からっ と あけた空 をみあげて
せんたくきから取り出した バスタオル をひろげると
ふわっ と 水 のかおりが 舞う

少し広いベランダは ひとり では もてあましてしまう
ので せんたく ....
空っぽになったビールの空き缶を潰しながら
シャワーを浴びようと立ち上がる
夏の夕方は明るくて
少しの背徳感を纏いながら
生ぬるい風をベランダからおくってくる

キュウリとトマトだけのサラダ ....
軽く結ぶ靴紐と同じ今日の意味握り締めたくて離してしまう

ベランダのまだ乾かないシャツの袖つまんで頷くその顎の先

三両の電車に揺られあくびする瞬間のあなた私のものかも

玄関をそっと開け ....
あんまり好きじゃない、甘いクッキーを口に運びながら
どうしようと思い、でも電話をしてみる。

3か月ぶりの声。
電話になると聞き取りづらい、こもった低い声。

「会話が圏外だよね」と笑いな ....
靴をはくくらい自然に恋ができたら良いのに、と思う。
たとえば右と左を間違えた、と言い訳ができる。
きのう雨で濡れてたんだって思いだせる。
今日は見栄を張りたいと自覚できる。

もう少し大人び ....
憧れ という 言葉で片付けてしまえば いい
わたしの、 書く という行為は憧れ なんだ

書きたい
書かなきゃ
書かせよう
書きたくない
書いちゃおう
書く?

全部 憧れ なんだ ....
全くの新しさをかかえて とったばかりの免許を財布に入れて 跨る車体
気持ちとは連動していなくて よろめいて 足をつく
きっと見破られたんだ
 冷房を直して1週間 一度も使っていない けど風を送る ....
まあすぐ に 

あるいてゆくと すぐ 緑 に かこまれる

けど そこ で止まらないで

井戸 をみるために苔の 上 を ふんずふんずと進む

くたびれた井戸水 は むせるような 葉 ....
髪なびく風通り抜けるTシャツの袖つまんだら恋走り出す

真っ白なシーツに夜を預けたら眩しい光に「おはようございます」

「おはよう」とまだ寝てる声で返事する眼をこする手すぐわたしに触れて

 ....
まったく 目を覆うことができたらいいのに
母の背中を 掻き毟ると 血 がにじむ
茶色いかさぶた と 筋になって 血
掻かないと 大声で叫ぶ 赤ん坊のように

私が 父と兄 の  替わり  を ....
{ルビ生命=いのち}{ルビ繰=く}る親指の垢{ルビ擦=なす}り付け新たな{ルビ頁=ページ}アルバムに増え

{ルビ霞=かす}みゆく夕方と夜の隙間の紺ハイライトの箱投げ寄越す君

かろうじて上が ....
火曜午後喫茶店のコーヒーを猫舌ですくう君の口元

窓枠の銀色のふちと重なった空の灰色二十代の時

さっくりとすすむ静かな五月の{ルビ陽=ひ}自転車こぐ足軽く浮き立つ
二時間後待ち合わせをした駅に居る君の背中を想って黙る

甘茶色耳にかかるべき髪の毛を指で遊ばせ五分の間を埋め

梅雨前の最後の晴れに出かけよう三浦海岸二人乗りの午後

まっすぐに続く空とい ....
なんてことはないんだ。

今朝、母は雪を見ながら(正確には彼女にしか見えていない雪だ)卵焼きを作った。
キッチンに立つ母を見るのは久しぶりだけれどやはり、しっくり、とくる。
料理をするために洋 ....
つまりそういうことだ、仕方がない
あっという間にすんでしまうから
おびえなくてもいい、おびえてもいい

宙という名前の男の子をうんだ
彼はギターが好きだったが、好きすぎた
やっぱりそういう ....
朝もやの白く輝く始発待ち数え集まる雀群れゆく

階段を踵から踏み上がるとき日がのぼるのを見て見ないふり
ジャケットの裏に内緒でしのばせた四月のピンクと怯える自分

こっくりと深い音をたてながら埋めたい距離と倍速の{ルビ時間=とき}

自家製の梅酒を{ルビ口実=ネタ}におしかけるグラスの氷は溶けか ....
6畳の畳は意外と力強くて
意思の弱い私も思いきり泣けた
食パンののった机が
妙な安心感につながる

さ おくるよ

そう言って
人差し指でキーをくるくるまわす君は
黒のトレーナーをか ....
音を形容する言葉が足りない と君は 喉をならしてビールを飲みながら 言う
君の発する言葉 そのもの が音でしかないから 仕方ない
めがねのつるをつまんでふりまわしたら 机のかどに当たって レンズが ....
傾いてる って それが僕のバランス
わかるやつにだけわかればいい
そこに君がはいってたら ベスト

