あさめがさめたらなにしよう
ゆめのつづきはよるみよう
きょうのごはんはなにたべよう
だれかとあったらおはようさん
ふたことめにはなにいおう
おひさまのぼればこんにちは
てくてくあるいてどこ ....
やがて降る雨は
僕らを同じ軒下に
やがて吹く風は
僕らを同じ吹きだまりに
やがてくる夜は
僕らを同じ街灯の下に
誰もがなにごとか為そうと
足掻き今日も過ぎてゆく
とうに同じ空の下に
 ....
僕らの住む
この国は
戦争へ向かう国
僕らの進む
この道は
戦争へ向かう道
ああ、この道は
いつか来た道
戦争に行かない
えらい人が
下品な笑みを浮かべて
ラッパを吹く
こども ....
雨に濡れながら
この先のゆく先を思う
その角を曲がれば
なにか見えてくる
ぼんやり思う
いつも
ぼんやり思うだけ
考え過ぎないのは
それが身のため
雨はいつまで降り続く
その先には ....
僕の頭を開けてごらん
中にも僕がいるでしょう
そいつはしかし偽物だ
さあもうひとつ開けてごらん
そこにも僕がいるでしょう
そいつもしかし本物じゃない
どいつもこいつも容れものなんだ
開け ....
とるにたりないことばかり
かんがえかんがえ生きていて
役には立たないことばかり
大事みたいに思ってる
僕のような役立たず
どこに転げてゆくだろう
でこぼこ道にひっかかり
今日もそこらで転 ....
最後は風が吹いたとさ
なんにもないよな一日に
だあれもいない丘の上
さみしい人もいない町
焼けた野原に草が生え
雲ひとつない青空に
ひまわり一輪 天仰ぎ
夕日が沈むその前に
染まる色彩見ておこう
一番星のその前に
今日の名残を惜しんでおこう
月がひっそり顔を出す
兎の影絵を探してみよう
無為に過ぎてく一日に
何もできない一日に
眠りにお ....
花咲か爺さん 灰を撒く

小さな島を照らしましょう

日本に花を咲かせましょう

鉄砲持って 海渡ろう

ハンバーガーを食べながら

見知らぬ人を撃ちましょう

大地を真っ赤に ....
花咲け大地

叶わぬ夢も

素知らぬ顔で

天まで昇れ

いずれは雲に

やがては雨に

今日もどこかで花が咲く

色とりどりの花が咲く
きみには
もう届かない
神さまの手紙を
僕は今日も読んでいる
きみが知る由もない
今日という日の美しさを
僕が手紙に書きましょう
こちらは四月に雪が降りました
そちらはどうですか?
フリードリヒが見ていた
あの十字架

雲海に聳える
孤独な十字架

廃墟で傾く
あの十字架

運命はいつも
フリードリヒの絵の中に

同じ十字架を見つめて
同じ背中を見つめて ....
風吹き抜ける丘のうえ
祈りを捧げる家が建つ
人の無力の絶望に
抗う祈りのうたう声
潮風のつぶに紛れつつ
砂の浜辺に隠れては
いつか亀の背に乗って
海の彼方のその彼方
祈りはどこに届くか ....
神社のない
町に生まれた
墓もない
新しい町に育って
隣り町の友達は
高層マンションから
空き地だらけの町を眺めた
僕らは
歴史のない町に育った
僕らの故郷には
神社がない
僕ら ....
蝋燭の灯りが消えてゆくように
真っ暗闇になるのだと
そんなふうに
誰に教わったわけでもないが
そんなふうに
思い込んでいたもので
真っ暗闇に包まれて
何も見えなくなることは
なんとなく ....
木漏れ日みどり映え
そそぐひかりの束

だれが僕を
貴方をあたためる

この世に
春をつれて
いずれつれ去る

僕を
貴方を
塵ひとつ残さず
忘れる人さえ
いなくなっても
 ....
軒先のんきな風鈴が
遠くの空を眺めてる
空だか海だかわからない
水平線を眺めてる
子どもたちが遊んでる
白い浜がお気に入り
いったりきたりする波を
にやにやしながら眺めてる
ばかにきれ ....
見えるものがすべて
そこにある世界
それが世界
どうせなら
楽しい世界
苦しみを超えたら
きみだけに見える
やさしい世界
きみだけに
見えるから
きみだけの世界を
僕も信じるから ....
突き抜けるような
青い空に
純白の雲
雲の向こう側に
なにが蠢いているのか
誰も知らない

