行き先のことはわからない
水中で俯瞰する 沈んだ街
絶え間なくぶくぶくと
光にむかって昇っていく
義足をつけて歩く人魚が
満員電車に身体を押し込み
やがて泡になるまで
探す かつての ....
膨らむ形に埋め込まれた視覚
影と道に挟まれた新たな縁
機械的な背景に
人道的見地を携えて
脇腹を抑えて走る
痛みも笑いもごた混ぜの
フラフープがくるりと巡る時
思い出すのはメリーゴー ....
人は生きながら、何を求めて生きるのか。
10代は色んなものに黄昏て
20代は色んなものに憧れて
30代は色んなものを手に入れて
40代は何を求めるのだろう。
安いシャルドネをグラスに ....
煙草の匂いが季節によって変わることは知っている
換気扇の下で走らせていた激昂の卵を抱きながら
燻らせていた頃が懐かしい
雨の知らせも感知しながら忙しい細胞たちと共に
煙にしか見えない守護霊 ....
私は先週仕事が暇だった
休みの予定も入れていなかった 私は
私の欲しいものも 今は特になく
友人に会いたいなどとも 今は私は思わなかった
暖かく 3月にしては 穏やかな日だった
3 ....
丁寧な暮らしにあこがれる
朝日と共に起床、
水でぱしゃぱしゃ顔を洗って、
寝間着を脱ぎ捨て、
ノーメイクで火を起こして
朝食をととのえる
ほうきとちりとり、茶殻で掃除したら、
お ....
何だか不意に
『美しい星』が映画でリリー・フランキー氏主演で掛かっていたが
僕は三島なら『百万円煎餅』を推したい
....
雨が降るような夜
誰かのために祈るような夜
あたたかな夕日
しあわせの時間
血脈や生き霊に斬ったはったされている
寄る辺ない男気につどう
切実な渡り鳥たち
....
どうしても見つけられなかった
理由を君は見つけたんだね
そんなささやかな
ありふれた
大切なものを
長い間探していたことにも
ついに見つけるまで
気が付かなかった
母さんも ....
花のように
きらびやかに
芳しく
そんな風に
魅せられたら
君のために
それをするのは
誰かの後追いでしかない
僕の表現が
君に響いた時
はじめて
安心出来る
でも ....
出鱈目に打たれた杭のような樹木の
日に焼け落ちたカーテンのような枝の隙間で
天使の抜殻が薄曇りの空を透かして濡れている
ヴィデオゲームは明確にエンドを表示するけど
人生ゲームのそれはあまり ....
子供のころ
川原で投げた水切りの石が
ついさっき
彼女の顔をギリギリかすめて飛んでいった
意味解らない
夕方の駅でホームで電車を待っていたのに
時間の経過を無視して
こんな場所まで飛 ....
今と昔では生活環境が違うけれど綴る詩は
今も昔も相変わらずな内容で
けれど、それでもいいんだと思えるようになったのは
きっと歳を取ったから
気がつけば自ら自分の時間を止めたあの人より年上に ....
試されているのはいったいどの暁だろうか。抉りとられたままの世界の軋む音が聴こえる。根拠なく発生し続ける存在は、ただ相対的に存在するだけで暴力として発芽する。見失う片目の行く先には過去の清冽な流れが ....
林のはたにはまだ去年の落ち葉が
形を失わずにありました
けれども枯草色の野はとうにすぎて
春の息吹きはまた
病の床をのり越えたのです
(あなたは苦しんでいるようにみえました)
(あなた ....
目を覚ましさまよう
喜びのない日々に
捧げてつかのま
息を吐く時間
世界は空っぽで
僕はその外にいる
外ってのは薄情な売春婦みたいなもので
出たり入ったりするけど
何かが生まれ ....
どうしよう 明日の朝
どうしよう 明日の昼
どうしよう 大切な時間
時間を無駄にしているようで生まれる嫌悪感
どうしよう
なんかしなくては
どこか ....
季節のうつり変わりはモザイク模様
冷めてしまったアールグレイ
頭の中でずっと続くダレカとダレカの対話
窓をあけ放つにはまだ早い
けれどここから抜け出したい
何だかわからない何かに追われている ....
あした満月みたいな光をみつめて想う
想像だけでは足りなくて
キャンディーズの春一番
猥雑で軽い人生に痛みをおぼえて想う
痛みは俺だけのものだから
いちばんリアルで身近 ....
炭酸水を一息に飲んだ
目を瞑って喉をひらいて
爽やかさを求めたのに
圧迫感しか残さなかった
未来は楽観的なのだろう
心配は何もないのだろう
その感情は罪なのだろう
現状が善後策なのだ ....
・火蛇玉谺丸骨同黒
・星蟻私光水砂肉島
明日がやってくるのは
当たり前のことではなかった
何気ない毎日は
奇跡にも近いことだと
あの時 初めて知った
幸せだった頃の面影を求めて
昔住んでいた辺りを訪ね歩く
太陽は山の向 ....
感傷的で ニヒリストで 他人にこれっぽっちも期待してなくて 死にたい夜なんてダサいとわかってても死にたくなったりなんかして トマトが大嫌いで 冷蔵庫の卵は賞味期限が切れそうだっけ? それなら明日はオム ....
春が近くなってきて暖かくなってきた
朝飯は食べない、朝にご飯を食べるとまずくて食べられたものではない
精神安定剤オランザピンが5mgから2.5mgに減った、飲むのは1錠だけ
痩せるだろうか
体 ....
出張先の帰りに途中下車して
十数年ぶりに二人で行った
異人館に一人で入った
いつかの君のような女子が
グループではしゃいでいた
異人館は昔と変わらない
進歩していないが退化もしていない ....
まっすぐな道を曲げるのも
曲った道をまっすぐ往くも
はたから見れば
つむじ曲がりのへそ曲がり
味や香りが劣ってなくても
曲がり傷もの二束三文
好きに選べる人もいる
ふところ具合の人も ....
年をとると
思い出したくないことが
いくつもある
ずっと忘れていたいことがある
すっかり忘れていたことが
ある夜突然夢に現れて
ほんとは忘れていなかったんだな!
と気づかされることがある ....
淡い空の色は
何時の時も
同じ色合いに非ず
暮れゆく紅色も
始まりの藍色も
揺れる程に 美しい
喩えるように
流れる雲に
我の思いを乗せて
割れた空の隙間に
埋め込 ....
朝の光はいつも すべてを赦している
仮眠から醒めた命が
詩の水面をゆらし
躍り上がって咲こうと
高揚するとき
夜更けかすかに漂う
冬の残滓が
迸る日差しに絡め取られたとき
....
鳴かない鴉の群れのなかで
黒い氷が鳴いている
解けては凍り 重なる肌を
斑な闇にまたたかせている
沈みかけた三日月が
ほんの一瞬むらさきになる
帆船が入港し
乗り ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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