[28]田代深子[2013 09/16 01:02]
文字サイズ調整に自分が慣れることだ。ページをぱっと戻せないこと、書き込みできなことはメディアとして本質的な難点と言えるが、それは紙の本の体積が無化できないのと同じである。
 ここでやっと登場。かの「華麗なるギャツビー」は、電子書籍で購入するにはもってこいの作品と言えた。20世紀アメリカ文学の最高傑作と称賛され、何種もの翻訳があり、映画化、舞台化も何度もされた古典。が、正直言って、あまり感銘を受けることなく読み終えてしまった。読みなれない電子書籍のせいか? 私が村上春樹作品を読みすぎたからか。
 しかし印象的な場面が3箇所ある。ニックがブキャナン家の客間に初めて通されたときの情景描写、「灰の谷」の描写、そしてギャツビーのパーティ客が自動車をぶつけた後の一幕。いずれもフィッツジェラルドが優れた作家としての力量を示す場面であろう。
 紙の本、それも美しい装幀、好みの紙質であったらもっと感動したのだろうか。わからないところだ。そうした環境は読感に必ず影響する。だが電子版でも紙版でも、きちんと本質は読み取りたいものだとは思う。
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