抗っているのだ
耳障りなMP3と私の言葉の反射線に
何もない虚空に何も変わらない存在を
その夕暮れの赤を
あなたの口癖を

ブラックアウトするコックピットで燃え盛る大地を見た兵士は
さよ ....
通学路、夏空から墜落したした機体の残骸で足の裏を切った

あの日の匂い立つ湿度や吹き抜けるからっ風を思い出すと
流れた血が止まらない
なめたら幼い頃の思い出の味がした

MP3が鼓 ....
昏い水の底で物言わず
新緑の葉の中で光を浴びず
紅の空に鳥は飛ばず
左翼を失った飛行機が大気圏を超えた日の話

毒入りの林檎を食べてしまった少女は
想定内の死を受け入れて
夕立の中美しく ....
全部嘘だと秋の風が言ったので
それでは終わりですねと冬の空が言いました
春の花は無関心そうに頷いて
かたわら、夏の虫が死にました

青空で、歪んだ月明かり
うさぎ達は人を解体して笑っていま ....
地平線にキリンの首
水平線に鯨の潮

自滅願望を含んだ瞳でピアノの譜面
見て
ほら

キリンに胴体はないでしょう
鯨に実体はないでしょう
あなたと私は霞むでしょう

森林の奥深く ....
あなたが言いかけてやめてしまった命

浮遊する魂の残骸を窓のない汽車の中で夢想して

夢想して

それが手の届かない場所だと

それが僕では救えなかったと

こんな時間に想像しきっ ....
にぎりしめるのは、鉄の冷たさ
弧を描き
風にのり月へ飛ぶ
加速度で剥離した心音
音速の壁で散り散りになる資本社会
札束と金塊を撒き散らし、風になる
摩擦で燃える消費社会
豊かさで枯れる大 ....
星を渡る船に乗ろう

星々の充満する世界
満たされすぎて枯渇した地球を捨てよう

宇宙の風に帆を張って進む

資本主義を棄てて
傲慢な自我も捨てて

酸素欠乏の世界から逃げよう
 ....
午前二時、吸い殻と三日月
どこか空虚な香水の残り香

膝を抱いて夢想する
深夜の雑居ビル
カクテル
日雇いとハローワーク

酩酊の殺人は街の片隅で静寂に包まれ

無音、匂い、湿度
 ....
絞り出すように今日を歩く

新世紀に生きる私

ずれてしまった時間軸に生きるあなた

鏡の向こうの私はあなた

ほら私のあなたの今日

ほら同じナミダ

ありがとう旧世紀の私、 ....
神様が天の川の向こうから見ている

私の錆びた核を見ている

錆びが広がり崩れ落ちる私

天秤座の反転した夜空

その中の一粒を飲み干して

天の川向こうから見ている

星が一 ....
最低な日々を振り返る

ビールの缶に口をつけ感傷に浸る

過去に告ぐ
過去に告ぐ

夢がない
希望がない

しかし

何もなくても生きていける
そんなくだらない勇気はある
 ....
初夏の夜風、湿気と都会のノイズ
この中には諦めが満ちて
もうダメだって声が反響して、私は耐えきれず
いや私自身の声かもしれないそれに耳を塞いで
帰路につく
満員電車でボリュームを絞った音楽を ....
いくつものニオイが入り混じり
人々ゆきかう
東京、東京

