眠れたのだろうか
憔悴した頭は
おぼろげで
ぼろぼろで
眠れたのだろうか
澄みきった空気は
ひとりきり
ひといきれ
くたびれた薬缶の
泣きやまない声が
部屋中を飛び回って
忘れられる日は ....
さんざめく夜の淵
孤独は口笛を吹きならして
引力の釣り合いの取れない
夢ばかりみている
セメントの冷えきった童話と
律義に回る天体の中を
居場所がない、居場 ....
それはきみがくれたものだ
かなしみというものだ
俺はそれをどうするでもなく
ただおもむろにポケットにしまう
まぶたを忘れるほど
夕陽が落ちていた
拾うのも勿体なくて ....
大連は観光地ではないから
すべての施設は中国人のものだ
悪い仕事をするのに
これほど俺を守ってくれる国もない
星海広場をぶらついた
午後2時に待ち合わせている
たくさんひとがいるのに閑散 ....
アジアのどこかで
果実や肉の汁で汚れた
だだっ広い路地で
ひとびとは
収益とコストの差額のために
昼間のすべてと
夜の半分の時間を生活している
ビジネスを終えて
夜の街をうろついた
....
むらさきいろの たいよう
あたしが生まれた月に咲くその花が好きで
思わず寄り道をした
暑い日差し
空梅雨模様
命の色は
血の色は
どうして赤と
決まったの
コンクリートに座って会 ....
掴んだ袖先の感覚
少しずつ触れていく記憶
心の棘が零れてゆきます。
愛おしいと想えば想うほど
見えない旅路が怖くなる
恋しいと呟けば呟くほど
過ぎた海路に不安が浮かぶ
しないはずの後悔に言 ....
言葉にするとやけに現実味がわいて
ちょっと嬉しくなったりするじゃない
君を思って温かくなったり苦しくなったり
恋を分解してみるの
恋には教科書がないから
前と同じじゃ届かないけれど
新しい恋 ....
「少し先の未来の、“予約”をしてもらったの」
嬉しそうな
君の
言葉 。
突然、湧いたわけでもない
必然のシナリオ。
指輪眺め微笑む君は
いつもより
少し、照れてるよね。
「裏 ....
あなたは
かけがえのない空
そう悟ったのは
自信の欠落したあの日から
幾月を見送った頃
新しい光
淡さを秘めた数分
あなたを忘れた数時間
掬われた空虚に
多少の望みを残したまま
捕らわれ戻る景 ....
だってどうしたって女の子なんだもん
誰かを好きになったり
嫌いになったり
遺伝子レベルで起こることを
引き留められない
どんな睫毛を伸ばしても
どんなエロティックに唇を飾っても
振り向かない君 ....
ただ、咲いているだけ
でも
咲くことに意味がある
「名も知らない花」
咲いて、散って
はい、おしまい
儚いからこそ美しい
6月4日
母の45回目の誕生日
父が花を買ってきた
最近会話のない父と母
少し心配していた
けど
何も話さず、微笑ましく花を見ている二人
父と母だけの時間がそこにあって、
今だ ....
花よ おまえは
そうやって 最期のときまで芳香を放ち
あたりに愛を振りまきながら
気前よく花びらを散らせて融けてゆくのだね
なにも求めずに
ただ与えながら
朝靄の泣き声でした
窓の外のまどろみは綺麗すぎて泣きそうでした
君はこうやって
人工の明かりさえ美しく引き立たせるの
才能だよね
本物と似て非なるものとの対比率
定義など成り立つものか
目を覚ませば ....
伸ばした手に、銃はないけど。
危なっかしいから、すぐにしまった。
僕の手が契れるより。
誰かが脅えるのがわかったから。
深夜のファミレス
メロンソーダ
人工的なグリーンが
光を集めて
輝いて
私は
自分の席の話題に
ついていけずに
(バイクや車の話ばかりで)
辺りを見渡す
端の席に座っている ....
また見られるといいなぁ この景色。
笑ってみ、そうすりゃみんな笑うから。
街を彩る紫
ほら、もうすぐ
冷えたビール
飛び散る噴水
歓声にわく街
笛太鼓に舞い踊る
初夏の訪れ
一陣の風が吹く
この世界のどこが終わってるんだ?
同じ目を持ちたかった
君と同じ世界を見ていたかった
叶わないなら捨てるなんてのは間違いだと
ちゃんと知ってるよ
いつの間にか
色づいていく
さくらんぼ
眩しくて
さくらんぼ
ペアでなると
思ってた
そうでないのが
悲しくて
もう
二度と会えない
あのひと
今どこかで
空を見上げてればいいのに
数年ぶりに帰った淡路は
侵食されていた
土曜日の昼間
人影は少なく
植物だけが
コンクリートの小さな隙間の雑草
庭先の草花
棚田の周りの雑草
貯水池の緑の縁どり
道路の両側の雑草
川の両側、中洲の雑 ....
音もなく
密やかに
こころがひび割れていく
絶望じゃない
そんなわけない
でも
それに似た何かが
ひび割れたところから
こころが、
染み出していく
たぶん
こころ ....
罪をゆるすことなどは出来ないが
腹を撫でさせてやる
癒されるがいい
本当に馬鹿馬鹿しいね
1時間も歩いて
君に会いに来たなんて
お陰で足にマメが出来ちゃった
家まで帰れるかな
あーあ
本当に疲れた
もう、ずっとここにいたい
せめて少しだけ
君の声を聞かせて
午後 ....
素直は真実
伸びゆく蔦のごとし
言葉は時に不安と化し
想いは常に苦悩を招く
失いし光には、闇
授かりし闇には、光
交互する反面の賜り
汝の笑みこそ
己の幸と知り
安らかなる御霊のおぼろ
....
ゆっくりゆっくり
暮れなずんでいく
太陽が
月に
主役を譲ろうか
考えている
街は戸惑って
モノトーンになって
こんな夕暮れは
誰かといても
淋しくて
夕陽が僕をマッチにする
もうすぐ君が帰る
足をすっと擦って灯す
僕を灯して、夕焼け
君を待つ
55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95
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