青い空

白い雲

果てしない孤独
もしかしたら
言葉は音になって
空気中を漂い
あなたの耳から侵入する
かもしれない

もしかしたら
言葉は文字になって
どこかに刻まれ
あなたの目から侵入する
かもしれない

 ....
ああ、今宵は
下弦の月の舟に乗り
黒い夜空に漕ぎ出そう
眼下に見えるは
{ルビ玩具=おもちゃ}のよう
昼の{ルビ日中=ひなか}の
よしなしごとは
ちっぽけな屋根の下に
まるめて
仕舞 ....
うずうずする
{ルビ瘡蓋=かさぶた}を引っ掻いたら
僕の中から
僕の中身が滲み出た
あぶないあぶない
こんなどす黒いものは
絆創膏で塞ぐに限る
乾いてくれば痒くなり
ついなんどでも剥が ....
心の寒さを
まるめて吐いた
白い吐息
屋根の上
冬空浮かぶ
溜め息の群れ
街をゆき交う
俯く人影
北風吹き荒れ
立ち止まる
やがて粉雪舞い落ちる
手のひらに降る
粉雪が降る
 ....
朝の陽が

淋しい小道を照らすころ

役目を終えた街灯は

静かに眠りにつくだろう

迷っていたきみを

泣き顔のきみを

朝の陽が

やさしく包んでくれる

きみはだ ....
立ち入り禁止

柵を立て

立ち入り禁止

張り紙し

立ち入り禁止

うずくまる

ひとりっきりのかくれんぼ

もういいかい

まあだだよ

だれかくるのを拒んで ....
つのる想い
 枯れ葉落ちて

積もる舗道
 落ち葉踏みて

音は乾き
 騒ぐ心

音に紛れ
 心隠す

つのる想い
 今日も明日も

幾度掃けど
 積もる落ち葉

 ....
夜みたいな朝を
自転車で駆け抜けて
太陽みたいな君に
真っ直ぐ会いに行こう
僕みたいな君が
にっこり笑ったら
地球上のみんなに
朝陽が降り注ぐんだ
やあ、やあ、おはよう!
見上げると丸い空

穴ぼこに落っこちたのは

さていつのことだったか

ちいさな空に太陽が昇り

ちいさな空に雲が流れ

ちいさな空に日が沈む

ちいさな空に月が昇り

ち ....
いつの日も
いつの日も
空しい穴を掘っています
雨ざむざむと降り続き
穴に雨水溜まります
泥も崩れて流れ込み
空しい穴は埋まります
僕のからだも埋もれます
どうしようもなく退屈で
僕 ....
それは個人的なこと
ごく私的な部類

青い空が
僕の瞳に映る

ひんやりした風が
僕の頬を撫でる

かじかんだ手が
いっこうに温まらない

そう
それは
個人的な話

 ....
花咲風太郎(39)
タイトル カテゴリ Point 日付
ふたことめ自由詩317/11/9 20:32
やがて自由詩6*16/2/11 23:24
この道は自由詩215/7/15 8:20
ちいさな願い自由詩215/7/13 14:08
マトリョーシカ自由詩615/6/25 7:01
今日もそこらで自由詩215/6/9 14:11
来るべき世界自由詩115/6/1 6:50
その前に自由詩415/5/28 6:52
花咲か爺さん〜三好達治「灰が降る」から60年を過ぎて自由詩115/5/27 6:57
花咲け自由詩315/5/26 6:53
神さまの手紙自由詩515/5/22 17:40
フリードリヒの十字架自由詩315/5/19 18:10
祈りの家自由詩215/5/19 6:49
故郷自由詩9+15/5/15 9:36
そんなこと自由詩415/5/12 7:05
祝福の朝自由詩215/4/27 7:14
風鈴自由詩615/4/21 6:49
きみだけの世界で自由詩115/4/16 0:05
青い空、白い雲自由詩715/3/2 7:03
ひとかけら自由詩715/2/20 12:38
下弦の月自由詩615/1/26 10:44
瘡蓋自由詩515/1/19 9:45
冬空自由詩515/1/7 8:55
朝になれば自由詩214/12/29 10:28
かくれんぼ自由詩514/12/22 8:29
秋の終わり自由詩614/12/2 11:30
地球に朝がやってくる自由詩214/11/28 7:14
穴ぼこ自由詩214/11/27 7:19
穴掘り自由詩414/11/26 8:58
個人的な事情自由詩414/11/21 9:24

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