[727]ピッピ[07/26 06:40]★2
時間ではなかった。
あれ以来箱顔は僕に懇ろになり、前よりはよく話すようになり、よく笑うようになった。
新しくメンバーに加わったロボット(こいつも本当にロボット)と4人(?)で作業をしていた。
誰にもテーマを伝えないまま、映画を作り始めていた。
とても晴れた日だった。最初に、箱顔に伝えておくべきだと思った。
「おまえで、映画を撮りたいと思うんだ」
そう言うと箱顔は露骨に嫌な顔をした。今まで見せた顔で最高に嫌な顔だった。
そして背を向け、言葉を閉ざした。僕はなんとか説得しようとしたが、箱顔は逆ギレした。
「本当に、知らなかったのかい?」
その言葉の意味が分からなかった。女の子の方を見ると、憐れみの目をしていた。
二人は、僕が知らない何かを知っているようだった。僕は素直に「分からないよ」と答えた。
すると箱男は背を向けたまま何処かへ進み始めた。尾いて来い、という意味だと思った。
背筋が顫えた。映画を撮るよりもっと、重要なことを知ってしまう気がした。
そう思ったら目が醒めた。時計を見たら、寝てから3時間しか経っていなかった。
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