[16]ふるる[2013 08/25 16:35]★3
病人は「死病者」といちいち比喩が重い。全体のトーンを暗くしたいみたいで、あちこち細かいところにまで作者の支配力が及んでいる。粘着質な感じでそらおそろしい。(こういうのは日本語圏にいる人でしか体験できないから、面白がったらいいんじゃないかと思うけれども。
内容は、小さい頃親を亡くしたこと、お手伝いさんのせいでもう一人の親も、家も、庭も、奪われたみたいになっちゃったこと、家を出て貧しかったこと、などが書いてあり、全体的に暗くて恨み節っぽいです。でも、話者の視点は現在過去未来をいきつ戻りつするので、超他人事という感じ。あの時こういう道もあったのだけれども・・・みたいな記述がそこここにある。「選択肢はあったけど、こういう状況では仕方なかった」という諦めともとれるし、「こういう道を進んで、いまこうだけど、まあいっか」というさばさばした達観ともとれる。(道も色々、解釈も色々、まるでサンゴみたいに、ということらしいです)
そんなこんなでいまだかつてない読書体験(体感?)ができるので、いいけど、万人にはおすすめできなくて残念です。(ちょっと字数オーバーしました。すみません。)
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