あかいあまいつぶつぶを
丸のまま吞み下したみたい
骨と皮だけの人たちが
剥き出す前歯と目玉
....
きみがいつまでもいないあなたをみているので
ぼくは一塊の埃になってしまった
埃になってもなお ....
飛行機がなめらかにすべって往く
そう青くもない春の空
だだっ広くてなにもない
つかみどころのな ....
先の大戦で
ジショラー率いる
ナチョス(メキシコ料理ではない)が
反自称詩人主義を掲げ
自称 ....
人よりも鳥がよかった身投げして少女は眠るアコヤガイの夜
シャンデリア灯して暮らす深海の秘密 ....
朝起きてシャッターを上げれば
いつもの山が見える
人気のない道が見える
ああ!もう都会には住め ....
密室に詰め込まれた人々はただ寝静まっているふりをしていた
目を凝らせば二十六時を指す文字盤が見える ....
春とは名のみの夢見み月が
発育不良な日差しを漏らし
涸れた裏庭を
....
椅子取りゲームに負けた冬が
白い涙たくさんこぼしてわめいている
おうちは ....
麦
清水
畳
頭を空に向けて六十二度くらい傾けたまま
動けなくなってしまった
顎を前方に突き出したまま
....
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