[673]ハァモニィベル[2018 05/14 03:54]★1
「貴方のような人が、何をしにこちらへ?」
「ええ、不思議な伝言をもらいましてね。この街で
<羽の消失がもたらす花の喪失について>講演をしに来たのです」
私がそう答えると、パブロフの蚊の全身に一瞬恐怖がはしったのが
こちらにはっきり伝わってきた。
「そうですか、それはそれは。特にわたくしに取りましては、Kissは重罪になります」
そう言ったきり、パブロフの蚊は、悲痛なほど、暗く俯いて黙り込んだ。
一言もしゃべらなくなったパブロフの蚊をそこに残し
脳をすべて食べられないうちに、私は、脳を食べる温泉の湯から出ようとした。
すると、そのとき、
パブロフの蚊は、突然、私を引き止めて
[次のページ]
前
次
戻る
編
削