青の世界が
泡とともに
生れ落ちる八月
海亀の散歩が始まる
ぷかぷかと
海面を漂い
....
海に行きたい
波の音が聴きたい
ここからはとても遠くて
潮の香りさえ届かない
素足のまま砂に ....
悪口をいう人がいる
悪口をいっていたよと教える人がいる
そんなことがあったんだってと広める人がい ....
なにをしてもさむい
ペットボトルにお湯をいれて抱く
あなたの足がすぐそばにあるのを
ちらり ....
空仰ぎそっと息吐く
Yという友達と会ったその日私は彼を待っていた
彼は 喫茶へ来た そして酒場へ向かった
そんな ....
ダイナミックな荒々しさや悲しみは
フランス喜劇に鑿ふるわれて
ひとや自然や建物は小景に繊 ....
愛が泥のようだ
見慣れた街が異国になって
まばたきをする
汚れつちまつた上 ....
赤茶けたカーテンを捲って覗く
窓のむこうの電柱
電球の切れかかった外灯が
ぱちぱちと
青白く ....
崖の端に立たされた時の恐怖と不安は
創造的な星の輝きに照らされる
真夜中の暗闇と孤独
ただ生き ....
私達はきょうも鳥の首を絞めて
お釈迦様を雑巾でぬぐっている
星は一面凍りついてしまって
....
ひかりのつくり方は だれも教えてくれない
水の配合を間違えたことで 白く霞む朝に
きみの浅い ....
電車を待っていたら
隣にいた男が急に話し出した
「あなたはこれからも
騙されたと思っ ....
憎い憎いと
与えられた不幸で
踊る俺を人が笑う
次は
こっちから
笑おうと思うの
....
その角を
ふいに右に曲がると
道はのびていく
たくさんの家
人々が喋っている
知らない人た ....
「解放」
病的な罪悪感に縛られる
些細なことに傷つき
自分を責めては悩んでいる ....
春が来たら、十年前の僕らの入学式を見に行こう
鳥の声や風の音が音楽そのものだった、あの場所へ
....
明日晴れたらどこへ行こう
雨が降ったらなにをしよう
暑い日も寒い日も、お腹が痛いときも怒鳴られた ....
こん夜
つけて寝るためのピンクのマスクがある
かの女はいま
どんな心の中の秒針を回して
何を ....
雀
おしゃべり
核
夜も更けて、マンションの落ち着いた寝室に、今日も暗闇が訪れた。
いつものように出窓のカーテンを閉め ....
ネット上の出来事なんて
所詮バーチャルなのだから
私が私以外の誰かになったって
それを咎められ ....
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