[5]深水遊脚[2017 09/15 12:56]
『夜間飛行』サン・テグジュペリ 新潮文庫

 この文庫には『夜間飛行』と、処女作である『南方郵便機』が収められている。作者サン・テグジュペリはリヨンの伯爵の子として生まれた。スイスの聖ヨハネ学院在学中に文学を学んだ。海軍兵学校の受験に失敗後、兵役で航空隊に入った。除隊後、航空会社の路線パイロットとなった。『夜間飛行』『南方郵便機』はパイロットとしての体験をもとに書かれた。

 この本を手にしたのは十年以上も前のこと。当時はもっと素直に読めたのだが、いま読むと細かいところにいちいち引っ掛かってしまう。引っ掛かったところは例えば公平性のこと。支配人リヴィエールが考える規則を監督のロビノーが現場
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