ずっと自分が大嫌いだった
ちょっとは自分を好きになりたくて
コンビニで
綺麗なモデルさんが表紙の雑誌の
おまけについている
黄色と茶色とむらさきとグレーのアイシャドウを買った
ラズベリー色 ....
県庁前のモスバーガーが
まるでエドワードホッパーの絵だ
その横をレインコートの襟を立てて歩く
高層マンションの灯りが
鬼火に見える
あの部屋にもこの部屋にも
昔の私のように
引きこもって ....
がらんとした
父の部屋に行った
慌てて来た弟が寝た
マットレスや毛布が敷きっぱなしだった
私は
父の脱いだ服を片付けて
良寛和尚の「天上大風」と言う額と
友人の彫刻家さんの彫った
狛兎 ....
父の病状は
薄紙を剥ぐように
良くなって来た
それでも今の父は
強引で気難しかった父ではない
些か、父は
老いを受け入れたらしく
「あと十年生きるのは無理だ」と言う
だからお前達は
 ....
父が倒れた
管理人さんの連絡を受け
マンションに向かうと
父は大勢の県警隊員に囲まれて
足を投げ出して
薄い半目で
背中を壁にもたせかけていた
「迷惑をかけたくないんだ」と言って
救急 ....
私が幼稚園児から小学校にあがるかあがらな
いかの頃母親が狭い台所でお前なんか産みた
くなかったけどできちゃったおろしたかった
けど結婚する前にもうひとり遊んだ人とおろ
したしその時は産婦人科で ....
世界へ
まだがんじがらめのあなたを
うつくしい樹の枝のように
ほどいてゆけ


葉月に
私は生を受けた
私が胎内にいるがゆえの
悪阻の苦痛に
耐えきれず
アルコールに溺れた
母 ....
肩があって
右に少し傾いていて
足があって
正座が下手くそで
私がいて
倚りかかっていて
硬い指先で
背筋をしゃんと元に戻す

スーパーマーケットに行って
じゃがいもがあって
カ ....
 あたしは、20の時、うっかり同窓会の2
次会で、足を踏み入れたホストクラブ通いが、
すっかり癖になり、1000万の借金と一人
娘を抱えて、夫と離婚した。
 あたしは、しゃにむに働いた。昼は派 ....
いくつもの重なる扉を押し開き果てに見ゆるは蒼穹の朝

美しき喪服をあつらえ悦に入るハハキトクの報ぞ嬉しき

心病む妻とその子に仕送りしキャベツ炒めをほうばりき夜

我が愛し人の重荷を背負え ....
幼馴染の、かんちゃんが
屋台で焼きそばを焼いているという。
久しぶりに駆け付けた町内会は、
小さくてあったかかった。

かんちゃんは私を見て、
「ほんとに来ると思わなかったよ」とぼそっ ....
 あたしは、可愛い子ちゃんと呼ばれて育っ
た。1番目の夫は銀行マンだった。あたしは、
親友を巧みに誘惑して、夫と浮気させ、その
証拠写真を盾に、離婚して慰謝料で、マンシ
ョンを1戸手に入れた。 ....
女の人は咳をしていた
病院の白い壁に囲まれて
ベッドには透明の管がついていて
胸は刺すような痛みで
しめつけられた
苦しくて苦しくて
携帯を鳴らした

私は指輪をした男の人と
美術館 ....
うろこ雲が綺麗だった
その晩に
安納いもをふかしていると
ふとチャイムがけたたましく鳴った
うっかり
返事をしてしまったら
NHKです
受信料が未払いですよと言う

仕方なく
彼の ....
きみは私の部屋のベルを押した
宅配のひとかと一瞬思った
ひさしぶりに見たきみは
前より薄鼠色の鞄を片手に
「いままでありがとう」
と言う
「仕事を探している」
とも言う
きみのポケット ....
私は塔に住んでいた
いろんな小人が
訪ねてきたけれども
みんな
どういうわけか
鈍色の
ひき蛙に
変身してしまう

ある時わたしは
母の娘を
部屋に招き入れた
それは私自身では ....
 「ぶす」「不細工」と、散々ののしられた
あたしは、やっとの思いで、ハンサムな夫を
手に入れた。有頂天なのもつかの間、生まれ
たのは、自分とは似ても似つかない美人だっ
た。
 悔しい。あたし ....
ハチ公の前でまあちゃんと会った
まあちゃんは切れ長の目をしていて
虫眼鏡みたいなメガネをかけた旦那さんと
女の子の赤ちゃんを連れていた
まあちゃんのワイドパンツはゆったりしていて
初夏の風に ....
 私は、いつも親から周囲から、「優しい子
ね」と言われて育ちました。内心、それがと
ても得意でした。
 大学は、福祉学科を選び、まっすぐに精神
保健福祉士になり、障害者のお世話を、小さ
な作 ....
君がメールしてくるのは
いつも夜のとばりだった
お父さんが自殺して
君が錯乱して
精神病棟の独房に搬送されたとき
くすりを飲みたくなくて
自分で自分の欲望を刺激し過ぎて
脱出に成功したこ ....
 俺の親父は、頑固者だった。
「何故、こんな事も出来ん!」
 俺は決心した。いつか、T大に入る。そし
て、金をがっぽり儲けて、女に何不自由ない
医者になってやる。
 俺はがり勉した。体育はい ....
1964年9月25日
東京広尾の愛育病院の一室で
私は生まれた

