[25]深水遊脚[2013 09/15 09:55]★1
小説に分類されるでしょう。でもセックスを描くために状況を作り込む書き方ではなく、年老いた男性主人公からみたセックスの記憶を、感情のきれいな部分、汚い部分すべて細部にわたり描き切る書き方をしています。自分史に登場する炭鉱での労働についての描写も、そこで働く人たちの描き方も、リアルで丁寧です。この部分が現在の主人公のどこか空疎で孤独な有り様と好対象です。
 年老いた男性のセックスに良いイメージをもつ人はあまりいないかもしれません。ましてお金持ちで愛人を囲っているとなると、反射的に怒り出す人もいることでしょう。でも、性的に衰えを感じていて、自嘲と劣等感が常に貼り付いている主人公は、傲慢な全能感とは無縁
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