている


ハローハロー
私たちは
とても便利な道具をうまく使い ....
足音を数えて
今夜こそ
あなたの可愛い
乙女になるのだと
敬虔な祈りを
捧げます


私の
町に
雪が降ります
白い
小さな雪
私のまつ毛にも
少し
休んで
誰よりも
 ....
あの文字に似ているから
今夜こそ捕まえようと思うんだ
月という船の不安定さをどこまで僕ら
楽しんでいられる?


なじみの香辛料が
食欲をくすぐる街角
窓の光が映る道
孤独という冒険 ....
据え膳の味を思い出さない男
なんて
今この時私より欲しいものがない
って言えない
なんて
あなたは
一体
どこまで
可愛いの


はしたない
口を引き裂いて
私は
今日も
 ....
凍らせた私の血を
温めなおしていた
あの季節とは
もう
さよなら
サングラスも
その帽子も
ここから先は
進入禁止


ベランダでは
服を
もう一枚

拭う間もなく ....
もうすぐ
もうすぐだねって
やってくる夜明けを
あの時は
あんなに胸をときめかせていたのに
今はベッドで寝転がったまま
リモコンがあればいいのに
なんて
考えるようになってしまった
 ....
私の全てが
受け入れられないって
四葉のクローバーで好き嫌いと
やけくそで占っていたら
それは違いますよと
笑いながら通り過ぎた
あの人に恋をした
「なんて優しいご忠告
 きっと私に気 ....
さき(56)
タイトル カテゴリ Point 日付
培養自由詩521/3/23 22:44
人魚自由詩217/7/17 23:28
インソムニア自由詩316/3/6 1:55
恐竜時代自由詩312/7/22 23:49
情熱自由詩512/6/3 21:05
カシオペヤ自由詩611/11/27 23:51
夏恋自由詩511/8/4 23:50
八月の証明自由詩611/8/3 22:52
深い森自由詩511/5/1 21:28
裏切り自由詩211/2/7 0:01
初雪自由詩411/1/16 23:29
新しい年に自由詩410/12/31 2:30
光陰自由詩310/11/1 20:56
秋なんだって自由詩410/9/2 23:47
夜蝉自由詩410/8/2 23:36
一夜自由詩610/7/25 0:46
看板自由詩110/7/20 23:24
ポリアンナにはなれない自由詩610/7/1 23:04
星夜自由詩510/5/9 20:17
女の肖像自由詩710/4/7 22:29
黄色い花自由詩510/3/28 23:09
もう春だ自由詩210/3/8 23:04
異邦人自由詩1010/2/11 21:06
ハローハロー自由詩809/12/24 0:12
聖夜自由詩609/12/13 0:01
夜の魚自由詩709/11/21 0:10
肉食女子自由詩709/11/16 23:15
暮れる自由詩509/10/4 23:13
夜明け前自由詩709/8/15 11:37
四葉のクローバーでの過ちについて自由詩109/5/27 22:14

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