新幹線開通の年
さびれた単線電車の最終駅のプラットフォームで
私は生まれた

東京オリンピックの年
アベベ・ビキラの ....
 夫が、首をつった。
 20年ローンの庭付き一戸建てを買って、
引っ越したあくる朝に。
 「俺はもう疲れた」と、一言遺書を残して。
 あたしたち家族は、毎日毎日、天井のシャ
ンデリアからぶら ....
あるところに一匹のりゅうがいました
りゅうはいつも一人ぼっちでした
りゅうの背中はペパーミントグリーンで
しっぽはなぜかショッキングピンクでした
りゅうは「ぼくのしっぽがへんな色だから
仲間 ....
いくつもの夜をくぐり
あなたと早朝の街路を肩を並べて歩いた
高架の上には
薄青い通勤電車が走っている

モーニングのある喫茶店で
一緒にハムとクロワッサンを齧った
焦げ茶色のベトナム珈琲 ....
かごの鳥は、かごのカギが開いているのに気がつきました。
そおっと戸を開けて、外に出てみました。
羽がよわっているのか、あまり飛べません。
でも、勇気を出して、窓の外へ羽ばたいてゆきました。
川 ....
花曇りの日に
晴れた道をとぼとぼと歩いた
(皆とお花見に私は行かない)
桜はあちこちで満開だった
小さな白いかそけき花が路上に固まっていた
(その花の名前を私は知らない)
春はあかるく
 ....
一瞬、モニターが見知らぬ男の画像で揺れた
髪型も眼鏡にも覚えがなかった
ただ、こんな日にやってくる人は他になかった
この震えるように寒い日に
灰色のセーターだけのひょろっと背の高い姿は
ぷつ ....
明日は大好きな人に初めて
お弁当を作る日なのに
疲れ果てて眠ってしまった
朝三時に目を覚まして
あわてて
寝床でタブレットを見て
クックパッドとクラシルと
デリッシュキッチンを検索した
 ....
二十年間眠っていた部屋を出て
作業所と言うところへ行った

おずおずと
「ユニクロの服って
安くていいですね」
と話しかけると
みんな変な顔をしている

誰もお料理がさっさとできない ....
葉山美玖(47)
タイトル カテゴリ Point 日付
ラズベリーフィールドフォーエバー自由詩16*19/1/11 2:58
浦和23時自由詩16*18/12/23 17:07
天上大風自由詩718/12/7 2:56
孤影自由詩718/12/7 2:47
自由詩5*18/12/7 2:44
収穫祭自由詩13*18/9/27 1:42
約束自由詩15*18/9/20 18:56
教育自由詩918/9/3 10:09
借金自由詩218/6/12 0:43
美しき喪服短歌4+*18/6/12 0:38
かんちゃんとヨーヨー自由詩7*18/6/4 19:24
うふふ自由詩3*18/6/4 19:22
ステージ4自由詩418/5/28 10:50
集金人自由詩718/5/26 7:50
きみへ自由詩618/5/21 13:11
部屋自由詩10*18/5/19 3:55
ぶす自由詩218/5/16 19:06
まあちゃん自由詩618/5/16 19:05
優しい自由詩1018/5/13 10:07
夜と朝自由詩518/5/9 20:44
栄光自由詩3*18/5/9 20:42
生まれる自由詩9*18/5/7 20:23
なわとび自由詩8+*18/5/6 7:42
えばりんぼのりゅう自由詩2*18/5/1 22:18
蒼穹の朝自由詩718/4/29 15:34
神さまが落ちてくる自由詩10+*18/4/28 7:22
棄てられた花たちへ自由詩318/4/21 1:34
イブの夕刻自由詩8*18/4/20 7:02
お弁当自由詩10*18/4/17 18:56
まだ自由詩518/4/17 18:02

Home 次へ
1 2 
ダウンロード
ダウンロードされるのはこのページの分(「ラズベリーフィールドフォーエバー」から「まだ」まで)だけです。
うまくダウンロードできない場合は Windows:右クリックして保存 Mac:コントロールキー+クリック で保存してください。
0.24sec.