赤でチェックの模様
赤いカップがついたファミリーサイズ
中はなにが入っているのだろう
見た目よりずっしりとしている
内蓋を開けて中を覗くと意外と狭い
この狭い空間に星のような小さな閃きときら ....
思えば思うほど、私たちのつながりは
うすいような 強いような ふわふわとした ものだった
何でも言える というのは とても良い関係で
一年ぶりでも いつでもあって話しの続きを始められるということ ....
夏休みの特別登校日をちゃんと聞いて帰らないような子供だった
虚弱体質で、勉強もできなかったが、不思議と理科だけは、とても好きだった

夏休み、何をするでもなく
ふらっと魚釣りに出かけては、昼寝 ....
小学校、これほど長い共同生活のなかで
子供達の声は聞こえるのだが、みえないことも多い

笑い顔は、困り顔、へんな顔、目立ちたいヤツの顔にかくれている
日々は、楽しいことと同じくらい
つまんな ....
私は力まない
私は何かを失わない
私は息詰まらない


まず、大きめの手のひらに、しっかりと握れるくらいの掌の丸く平べったい石を捜す。
水切りは静かな水面が広がるところがよい
たいていそ ....
あなたとなら、よなかの吉野家にだって行ける
だって、誰がいてもいなくても関係ないから
あなたとなら、地球の反対側くらい遠く離れていても

遠くで「キーン」という打球音が聞こえる
真夏のグラン ....
産みの苦しみもあるかもしれないが
すべてを捨てたように
生まれの苦しみもあるかもしれないのだ

まっさら ということは

「お腹が空いたぞ」と大声でさわいでいい ということだ
「ね ....
海を見ることもない日常と夏日がとぎれなく続き
あまりの終わりない暑さに
もうすぐ夏が終わってしまう
という感覚も続いた

季節は一日で変わることもある
どこかで聞いた言葉だが
ほんとうに ....
ハンミョウは美しい夏の昆虫である
近づくと少し離れた場所に素早く飛び立ち
ミチオシエとも呼ばれている
あの美しく光る背中は
すべてを突き通すような夏の日差しこそふさわしい

その子がいなく ....
しわしわの祖母の指を見る
指のシワはそのまま五線譜のようにのび
窓を抜け
空の彼方まで飛んでいった

飛びつづけた時間の
縫いとられた時間の
針と糸の通った縫い合わされたところ
日々の ....
地図の上で抱き合った
そうすれば、どこへでも行けると思ったから

どこへでも行ける手軽さは
どこにもいない悲しさで
そうして、
ことばにできず
ただ抱き合った

飲みかけのペプシコー ....
萩ノ茶屋駅は高架の上にある
連日の猛暑の記録を続ける午後3時
南海特急の銀の窓に太陽の光が反射して、見上げると
空にはほとんど雲がない

パチンコ屋の自動扉がとつぜんに開く
冷やりとした空 ....
年が明けたから新年なのだけれど
「あけましておめでとうございます」のことばが
カチンと一コマ カレンダーでくり上がる

久しぶり 夕暮れに大阪駅で降りると
HEPの赤い大観覧車のすぐ横に
 ....
ツバメが低く飛ぶと、雨が降る
ツバメは海を渡る夏鳥である

青く育つ水田を横切ると
ムッとする草いきれがくる 夏休み
夏空の濃い青色はとても好きな空の色だ

夕立の匂いと雨の音
風が流 ....
とおくで、ウシガエルが鳴いている
ヨシの生える河原に散乱する水音
街灯の明かりがまぶしすぎる
つきよ

空におぼろげに満月
雨を受けるカタチで両手のひらを空に向ける
風のない、こんな晩に ....
ゆきつく先は土に似て
朽ちた葉の色は赤
月は青く 冬の空はせまい

冬の雨はさびしいまなざしに似て
見つめることをこばみ続け 終わることがない

男と女のあらそい事のように変わりつづけ
 ....
雪崩れた跡もある谷すじを登って行くのだ

川には鹿の死体が、森の一部のようにあった
猪の足跡と鹿のフンのおちる雪のうえには道がない
つかまりどころもないような急な雪の斜面に
張り付くように足 ....
「ゆき」が「ゆき」の上に降りつもる
「ことば」上に「ことば」が降りつもるように
たとえば「発語」ということばに「発語の共有」ということばが降りつもるように
白の上に 白が降りつもり
どこまでの ....
空を泳ぐ鳥たちでさえ
死はいつも地上のある

