風に靡く髪のように
たおやかな装いで
優雅な舞を演出する舞踏家のように
はらはらと落ちては舞い上がる、乙女

満月の照明を浴びて
きらきらと光り、芳香を漂わせながら
終演の華を咲かす
 ....
春の、ほどけた日溜まりのなかで
そよそよと吹く風の流れを、産毛に感じ
周りから、朝露で蒸れた草木の香りが漂う

ゆらゆらと、揺れる、かげろう

その、見えないところ
沢山の透けて、輪郭の ....
遠くの情景に
ひとまず別れを告げて
内なる心象に目を向ければ
喜怒哀楽と
それらに紐ずけられたものどもが
溢れてくる

それらは、別々に現れるのではなく
万華鏡で回し見するみたいに
 ....
 
 蝶が、
 たくさんの蝶が舞っている
 ビルとビルの稜線で区切られて
 行き場を失くした空に
 乱舞する蝶たち
 

今ある全ての理は、夢のように移ろい
留まることを知らない
 ....
わたしが投げつけた鋭利な言葉が
あなたを傷つけ
諸刃の剣となって
わたしを切りさく

傷は繊細でむず痒い痛み
痛くも心地よい倦怠が
全身に広がっていく
感情の
空虚な痛み、悲しみ、怒 ....
最終連は
とうに終わっていても
締められた言葉は
いっこうに完結するようすもなくて
視線は
空を漂う余韻の行き先を
見つめている

その時
一羽の冬燕が目の前を横切るも
地面に落ち ....
かおりちゃんは、まだおねむです
おんもはまだ少し寒いので
あったかいくまさん柄のお布団で
微睡んでいるの


はやく、あったかくなあれ


かおりちゃんは夢をみています
おかあさん ....
風もなく、静かな夜半に
疲れたかすむ目を、外に向ければ
ここから見える桜木に、花が咲いている
それは、わたしの目にだけ映っている、花
七分咲きの、満開の、はらはらと散りゆく花びら
走馬燈のよ ....
一日に一編の詩を作ろう
出来上がらなくてもいい
案だけで、発想だけでもいい
作ろうとする気持ちだけでいい

書けない日もあるだろう
其れが続く日々もあるだろう
それどころではない時期もあ ....
ここに一つのコップがある
いつからそこに在るのか、誰も知らない

最初は空っぽだったそれに
少しずつ、ほんとうに少しずつ
永い時間をかけて
結露した水が溜まり始める
そこへ
空間に漂う ....
春一番が吹くと
春の香りが満ち溢れてくる

木々の新芽の匂い
花の甘い蜜の匂い
それらに釣られて出てくる動物の匂い
また遠く、南海の潮の匂い
春の香りは
暖かい潮風に乗った生きものの匂 ....
長崎哲也(11)
タイトル カテゴリ Point 日付
薄紅色の乙女は満月の夜に舞い散る自由詩2*17/4/15 1:22
春の足取り自由詩3*17/3/24 23:52
自照詩人自由詩9*17/3/12 10:32
胡蝶の夢自由詩8*17/3/10 15:11
自傷詩人自由詩5*17/3/5 16:43
最終連から始まる詩片のような残音自由詩20*17/2/28 19:50
春野かおりちゃん自由詩5*17/2/28 9:14
望桜花自由詩7*17/2/24 23:40
一日一詩のすすめ自由詩4*17/2/23 21:06
コップ一杯の宇宙自由詩4*17/2/22 17:35
はるのかおり自由詩9*17/2/20 21:23

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