ああうん と階段を降りる途中でふりかえった背中
オレンジのニットがはりつく腰のあたり
千 ....
からっと空があがった

その色は首のあたりにすっと馴染んで 実に悠長に 時間が過ぎる

携帯をほっぺと肩に挟んで自転車に乗ると 坂道を転げ落ちる

きこえる君の声が 嘘のようで ここちよい ....
勝手言う膨れた頬の内側を舐めてる舌も僕は知ってる

火をつけてすぐにもみ消す癖のくせ人の煙草に文句ばかり言う

意地悪とすぐ泣くけれどどうだろう僕は意地悪君は意地張り
そうしないとなにも始まらないし なにも終わらない気がするから

ただ昨日のあの人について なにも言うことがないけど なにも言えないけど

たとえばしまりかかった踏切に間違ってはいりこんでしまっ ....
花粉症の季節になるたび世話になる薬局のひと髪型かわった

苺とかバナナはあまりよくないと教えてくれる口元がいい

帰りには苺じゃなくてグレープフルーツ買って帰って剥いて飾って

好きになる ....
今 は 雪国 にいる あなた をおもう
と、窓のそとが 曇った 気がして
ただただ あいたいなあというか とおまきに見てみたいなあというか
そんな気が する

(クリーム色のカーテンを 薄汚 ....
待って、待って
と言いながら 母はついてくる
最近 少しは 歩けるようになったみたい
けど、台所で お米 をとぐわたしにむかって倒れこんできた母は ふわ り として
枯れた 木 のにおいがした ....
そうなんだ
存在自体が嘘みたいな
存在自体が奇跡のような
存在自体が夢のような
そんな人が好き
そんな人ばっかり気になる
私の見えないところでどうやって生きているのか
私の見えないところ ....
朝7時半に目覚まし時計がなる 君は起きない

8時にも目覚し時計がなる やっと起きる

お湯を沸かしてテレビをつけた君は ふわあ とあくびをしながら

寝たふりをしているわたしに   くち ....
つみあがったCDの山と 自分の足跡を重ねると
なんだかちょっと わたし がわかった気がする

さらなる上を目指してという君を見ていると 心からかわいそうになる
と同時に わたし がわかった気が ....
【1丁目】
 日が昇る前の朝5時半、自転車で坂道をのぼる。買ったときは黒くて、今は灰色になってる自転車。本当は余裕の表情で坂道をきりぬけたいけれど、ハンドボールの選手をやめてから2年たってしまった足 ....
吉原 麻(101)
タイトル カテゴリ Point 日付
せいいっぱい のびる自由詩608/7/21 22:26
空気、風、温度自由詩508/7/20 14:22
花瓶の薔薇、玄関の靴、居間の窓、風埃水、明日の自分短歌308/4/27 22:14
空気の距離自由詩207/7/2 23:12
つたう自由詩807/7/1 16:39
甘い 考え自由詩006/11/7 20:19
アステリスク自由詩006/8/28 15:32
少女について その 森に入る自由詩305/9/7 21:35
なつのゆめ、だいて、はしって、○○○○○!短歌305/7/24 0:15
蒼い葉 うらめしい自由詩305/7/20 2:15
まだ あたらしいきみは短歌105/6/12 20:58
からす、なくように。短歌4*05/6/12 18:55
並ぶ、風と、流れる短歌705/6/10 12:35
かすみそうを送る自由詩11*05/6/1 16:14
からだが こわい自由詩105/5/19 14:13
せく きもち短歌105/5/19 14:10
アパート脇、自転車を停める。短歌305/4/20 17:01
カプセル自由詩105/4/17 22:38
やわい そら自由詩4*05/3/30 22:45
可能性自由詩2*05/3/24 23:54
欅と辛夷の路自由詩2*05/3/11 1:04
春じおん短歌0*05/3/2 22:39
なあ 書いておこうか自由詩2*05/2/15 16:05
あまい短歌1*05/2/10 17:00
6畳の果て自由詩205/2/10 15:27
からすとゆき自由詩4*05/2/3 17:32
もっといいことしたい自由詩205/1/27 20:15
広尾五丁目の交差点、橋を渡ったら。自由詩105/1/24 19:43
わたし自由詩1*05/1/18 0:14
かるく こぐ わたしのまち自由詩105/1/6 14:55

Home 次へ
1 2 3 4 
0.11sec.