たとえば
並び歩く二人が
気を置かずに話している
一方が振り向くとき
他方も同時に振り向いている
たとえば
双子が同じ夢を見る
電話でその話をするとき
互いの脳裏にはありありと
....
柔らかく弾けるバレエの動線
立体であり流体である文脈
対になるのは
豊かなる肉体の賛美のダンス
どこかコミカルでシニカル
そしてプリミティブな表現
我らを穏やかに諭しはしない
むしろ ....
たとえば
並び歩く二人が
気を置かずに話している
一方が振り向くとき
他方も同時に振り向いている
たとえば
双子が同じ夢を見る
電話でその話をするとき
互いの脳裏にはありありと
....
つい口ごもる
あなたの前では
それはもっと本当の
もっと本当のままで
いつかきっと話せるから
そんな顔をしている楓があった
……無口な楓
もう帰らない
ここには二度と
冬を待たず ....
声が揺らぐ
叫びが途絶える
断絶という渓谷
汚された霊峰
滅びようとしている深海の神話
悲しみは涙を覆う被膜
そして干渉する光
彼らの炎は緑濃く立上る
やわらかな重みを湛えて
握 ....
妖はこの世の悲しみ
女郎蜘蛛の恋
汚された問いたちが
土に染み込んでいく
痛みは深く沈み やがて
冷たい地下水へ触れ
泉となり湧き出す
目を閉じ沈黙の小川が流れる
恰もきらきらと明るい
朝露の中で
岸辺に小さな花が眠る ....
互いに響き合う言霊が
空洞に満ち
虚空へ光を放つ
生きていることで
続いていくのだ
終わらないループ
終わらない物語たち
こころが言葉を昇華する
そして言葉がこころへ昇華する
そのな ....
東の空に陽が昇り
小鳥が鳴き騒ぐという
小さな物語を知ったとき
「鳥の朝」という意味が生まれ……
中天に陽があって
猫が居眠りをするいう
呑気な物語を知ったとき
「眠る猫」という意味 ....
猫は嘘を知らない
犬だって知らない
なぜならば
彼らには物語がないから
あるがままよりももっと狭く小さい
生きていく大切さだけを知っている
そのことが美しい
けれど悲しい
彼ら ....
風が吹いた
風の音
どうして聞こえるのだろう
声がした
雨
誰かが泣いているのか
物語は生み出され
事象は表され
そして言葉は過ぎるもの
どうして物語はこんなにも長くなってし ....
夢でしか会えないひとが
夢の中でいつもの場所にいて
そこであたりまえのように
暮らしていた
秋の夜の眠り際に
夢であることを知ってしまった
詩は料理に似ているか
自分の食べたい好みでもあり
食べさせたい人へと味を寄せていく
味という共感を持って
食欲という本能に寄り添うこと
それは
詩情という共感を持って
在りようという抗え ....
梔子の花は枯れず
ただ一輪として朽ちず
果てしなく昇る夏雲の白さを
その面に留めて
漣は凪がず
ただ一波として静まらず
絶え間ない青い流れにいつか
遠く帰るために
空は果てず
....
そうして
やがて確かにと言った
お前にその論理は似合わないから
信じるより感じてしまう
柔らかなやがて絶望的な
空を知らないと言った向日葵の矛盾を
裁けはしないのだから
幾億年の ....
それはどこにもなく
それゆえに誰もが乞うもの
その美しさとは何か
失われる前のその前の何かとは
放埓な瞳は射貫かれしこころを知らず
焦点は結実する光の表情へ
恐れを
そして揺らぎを生きて ....
はるの海が
すべてを呑み込んだ日
わたしは目眩でしかなかった
はるの苦さというにはあまりにも
多くの命が失われた日
応えぬ名
帰らぬ瞳
待ち続けた背中
遠ざかってい ....
につき
(17)
タイトル
カテゴリ
Point
日付
言語爆発2
自由詩
2*
20/10/26 13:22
バーレスク2019
自由詩
2*
20/10/22 21:51
我らの言語はいつも爆発している
自由詩
3+*
20/10/18 15:01
喩が生まれる時
自由詩
2*
20/10/16 23:34
それは覆う被膜そして光りの干渉
自由詩
2*
20/10/13 23:52
佳人薄命
自由詩
0
20/10/13 20:11
花の朝
自由詩
5*
20/10/12 12:35
言葉とこころはいつも繋がっている
自由詩
1*
20/10/11 12:11
日々の連続性は物語の形をとって意味となる(おさなごへの答え)
自由詩
8*
20/10/10 23:34
猫と犬の物語
自由詩
2*
20/10/9 23:21
雨と風の物語
自由詩
3*
20/10/9 22:36
夢の場所
自由詩
7*
20/10/9 17:23
詩は料理に似ているか
自由詩
1*
20/10/6 22:07
梔子の花は枯れず
自由詩
4*
20/10/6 10:11
素足
自由詩
2
18/8/30 16:41
赤日
自由詩
4*
18/3/17 23:31
空白
自由詩
4*
18/3/11 22:01
0.08sec.