敗れた人に会った
敗れた選挙区で会った
敗れたときとおんなじ
白髪と皺だった
考えなしで原宿 ....
寒波が孤独と手をくんで
夜と星がふるえる
色おちした布団のなか
小さなぬいぐるみのよう ....
暗いトンネルを歩いている
はるか彼方に光が見える
這いつくばって前に進む
出口に向かい肘をつけ ....
滑らかな肌に温かい指先
抱擁して温もりを感じあう
白い月が震えている
水が形を変えてゆ ....
しろい風がふく
ふくふくとしたてのなかで
やわらかに睡蓮のはながまどろう
ひたひたとあ ....
酩酊をしている
ふりつもるゆきのはな
わたくしがどんなにほれようと
あなたはふりむいて ....
蝶番の語源は、蝶の番
蝶番から、蝶がひらひらと生まれ落ちる
消えた戸の先
そこには、日 ....
ぶなしめじ
響きが好きだ
声に出して
脳内で囁いて
ノートに書き殴って
タイピングして
....
最低限あればいいよ
衣食住があればいい
アソコを隠せて
餓死しない程度に食べて
雨風を凌げれ ....
勿体ぶった言い方をしているが
要は尿管結石なのである
正確には
大きめの石が
内臓(ここ ....
はじめにそれは夕闇のようであった
遠い地平の彼方に佇み
私を見つめ
幽かに微笑むようでさえあっ ....
雨の音耳に残って消えなくて梅雨を表す天気図を見る
六月の湿気塗れの空間に精神的に何だか重い
....
二回目のいぶすき菜の花マラソンだ
坂道の多いマラソンだ
当日は朝三時に起きて
雨の中を車で会場 ....
生きたまま花の化石になりたい
という少女がいて
街は、霞のようにかすかに
か ....
僕は
あなたの瞳に映る
自分を確かめたくて
今日も目と目を合わせる
言葉ではなく行動でもなく ....
私は
私は
一人の男の子に笑ってもらうためだけにこうしているの
悪いものを食べてしまったね ....
エヴァンゲリオンがゴミに塗れて
広い島に不時着すると
打算の奉仕が群がって
夕暮に鐘が鳴る
....
盆地は風が微弱で頻繁に空気がたまり大変だと聞くぞ
だが平地をぐるっとする山脈の壮観な岩肌に ....
さようなら 言葉よ
いろいろあったけど
楽しかったぜ お前のせいで
いや、おれのせいか
裸で ....
梅花ははらり、ゆらめいて
乙女の黒髪染めていく
鶯は唄を奏で
陽光は大地を抱き
春 ....
何年ぶりだろう
飯を炊くのは
湿った摩擦音が懐かしい
粉っぽい水の
ぬるぬるとした
妙 ....
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