おおきな柱のかげで ぼんやりと夕暮れをまつ
すわりこむかたわらでは 橙色の風がゆっくりと渦を巻いている
砂のいろと光のいろが しだいに分からなくなる

昨日の夜と 明日の夜は
この夕暮れを介 ....
この細い指先と、空気のゆらぎの、その間に、
差し込まれたうすいろの紙
指先と空気は互いに引き寄せ合って、互いに屹立し、
そして、表面をつくっている



コップに一杯の水
その水に水面 ....
あじさい色の霧につつまれた
しろい春の丘には
ちいさな古城がねむっている。
くずれかけた壁を陽光が淡く透かしている。
光は軽さと流れの単位である。

内部には無数の壁掛け時計がある。
と ....
たしか秋の公園のような日だった。
黄色をうつした池のうえでは
アメンボが つーつー とはしっていた。
ああ、そこにミナモがあるのか。

  ミナモは空気を吸ったり、
  つめたい湯気を吐い ....
白い四角の建物に囲まれた
青い十字路の真中に立って
いつも月の方角をさがしている。

道の先では夕陽がいまにもしずもうとしている。
そしてそれは他の道でもおなじである。
十字路からはじまる ....
こんなに雨のはげしい夜は
空のずっと上のほうで
なにか竜のような
なにか雷のような
おおきなものが
現象とも生物ともつかない
おおきなものが
ぐるぐると
ゆっくり渦を巻きながら
泳ぐ ....
眼の前に一本の赤い花がある。
この花がひらくのに
一体いくつの
細くさめた夜が必要であったか。

そのために
一体いつから
割れた氷の影で
水仙は白く戦慄しているか。

 *

 ....
螺旋階段は空間をくり抜いて作られる。
あたりではいつも風が逆巻いていて
金属手すりの温度は風の硬度を教えてくれる。

螺旋階段は凍り付いた竜巻の骨格である。
形状がえらを模しているのは
呼 ....
 Ⅰ

とおくにゆれる 太古のうみで
アンモナイトは 今日もまた
およぎつかれて たべられた

歯が光る 刃のみなもと
海が濁る 強烈な回転
ふり返る 一瞬の暴力

あの歯がこわい ....
竹は伸びゆく緑の塔
その材は白い骨である
突端は
かたを削がれた錐なので
空の成層をやぶって上昇する
一枚 また一枚と
差し込まれてあけ渡す
徐々に速度を増してゆき
ついに火と同じ速さ ....
ガラス液で満たされた脳髄の奥深くには、みずうみが棲んでいる。私はそこの泥をかき分けて過ぎ去った記憶のありかを尋ねているが、投げ返されるのは透明な吐息にすぎない。忘却された心象たちは底泥の中で委縮をはじ .... 風鈴の音の届く範囲、正円の陰
大気を覆う蝉の声(空気中の水分温度はわずかに上昇する)
日差しに紛れて蚊は
動物のぬるい血液を飲む(ぬるいいきもの)
雲はいつも背伸びをして、天蓋に達すると激しく ....
水槽の中の生命。
「地球はいわば巨大な水槽であり…」
重力で煮詰めているだけで本質は水槽。


ぼくの部屋の床を掃除するといろんなものが出てくる
ほこり かみのけ むしのしがい …
深海 ....
瞬と類々(13)
タイトル カテゴリ Point 日付
夜がつながっている自由詩3*17/5/14 13:18
ひょうめん自由詩5*17/4/19 2:58
古城自由詩2*17/3/4 1:29
秋の公園自由詩1*16/11/22 3:28
自由詩5*16/11/21 3:18
空の上のほうで自由詩316/11/20 7:55
自由詩616/11/2 1:46
螺旋階段自由詩316/9/27 23:36
アンモナイトに関する試論自由詩3*16/9/21 4:03
空の竹自由詩216/9/20 0:02
記憶自由詩4*16/9/1 3:03
夏といきもの自由詩416/8/14 2:42
水槽の部屋自由詩316/8/12 5:04

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