明るすぎる地下に雨は降らない
きのうの洗濯物を今日の朝日に干す
明日は雨らしい

シャツには見覚えのない涙の跡がついている
毎日クスリを飲 ....
砂礫の中から北極星をめざす
ひとつぶの光る種子から
一万年の大木の夕日の
たおれかかる夕暮れ

音もなく 静かに 闇

空を見上げる

希望をうつす鏡はいつも
目線より少し高いとこ ....
夜の空の色は 全くの黒ではない
東京の空の色も 大阪の空の色も
いつの世も空の色は 深い深いこん色である

青を塗りかさね 塗りかさね
うすめれば空に近いこん色である
その証しに 明け方の ....
バラバラという音
雨のにおいと、どきどきする感じ

階段をかけおり外に出た
大きいつぶの雨がまばらに落ちて
自転車に乗った腕まくりの高校生達が、立ちこぎで加速していくだけで
もうすでに碧は ....
「もも」のような人だった
夏の始まり
胃のあたりにひどい痛みを訴えて
青白くやつれていった
食べものの好みが変わって
「ガン」かもしれないと感じた
不意に 人生の何分の一かを失う と思った ....
何キロ四方の石盤の上に
100年に一度、天女がおりてきて
舞を舞う
ふわりと衣が石盤にふれる
くり返し
くり返し
気の遠くなるほどくり返すと
ほんの少し石盤はうすくなり
やがては、すり ....
小さな庭にスコップをさしこむ
土は深い森のにおいがした
森と眠りは深いほうが良い
深い穴に
深い眠り
食べものと 土と 土と
見上げたら曇り空
ぽつりと 雨が 土をぬらした

停車し ....
真夜中に電話が鳴る
行き詰まると決まって電話してくる、古い友人から

あんたの人生を下取れんからね
どうしたらいいのか
意見は言えても
責任はもてん

もうやめるって
これから先、
 ....
おとといの昼に食べたアジのタタキとみそ汁とご飯
きのうの昼に食べたサラダと牛バラ肉の焼き肉とみそ汁とご飯
きょうの昼に食べた白金豚と万願寺トウガラシの手打ちパスタ
きょうは、まだ白いご飯を食べて ....
腕いっぽんでどこででも食っていけるほど
確かな自信はないのだけれど
右の人差し指の付け根にはホクロがあって
昔、好きだったひとの胸元にもホクロがあって
宮沢りえの右目の下にもホクロがあって
 ....
服部聖一(28)
タイトル カテゴリ Point 日付
水筒自由詩017/5/17 11:57
「連絡をください」自由詩315/3/17 20:58
登校日自由詩011/12/18 17:39
アルバム自由詩011/12/18 17:27
詩の学校自由詩111/12/18 17:26
牛丼自由詩010/10/21 16:05
「うたた寝とうたた寝のあいだに」自由詩110/5/7 0:40
夏へ自由詩208/8/22 1:51
それから自由詩208/8/10 2:10
五線譜自由詩407/12/14 2:02
地図自由詩407/10/19 0:33
自由詩107/8/28 0:18
新年自由詩207/1/26 2:09
自由詩206/8/2 17:51
hotaru自由詩206/6/16 0:39
春の雨自由詩106/3/20 2:33
川には鹿の死体が森の一部のようにあった自由詩1*06/2/9 1:41
ゆき自由詩106/1/16 1:33
明日からやって来ました自由詩605/9/22 0:19
空を見上げる自由詩605/9/21 23:56
ニッポム自由詩005/9/21 23:34
あめ自由詩005/9/19 22:59
もも自由詩605/9/2 1:20
自由詩205/7/29 22:51
あなたがくれたもの自由詩405/7/15 2:38
ネコの苦労を私は知らない自由詩005/6/25 0:25
三日月につらなる思い出もある自由詩105/6/21 1:13
きゅうくつはいらない自由詩505/6/14 23:40

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