賑わいすぎた街の声は
静かに私の心を殺してゆく

曇り空からわずかな西日
アスファルトの照り返しで

ああ、ここで死ん ....
分離した幸福を拾い集める夏
どこか空虚でどうしようもないその行動を

許すとか許されないとか意味もわからず
私は続ける

手いっぱいの幸福を
持ちきれない幸福を抱えて

私は廃線にな ....
サイダーのボトルを開けて
気泡の弾ける音に耳を傾ける

真夏の太陽が気泡に反射して
まるで宝石を散りばめているようなサイダーのボトル

涼しげな音の宝石たち

見入っていたらトンビ ....
アメ玉一つ口に放り込んで
明日のことだけ考えて生きる

新宿の喧騒に負けないくらいの勇気を持って
他人から見ればおかしな奴だ

でも私は明日のことだけ考えて

アメ玉を噛み砕いた

 ....
雨粒一粒
ゲリラ豪雨の最初の一粒が

モノクロでスローモーションな世界に映り込む

灰色の一粒は地に落ちて

物理学的な形をつくり砕けた

一瞬の出来事に
世界が集約されているよう ....
あおくて深い
あおくて深い

海の底で二人ぼっち

黒い気持ちを吐き出そうとしたら
あわになって消えていった

あなたの言葉もあわになって消えていく

やがて夜になり視界不良

 ....
一輪の花火が咲いた

私はナミダ流し

あの花火になりたいと独り言ちた

火薬とともに大勢の前で

星々が見おろす空で

ナミダを拭うと私は

火薬をつくり始めた

私は花 ....
機械的に進む日常
断片的な夢の気配

モノクロの夢の中に沈み込み
錆びついた思い出をつかみ取る

午後に目覚めた私の個の核を
夢の錆臭さが侵してゆく

ナイフを持って立ち尽くす人を見 ....
積乱雲の真下は土砂降りで
私は一人そこに突っ立って

子供に戻りたいなんて馬鹿なことを夢想する

私はしばらく歩くと大きな大きな湖にたどり着く

道端には地蔵が佇んでいて

こちらを ....
夕暮れ時の紅い雲
スズメが三羽飛んでいた
セミ鳴き声が煩くて
窓を閉めても
それはジワリと部屋に浸透してくる

汗ばんだ肌が陽に照らされて
またどうしようもなく空虚な夏が来ると思った
今私が立っている大地
雨が降り雷が落ち強い風が吹く
あなたとの距離は四十五センチ
上空一千メートルには流星の様なミサイル
音速で飛ぶミサイル
そして大気圏外から降り注ぐ宇宙ゴミ

今の瞬 ....
大切な友が夢に出てきた
もうずっと会ってはいない
もうずっと遠くへ行ってしまった
友はこう言うとふと煙の様に消えて行った
あなたと過ごした日々を
あなたと見つけたものを
あなたの光を忘れな ....
曖昧なあなたの自殺願望
私はそれをタバコを吸いながら眺める
缶コーヒーのプルトップを開けて
それを差し出すあなたの瞳の色
焦げ茶色の瞳は私を見ていない
二重螺旋で作られた私とあなた
時間軸 ....
夏が始まるからあなたを思い出す
二度と交差することのない蛇行した2つの個は
夏空の中に無数に拡散した思いを秘めて
上空を流れる飛行機雲となり同化する
夏が始まるから君を、あなたを思い出す
夜の空に入道雲が空に立っていたから
優しい湿度の空気を吸い込んで
ふうと風に流してみる
私はゆっくり星を掴んで
その温度を感じ取る
暖かさは初夏の夜風に拡散して消えていく
たばこに火をつけ ....
6畳半の自室にはシングルのベッドが
横たわると鴨居と窓枠が幾何学模様を作る
壊れかけのベッドは身体を沈めると泣きながら私の体を抱いた

薬で虚ろな私の自我が溶け出して
ベッドに思想のしみをつ ....
散りゆく桜がとても綺麗だった
灰色から薄紅色
薄紅色から新緑に移り変わる頃
私の世界がモノクロに変わったあの頃

今思えばあの頃が私の世界の分岐点で
散った花びらは数あれど
掴めやしない ....
倉科 然(48)
タイトル カテゴリ Point 日付
赤と君の口癖自由詩119/7/11 22:43
木漏れ日の中、視界不明瞭自由詩218/5/15 23:17
地球、戻らず自由詩317/11/8 21:25
全部嘘だと秋の風が言ったので自由詩317/10/27 12:19
終わりが。夏自由詩017/10/2 20:08
Re: 光自由詩117/8/28 22:02
ブランコ。自由詩117/8/14 21:03
流星の海自由詩117/8/13 5:49
午前二時自由詩017/7/30 17:31
現代詩、旧現代詩、乖離。自由詩117/7/26 3:35
錆びた星座の向こう自由詩117/7/25 22:28
果ての果てにて自由詩017/7/24 23:57
明け方のセーブポイント。虚無の果てに。自由詩017/7/15 1:29
失声症自由詩017/7/15 1:21
ストーリーエンド自由詩217/7/13 20:46
海辺と自由詩717/7/11 23:20
一人、新宿にて。自由詩217/7/11 23:05
自由詩217/7/11 22:49
海底。泡と。泡。自由詩017/7/7 19:35
自由詩017/7/7 4:16
手遅れ自由詩117/7/7 1:17
スコール。どうか傘はささないで自由詩117/7/6 6:11
無題自由詩117/7/6 3:47
四十五センチ自由詩117/7/5 1:39
光の温度自由詩1*17/7/5 1:22
星々、そして。自由詩217/7/5 1:11
夏、私を連れて自由詩317/7/1 9:55
ソフィスティケイト自由詩117/6/30 5:20
壊れかけのベッド自由詩117/4/8 2:41
自由詩017/4/8 2:13

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